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挨拶まわり、再び [移住生活のはじまり]

移住して半月以上経った。
見える範囲に家は数件しかないが、おうちの前の道路は車の往来が思ったより多いので、
この奥にもけっこう人は住んでいるのかもしれない。
さぁ、前回とは時間を変えて、ふたりで挨拶まわりしてみよう。

一番近い両隣(どちらも200m位距離はあるが)のお宅にすら挨拶できていない。
車が停まっていないのでやはり、とは思ったが、一軒はご不在。
もう一軒は車が何台も停まっている。
おそるおそるインターホンを押す。
ああ!ご在宅だ!
お隣さんは若いご夫婦だった。
聞けば、おうちの元家主さんのご親戚とのこと。
おうちの目の前の田んぼや、倉庫の向こうの台地に隣接した田んぼも、
この若夫婦が管理されているそうだ。
「見える範囲に数軒しかないので、ご挨拶まわりはどちらまで伺えばいいかしら」
「それなら、この奥に地域の顔役的な人が居るから、そこにまず行くといいよ」
と、貴重なアドバイスをいただいて、早速その顔役さんの家に向かう。

訪ねていくと、顔役さん、倉庫で作業をされていた。
拙いご挨拶をしているうちに、奥様も家から出てきてくださった。
すごく素敵な笑顔の奥様! 一目で大好きになってしまった!
このかなり奥にも、何軒も家があるが、とりあえず自治会の同じ班のお宅に
ご挨拶するといいのでは、とアドバイスをいただく。
近々自治会の役員会があるので、顔繋ぎに来てみるかい?とのお誘い。
是非、是非!


たかだかご挨拶まわりを数軒しただけで、こんなにも不安がどんどん解消していくんだ。
今までも、「地域の方だ!」とおうちの前を通る車にお辞儀をしていたが、
これから顔と名前が一致していくと、お辞儀するたび、どんなに嬉しいだろうか。
ああ、発足の皆さん! 新入りの私たちを、どうぞよろしく!
(まだほんの数軒しかご挨拶してないけど?
ご挨拶の品も、足りないけど?という自分へのツッコミ・・・)


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プランターでの唯一の収穫 [移住生活のはじまり]

今年は畑作りまで手が回らないので、家庭菜園は諦める。
札幌のおうちで苗作りのつもりでプランター栽培していたものが少しあるが、
あくまで苗作りのポットの代わりだったため、
大地に放ってあげないとこれ以上は育たないと思われるものばかりだ。

そんな中、たった一つ、プランターで完結する栽培がニンニクだ。
パンパカパ~ン。今日、晴れて収穫作業だぁ。
てか、取り残された時の乾燥や、その後の厚田の盛大な雨で、
もう収穫してあげないとまずいかも、という状態になっていたんだが。
札幌赤、という札幌の在来種なのだ。
株によってずいぶんと生育に差があって、普通に売られているようなサイズが1個、それ以外は小さくて小さくて、種ニンニクになるのかも怪しいサイズばかり。
でも可愛いんだなぁ。愛おしいんだなぁ。

葉を三つ編みにして、ニンニクブレードって奴を作って干してみた。
うまく乾燥してくれればいいなぁ。
そして、種ニンニクをうまく育てて来年も収穫できるといいなぁ。


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初めての来訪者 [移住生活のはじまり]

7/16。
札幌から友人夫妻が来訪するという。
夫妻は楽屋のカウンター仲間で、ダーリンと付きあい始めた頃をも知っている旧知の仲だ。
空家に移り住みDIYをしながら暮らすと聞いて、
建築士でもある夫君が様子をみてくれるというから心強い。
何時に来訪するかはわからないが、まぁ朝一番ではないだろうから、
当別の道の駅に何か買い出しに行こう、ということになった。
海側の国道経由ではなく、
自分たちが普段見ている山を越えて当別に行く道を使うという探検も兼ねて、
朝採りトウキビでもゲットしようではないか。

道の駅はめちゃくちゃ混んでいた。
野菜直売所も混んでいて、すでに品薄だった。しかも・・・ちょっと高い。
朝採りトウキビは売り切れで、B品のトウキビしか扱っていなかった。
来客に振る舞うには不満だが、さてどうしようか。
と、友人からメール。もう着いているとのこと!
とりあえず、我が家の位置は確認できたとのことで
(ドクダミが吊るされている家、が目印になった)、
私たちが家に戻るまでは厚田の道の駅「あいろーど厚田」で
昼食を摂って時間調整してくれることになった。


満面の笑みで現れたご夫妻に、
堰を切ったように、このおうちで経験したこと、厚田の風景がいかに素晴らしいか、
自分でもびっくりするくらいの勢いで、話した、話した。
おうちの中を案内しながら、DIYでしたいこと、
そのためにどうしたらいいのか、も相談した。
未だ全く整っていないおうち。手つかずで植物が暴れまくっている敷地。
でも友人夫妻は、話を興味深そうに聞いてくれ、
私のやりたいことを満面の笑みで「うんうん、凄いね、それいいね」と
後押しするように相槌を打ってくれた。
「来年、ある程度整ってきたら、ここでキャンプやバーベキューしたいね!」
そうだね! なんだか生活するのにいっぱいいっぱいで、
誰かが遊びに来てくれる想像なんて全くしていなかった!

久しぶりに、ダーリン以外の人とたくさん話ができて、ものすごく嬉しかった。
ああ、私、ひとりで淋しかったんだ、と気付いた。
今のダーリンは、札幌通いでクタクタに疲れて、どんどん痩せ細ってきた。
短い出勤前の時間も、それぞれが作業をしていて、常にバタバタしている。
たくさん話したくても我慢していたんだなぁ。

友人たちの来訪は、ふたりだけの生活では気付けなかったことを
教えてくれることにもなった。
ありがたいなぁ、こうして離れても気にしてもらえるって。
本当に、本当に、ありがとう。


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手作り土木に着手する [移住生活のはじまり]

一度火が点いてしまったら、矢も盾もたまらず側溝作りを試してみたくなった。

『大地の再生実践マニュアル』は、
地上だけでなく地下の水の流れを意識して手を入れることで、
大雨の時もすべてが川に流れるのではなく、水路や縦穴を通して地面に浸透させ、
乾いた時には地下から水分が補給される循環がされるように手助けするものだ。
水が動くところは、空気も動く。
地上の植物と同じように地下の根も展開していることを思うと、
地面はまるで鏡のようだ。
水や空気も同じように地上と地下で展開しているのかなぁ。
『地表と地下の循環』。考えただけでワクワクする。
まず私がしたいのは、おうちの外周に側溝を掘って、
ところどころに点穴という縦に深い穴を掘ることで
本の中で作っている水路のミニチュア版を作ってみたい。
このおうちも、私たちも、地表と地下の循環に溶け込めたら、と思うのだ。

必要な資材は炭と小石と枝と草だ。炭は園芸用の燻炭で代用するとして、
おうちのまわりには小枝はいくらでも拾えるし、
草だって刈ればいくらでも手に入る。
小石も掘るたびにゴロゴロ出てくる。
そうだ、外壁周りに敷いてある石板を割って、小石代わりに撒くという手もあるなぁ。


勢い込んで始めたが、まあスコップの入らないこと、入らないこと。
昨夜の雨でにちゃにちゃした土は、
なんとか掘ってもスコップにへばりつき、掘っているのか戻しているのかって感じ。
穴にもグジ~ッと水が溜まって炭を撒いても効果がなさそうだ。
とにかく、この水が柔らかく低地に向かっていくように、やや蛇行させながら
少しずつ掘り進めていく。
ある程度水の逃げ道を作ったら、燻炭を撒いて、大きめの枝から細めの小枝へと
枝がらみを作りながら詰めていく。表面には笹や草を、やはり絡ませながら挿して、
側溝の中を流れる水が漉されていくように隙間のある層を重ねていく。
随分時間がかかって、窓下の数メートルを作るだけで体力を使い果たした。


はてさて、少しは効果があるだろうか。
次の雨の時、どれくらいの水溜まりが出来て、
その水がどれくらいで引くのか、確かめるのが待ち遠しい。
時には恐怖となる大雨も、視点が変わると楽しみになるもんなんだね。

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外回りのお手入れ [移住生活のはじまり]

外回りのことはまったく気にしていなかったが、
日中はいつも、どこかしらの遠くから刈払機の音がする。
気が付けば、周辺の道路も田んぼ周りも、キレイに草刈りしてあるが、
私たちのおうちの周りだけは草ぼうぼうだ。
中低木が手入れもされず枝が暴れている。
茅なのか、けっこうな背丈のイネ科の植物も、低木を隠す勢いで繁っている。
そして、ものすご~い勢いで木の周囲や側溝の斜面を覆い尽くすドクダミ。

出勤前のダーリンは、おうちの周囲にある伐採木をいずれ薪にするべく、
枝打ちをしたり電動ノコギリでカットしたりしている。
私も庭の植生や土の様子を観察がてら、
久々に鎌を持ち出して草刈りをすることにした。

独特の匂いはあるが、ドクダミの花は白くて可愛らしい。
そうだ、刈ったドクダミで、化粧水やドクダミチンキを作ろう。
刈れば刈るほど、ドクダミの匂いが強く漂う。
臭い、っちゃあ臭いが、なんだか薬効が高そうな匂いに思えて、どんどん楽しくなる。
草を一心に刈っていると、どんどん心が静かになっていく。
ああ、いいなぁ。外作業。

ほんの一部分を刈っただけで、凄い量の収穫だ。
陽が傾きだす頃、サンルームで仕分け作業に移った。
花だけ摘んで、化粧水用にザルで干す。
葉がついたままの茎は、少しずつの束にして、
サンルームのカーテンレールから吊るしてドライフラワーみたいに乾燥させる。
沢山ぶら下がったドクダミの束で、まるでサンルームを飾ったみたいになった。
ドクダミチンキ、初めて作るけど、どんなふうになるのかなぁ。
楽しみだ。


日暮れてくると同時に、雨が降ってきた。
発足は雨が多いなぁ。
山あいを縫うように流れる川に沿った地形なので、
日中に山や川から吐き出された湿気が、日没とともに戻ってくるかのようだ。

ざぁざぁと盛大な音をたてて雨が降る。
南西側の窓から様子を観察していて気が付いた。
おうちの周囲に水が溜まっている。かなり水はけが悪い感じだ。
草刈りをしながら思ったが、おうちの周りの土は建設用土を盛り土したもので、
粘土質でいかにも水はけが悪そうな土だった。
生えている植物も種類が少なく、やせた土地に生えるものばかり。
おうちまわりで菜園を作るのは、ちょっと無理そうだなぁ・・・。
藪化している原野の方が土は良さそうだが、耕作地にするにはハードルが高い・・・。


今、夢中になって読んでいるのは『大地の再生実践マニュアル』。
おうちの外壁まわりに手作りの側溝を掘りたいなぁ。
裏の原野も連動して、全体にうまく水と空気がまわるように手を入れたいし。
おうちの中の引越作業もぜ~んぜん進んでないのに、
手に余るほど、やりたいこと、やるべきことがいっぱい。
まずは何からすべきか。
ふふふ、呑気な私は、今日は雨音を聞きながら、この本を読みふけるとするか。


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屋根の見積に慄く [移住生活のはじまり]

翌日、やはり朝早く、早速見積書を届けてくれた。
出勤前のダーリンと、恐る恐る見積書を開く。

748.000円。
そうですかー。ちゃんと工事をするとそうなりますよねー。

ああ~、無理だぁ。
どこを押してもそんな予算出てこない。
どうしたもんかなぁ・・・。

がっかりしながら、ダーリンは出勤していった。
まぁ、私もがっかりはがっかりなんだけど、
がっかりしていても何も変わるわけじゃない。
ダメならダメで、なにか他の方法もあるかもしれないし、ここは呑気に構えていようか。

作業の合間に、ふと、窓の外を見る。
今日も発足の山は、なんてこともないという顔をしながら、キレイだ。
すごいなぁ。
うん、あてはないけど、きっとなんとかなるさ。


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ガス開通 [移住生活のはじまり]

翌日、厚田の建設業者さんが見積で訪れた。昨日の今日、しかも朝7時過ぎに。
私はほぼ日の出とともに目覚めるので朝早いのは問題ないが、
この地域の始動は早いんだ、ということを改めて知った。

屋根を見てもらって、予算がないのでできるだけ安い方法を考えて見積もりをお願いしたい、と頼んだ。
「どの方法を使っても足場は組まなきゃならんしなぁ」
「半分だけの葺き替えにしてもなぁ・・・」などと、大変な工事になりそうな呟き。
近いうちに見積書を届けてくれると言って帰って行った。

午後はLPガス業者さん。
色々調べたけど、結局この地域まで来てくれる業者さんはイワタニセントラルさん1社のみ。
地元の方に「この地域、ガス業者さんはどこが来てくれるんですか」と聞くのが
一番早かったのだった。

LPガスボンベを玄関前に設置し、ガスコンロの点検をして、
いよいよガスも開通だ!

本来は引越準備的なことが、入居してから少しずつ進んでいっている。
遅きに失した、と言われそうなスケジュールだけど、
焦ることはない。
ゆっくりでいいのさ、実際に生活できているのだから。


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不安は多いが、地元の情報が頼りになる [移住生活のはじまり]

7/11。先日ご挨拶した先輩移住者であるお母さんが、
ご自宅で採れた野菜を差し入れてくれた。
元気なズッキーニやキュウリ。
そうかー、例年通り家庭菜園をしていたら、もう収穫できるものもある時期なんだなぁ。
お母さんは、地元の産物を地元の木を使って燻製する、
厚田くんせいというお店を始めて、この発足の地で30年以上も暮らしてきたという。
まだ何も発足の事を知らない私達には、お話しすべてが面白く、興味深かった

さらに、ご自身は厚田市街地に住んでいるものの、
発足に山小屋があって山仕事などもしているという方が、声をかけてくれた。
このおうちの元家主さんと、山仕事で一緒だったとのこと。
裏山や原野のことなど、山のプロに聞いてみたいことがたくさんあり、
声をかけていただいたことが本当にありがたい。
「屋根が大雪で変形してから、大丈夫かと気にしていた」とのこと。
屋根の補修をどうすべきか悩んでいたことを話すと、厚田の建築業者さんに声をかけて
見積もりしてもらえるようにしてくれる、と嬉しい提案。
予算も何も見当がつかないので、見積もりだけでも、とお願いした。


ダーリンを送り出して、どこに何があるのか、どれを荷解きするべきか、
あまりにもゴチャゴチャすぎている段ボールを確認しているうちに、陽が暮れてきた。
日中は暑いが、陽が暮れるとそれなりに気温差がある。
中山間地のこの地域は湿気が多い。
夜になって屋根を打つ音に「雨が降ってきた?」と外を見ると
なんと屋根の結露がボタボタと落ちる音だったことにビックリしたことがある。
ああ、今日も結露が始まったのかなぁと思っているうちに、
どんどん音が大きくなってきた。雷も鳴り出し、あっと言う間に大雨になった。

周りは田んぼと山で、街灯も遠く、月の灯りも望めない窓の外は、
信じられないくらい真っ暗だ。
雷鳴は遠いが、雨空を一瞬照らす雷の鋭い明るさに恐怖をおぼえる。
止まない大雨。
大雨が視界を遮る真っ暗な道を、はるばる帰ってくるダーリンを案じて
夜が更けるにつれて心細くなる。
今日もダーリンの帰宅は深夜2時過ぎだった。
仕事だけでなく、悪天候の運転でも神経をすり減らしている姿に心が痛んだ。


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