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小さな圃場の恵み [家庭菜園]

お盆前に種を下ろした大根が次々と収穫できるようになり、
毎日の食卓に「うちの子」が登場するようになった。
草を刈って敷き詰めるだけの、なんちゃって自然農なのだが、
まったく耕さずに地上・地下とも
数センチ宿根を切って種を下ろしただけの圃場に、
又根にもならずに(12本のうち2本は又根になったけど)立派に育った。
うふ。立派とはいえ、直径6~7cm、長さはせいぜい20cm程度だけどね。

この大根の種は、去年まで市民農園で使っていた種の余りだった。
市民農園では、何故かとっても辛い、ちょっとエグみのある大根しか育たなかったが、
同じ種なのに、きめ細かい肌の、辛み・エグみの少ない、小ぶりの大根に育った。
葉も見事で、いわゆるフィボナッチ数列が目で見てわかる美しい形。
真上から見ていると、吸い込まれるような渦を巻いて、
「自然のカタチって、なんて美しいんだろう」と
草刈りもせずに見入ってしまう事の方が多かったかも。

この小さな圃場の横を通ったメロンのご近所さん夫妻も、
「こういう育て方でもしっかり育つんだねぇ」と言ってくださった。
なんちゃって自然農の常で、それぞれの種の個性で収穫時期もサイズもさまざま。
漬物用にと思って育てたものの、収穫はほぼ1本ずつだったので、
普通に調理してゆっくり全部いただいた。
あまりに可愛いので、葉をふりかけにしたり、皮も切り干し大根にしたり、はりはり漬けにして、
どうしても使えない尻尾や葉だって、細かくして草マルチに混ぜ余すことなく使い切った。
ああ、シアワセ。なんて嬉しい恵みだろう。

味をしめて、大根の畝の隣に小カブの種も下ろした。
間引きした際にその小さな葉もおかずにしたが、
こんなに小さくても、ちゃ~んとカブの葉の味がした。
気温も低くなり、日照時間もどんどん短くなっているのでなかなか成長しない。
霜でやられないように簡易ビニールトンネルを被せて様子を見ているが、
小カブはいつ収穫できるかなぁ。


今年は家庭菜園は諦めていたが、やっぱり自分で手をかけたものは
愛おしくて、本当に嬉しいもんだね。
稲刈りがすっかり終わって、山との境に巡らせてあった電気柵も撤去されたようだ。
この小さな圃場も、動物たちのえさ場になってしまうかもしれないが、
楽しみに、楽しみに、見守ろうねぇ。


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ハーブの種を播く [家庭菜園]

手元の種はすべて古い種ばかり。
去年は移住のドタバタで家庭菜園ができなかったので、残り種がいっぱい。
一昨年の種の余り、一昨年に購入した種、一昨年に申し訳程度に種採りをした種。
実はもっと古い種も、色々ストックがあるのだ。
ちゃんと発芽するんだろうか。
苗をつくっても下ろす先がまだ全然目途がつかないので、
プランターで展開するハーブで小手調べだ。

バジルと大葉、イタリアンパセリ、ルッコラ、パセリの種を
それぞれ水に濡らしたキッチンペーパーに包んで、一日ポケットに入れて過ごす。
殻が柔らかくなって、体温で根が出てきたら、鉢やプランターに下ろしてやろう。


一日経って、バジルと大葉の根が出てきた。
喜んで鉢に下ろして、薄く土をかぶせる。
2~3日、じりじりと待っていたら、大葉がパラパラと双葉を出し始めた。
バジルも、数は少ないものの、双葉が出てきた。
ルッコラ、イタリアンパセリ、パセリはちっとも音沙汰がないが、
プランターにバラ播きよろしく一列に下ろしておいた。

しっかり土に水を含ませて、あとは表面が乾燥しない程度に不織布をかけてから
サンルームで柔らかい光を浴びてもらおう。
日中は ぽかぽか暖かいサンルーム。朝はまだ霜が降りるから、
陽が暮れたら夜通し暖房が入っている居間に入れておけばいいんじゃないかな。


寒かったのか、陽が強かったのか、はたまた水をやりすぎたのか。
大葉の小さな小さな双葉が、全部なくなっちゃった。
萎れたなら痕跡がある筈だが、いなくなっちゃった。原因がわからない。
でもサンルームに動物の侵入はないので、管理が悪かったんだろう。
再生した土を使ったのがいけなかったのかなぁ・・・。
最初だけは種まき培土を使うべきだったかも。シュン。
唯一残っているのは、バジルの2本だけ。
なんとしても死守せねば。
そして、これから播いていく種も、ちゃんとした環境で発芽できるよう、
次に札幌か当別に行く時は種まき培土を購入してこよう。

なんか、「芽が出てポットに移して大きく育てている間に、
雪も融けるし、それからでもなんとか圃場を作ろう」
なぁんて計画性のないことをやっているから、種に見透かされちゃったかしら。
雪が融けた後はどうすりゃいいのか、と私は実はとても不安に思っているのだ。
移住してきた当時の原野の風景を思い出す。
平地には萱だかススキだか、自分の背丈を超えるでっかい藪。
それを取り巻くように3mにも迫ろうかというオオイタドリ。
更には側溝も、沢も、森の中も覆い尽くす夥しい笹薮。
宿根草たちは、皆でスクラムを組んでガッチリ地下を太い根で張り巡らせている。
鍬と鎌だけでどこまで開墾できるんだろう・・・。
畝なんかひとりの人力で、できるんだろうか。
去年地域に借りた小さな圃場を、今年もまた使わせてもらったほうがいいのかしら。
自信がないことには自信がない現象が、
不安なことには不安な現象が、
まるで反映するように起きていく。
これはきっと、私のココロを映して種たちが尻込みしているんだ、と思えてきた。
でも、雪が融けてみなきゃ、実際のトコロ、わかんないんだよなぁ。
一番やりたい筈の家庭菜園が、一番不安な今日この頃・・・。


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苗購入と家庭菜園計画 [家庭菜園]

5/16。
ダーリンが仕入れで札幌に行くと言うので、私も一緒に行くことにした。
雪印種苗で苗を買いたいのだ。
すでにGW前に種イモを購入に来ている。
GWを過ぎると一気に野菜苗が品薄になるのは知っているのだが、
それでもここで買いたいなぁ、と思う。
花や樹木の苗はここで育てているし、種も道産のもの・在来種があったりするからだ。
3年ほど前に購入した『浅野の傑作』という中玉トマトが好きで、
採種もしたが、二代目は芽が出なかった。
まぁ、調べてはいないが登録品種だとしたら自家採種NGなので、むしろ良かったのかも。
翌年も苗を購入して育てたが、それ以来、同じ品種には出会えていない。
今回も、品薄だったのもあるのか、出合えなかった。
保存食用にサンマルツァーノトマトも育てたかったが、それも残念ながら出会えなかった。
今年のトマトは1株ずつ、4種類にしてみた。
ナス・ピーマン・キュウリ・オクラ・大葉・赤シソも1株ずつ。
市販品で芽出しをしたサトイモもあるので、
マメ類を播けば、もうそこそこ畝は満席になってしまうだろう。
頭の中でどんな圃場になるかイメージしながら、欲しい苗を揃えた。
今年こそは、ちゃんと採種までいって、来年はこの土地で生まれた種で
純厚田産の家庭菜園になるようにしたいな、と楽しみにしながら。

そしてもう一つ、栗の苗を2種類、購入した。
ずっとふたりで、「おうちに実がなる木を植えたいね」と言っていたのだ。
笹薮に空間ができてきたことで、「ここに栗があったらいいかも」と
実現の兆しが見えてきて、大木になる栗でも、ここなら、とイメージがついたのだ。
栗の木は複数いないと実がつかないらしいが、
「同じ種類じゃなくてもいいし、少し離れた所に植えても大丈夫ですよ」と
雪印種苗の担当者さんにアドバイスされて、2種類にしてみた。
あとは、山椒と梅があったらいいよねぇ、
梅の実がとれて自家製の梅干しなんか仕込めたら最高だね、なんて夢が広がる。
ダーリンは、♪大きな栗の木の下で~、と鼻歌。ゴキゲンだね。


往き道で、ちょっとした高低差でも耳がツーンとなっていた。
峠越えでもしているみたいだ。
明日は雨予報だから、気圧変化に敏感になっているのかもしれない。
帰り道では頭がガンガン痛くなってきた。
おうちに帰ってから、「頭が痛いので小一時間ほど寝ます」と早々に横になった。

眼が醒めると、もう真っ暗だった。
5時間も寝てしまった。
頭痛は残っているものの、少しはスッキリした感じがする。
階下に下りると、ダーリンが うたた寝をしていた。
夕ご飯も用意してあって、起きてくるのを待っていてくれたんだ、と気付く。
ごめんね。もう深夜になっちゃったね。
せっかくのお休みなのに、大事な一緒のごはんを すっぽかしてしまったんだ。
楽しかったお休みの最後に、申し訳ないことをしてしまった。


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プランターの中の世界 [家庭菜園]

あんなに後から後から這い出てきていたカメムシが、ピタッと出現しなくなった。
戻りガメの時期は終わったようだ。
玄関フードや屋外では いくらでもカメムシに出会うので、
無事、生息域をおうちから屋外に移してくれたようだ。
その代わり、ハエが隙あらばと おうちに入って来るようになった。
そして、あいつ=カマドウマも、一日一匹程度の頻度で出会うようになった。
こうして虫の季節も廻っていくのだろう。

サンルームで育てていたバジルが、枯れている。
窓も開けずに外出して、サンルームを高温に晒してしまったせいで焼けてしまった。
芽が出た中でなんとか2つだけ、育っていたのに。
低温にも耐えて、やっと本葉が4枚になったところだったのに。
もう一つ、去年の晩夏に植えたニンニクのプランターでも、
高温焼けして葉がパリパリに乾いてしまった。
既に10本のうち、2本はなぜか弱ってしまって、根元の玉が育たずに枯れてしまっていた。
「水をやりすぎて根腐れしちゃったのかなぁ」と思っていたが、
原因もわからず、3本目も同じような症状になってきていた。
とうとう、元気だった残りの7本まで、こんな状況にしてしまって・・・。

復活するかはわからないが、
暑くなりすぎるサンルームから、屋外にプランターを出すことにした。
遅霜の可能性もあるけど、今の時期ならサンルームより屋外の方がいいような気がする。
昨日購入してきた苗たちも、日中は直接日光を浴びてもらおう。
夜は・・・霜も食害も心配なので玄関フードに戻して、を繰り返しながら植付に備えよう。
(借りた圃場の隣にあったチューリップ、シカにパクッとやられてたので・・・)


家庭菜園を何年も試行錯誤してきた。
最初は「さとらんど札幌農学校」という座学に通った。
講座のある日曜日に休みをとれなくなってしまい、4ヶ月ほど通った所で挫折。
「農薬とか使わないものを作りたいなぁ」がきっかけだったのに、
家庭菜園でも農薬や化学肥料を使う前提での講座だったので違和感もあった。
間に無職&骨折の年を挟んで、
さとらんどの市民農園に応募し、今度は園芸雑誌を頼りに実践。
無職の時期に自然農の考え方に触れて、漠然と「そっち方向に行きたいなぁ」と思ったが、
まぁまぁ雑誌通りに、できるだけ有機栽培でと1年さとらんどで試した。
楽しかった。
思った以上に、作物が実るのが嬉しくて、美味しかった。
でも、何よりも、日々変化していく植物を観察するのが面白く、
虫害にガッカリしたりお世話がうまくいかなくて失敗したりすることすら、
すべて面白かった。
なんちゃって自然農と称して、不耕起・無農薬・無肥料・無灌水を試しているのも
まだ自分なりの楽しみ方を模索中なのだ。
そして、変なことさえしなければ、露地栽培はだいだいうまくいく。

だけど、プランターって、難しいんだよなぁ、私には。
日光・雨・風・気温という条件は露地と一緒でも、
プランターの中の世界で生きる子たちには圧倒的に「土」が足りないんだよなぁ。
限られた土の世界だから、温度や乾燥の変化が劇的すぎちゃうんだ。
そのバランスとか、お世話とかが、うまくできない。
いつも、借り物ではない自前の菜園を夢見て、
「それが実現できたら、野に放って伸び伸び生きられるようにしてあげるからね」と
話しかけるが、そこまで長生きさせることが一向にできていない。
自前の原野がそこにあっても、未だに、だ。
また今回も申し訳ないことになってしまった。
私みたいな野放図なヤツには、なんとしても露地栽培を実現させなければ
このプランターの中の世界で生きる子たちをうまく生かしてあげられないんだ。
今年こそ、必ず、この現状でも折り合いをつけて、野に放つっ!


ふと、プランターの中の世界って、人間のくらしを象徴しているような気がした。
便利なようでいて、守られているようでいて、
環境変化に弱い世界なのかもしれないな、と思った。


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畝づくりはまだまだ続く [家庭菜園]

お天気と相談しながら、ちまちまと畝づくりは続いている。
溝切り→畝の草刈り→畝に盛り土→草マルチを敷く、の順番で
1~2mずつ進める方法でやっていたが、
なんか二度手間・三度手間になって失敗だったなぁ。
この場所は粘土質ではないのだけれど、宿根草が幅を利かせているので
ちょっと鍬を入れると、芝生みたいに3~4cm位の厚さで
張った根が表土ごとベリベリと剥がれてくる。
その下の土は黒土で立派なミミズも居るのでいい土だなぁと思うのだが、
このまま起こすと地中の草の種が表面に出てくるのが、ちょっと嫌なんだ。
ここに多いのは、乾くと枝みたいに固くなっちゃう宿根草が多いのだ。
今以上にゴツい根を張り巡らされるよりは、背が低く根の浅い草のままでいてほしい。
で、何をしているかと言うと、一旦ベリベリ剥がした表土を、
盛り土した上にまた戻している。
何せ、草刈りをしたこの表土は、しっかり腐植していて、すごく豊か。
私にとっては、肥料がついた防草シートに見えてしまうのだ。
これだけ細かく根を張っていれば、下からの草は芽を出しにくいだろう。
変なやり方かもしれないが、この元気な草たちを生かした圃場にしたいな、と
草刈りをしながらピンと来たのだった。
私の家庭菜園は、毎年毎年、小学生の夏休みの自由研究のように実験なのだ。
もう少しでこの畝が完成したら、まずはジャガイモを植えよう。

で、隣の畝予定地は、最初にガーッと草刈りをして、草を干しておきながら、
表土を剥がして、一枚一枚剥がしたタイルを横に置くように除けておこう。
その上で、今度はガーッと盛り土しながら溝を切ってから、
表土を戻して、草マルチを敷き詰めよう。

よ~し、今月中にジャガイモ、ミニトマト、シソ類は植付まで済ませるぞ~!
苗たち、もう少しの辛抱だ!


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じゃがいも植付け [家庭菜園]

5/31。今日で5月もおしまい。
ほぼ雪が融けてからの1ヶ月半、やることだらけで、終わり切らないことだらけ。
ああ、それでも、季節は移り、目の前の景色も、音も、気温も、変化していく。


今朝はやっと1本目の畝が完成した。
2本目も手を付けたかったけど雨が降ってきたので
畝完成を一区切りとしたところで一旦作業をやめにしよう。
原野の掘り起こしをしたばかりなので、
スコップがサクッと土に入るだけで、こ~んなに嬉しいんだ、とビックリした。
ミミズが多くて、しっかり腐植層もあって、いい土だなぁ。

集中して土ばかり見ていたら、声を掛けられた。郵便屋さんだ。
そうそう、書留が届くからよろしく、とダーリンに頼まれたが、
圃場に長居しそうなので、「圃場で作業しているので声をかけてください」と
玄関に貼り紙をしていたんだった。親切に圃場まで届けてくれた。


おうちに戻ってコーヒーを飲みながら空を見る。
晴れそうにはないが、雨も長くはなさそうな感じ。
少し休憩しているうちに雨が上がったので、降らないうちにと また圃場に行く。
サトイモと、キタアカリ、ハルカと2種のジャガイモを植付け。
ミニトマトとシソも定植したかったが、もう一本畝を完成させないと、足りない。
ジャガイモだってまだトウヤ種が残っているけど、
腰痛も出てきたし、今日の所は終了だ。
5月中になんとか1畝だけでも形がついて、ほっとした。

そして。
5か月かかったけど、
この今日の分で、無事ブログもリアルタイムに追いついた。
う~ん、なんか謎の達成感。
祝、リアルタイムブログ開始。


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周囲も自家用栽培の頃合い [家庭菜園]

帰宅したダーリンが、「もう1本の栗も植えてあげようかな」と
早々に庭に出て行った。
裾野に「筑波」という種類を植え終わっているが、
栗の実がつくには2本、別の種類がないと受粉しないらしいため
庭に「森早生」という、もう1種類を植えるのだ。
私も慌てて支度をして後を追う。
今回はダーリンが わしわし植穴を掘っておいてくれた。
う~む。ここも立派な粘土だ。水はけも、空気の通りも悪そう・・・。
もみ殻燻炭と、残り少ない腐葉土やピートモス、赤玉土を混ぜ込んで土を戻す。
庭の土は表面がかなり乾燥している。
笹が表層数センチだけでも耕してくれていた裾野と違って、
ブタナやヨモギがパラパラ生えている程度なので、はだか土が透けて見える土地だ。
ここは刈り草を一生懸命撒いて、少しでも湿気を呼ぶ草を増やさなくては。

去年の秋、プランターでどんどん株分れしたアサツキを、野に放った。
栗の場所から2mも離れていないが、
ほんの少しのプランターの土が入って、草刈りをしたことで、そこだけ植生が違う。
背の低い、青々とした草が密集しているのだ。
掘り返して移植した訳でもないのに、草たち自身がこんなに短期間で変えてしまうのだ。
なんだか、やりたいことを草たちが全力で手伝ってくれているみたいだ。
栗の周りも、きっと手を入れることで植物たちが後押しをしてくる気がする。
刈り草で 栗にお布団を掛ける気持ちで、ふわ~んとくるんであげた。
ここで、一緒に育とうね。


顔役さんのお宅に、自家製ベーコンを届けがてら、
アライグマ騒動の時に借りっ放しになっていた箱罠を返しに行った。
自家用の畑の整地が終わって、ハウスの中で育苗もされていた。
「エダマメを播いたんだけど、芽を全部ウサギに食べられちゃったのよ」と嘆いてらした。
ウチの周りでは見かけないが、私たちが認識していない野生動物はまだ居るようだ。
「エダマメはトンネルかければ大丈夫ですかね。
トンネルの下を掘ってまで食い荒らしたりしますかね?」
「掘ってまでは喰われたことが無いから、トンネルかけとけば大丈夫よ」と
アドバイスをもらう。
「ウチの植えきれない苗も持って行く?」と
四川というキュウリと、黒カボチャの苗を、有難くいただく。
お礼に行ったのに、またまた わらしべ長者になってしまった。

帰り道、おひとりで住まわれているおばあちゃんの家で、
畑作業に励んでいる後ろ姿を見かけた。
引越のご挨拶に伺った時、インゲンをたくさんいただいたおうち。
わぁ、いくつもやぐらを組んで、キレイに畑を作ってらっしゃる。
あいかわらず凄いなぁ。
人様のとはいえ、どんどん畑が出来上がっていく光景はなんだかワクワクするね。
例年の発足の気候が掴めていないので、栽培時期に迷ったりしているのだが、
地元の方々も自家用栽培の頃合いなんだなぁ、と少し安心する。


昨日いただいたネマガリタケのビン詰めをしよう。
ビンがとぷん、と浸かるほどの深い鍋がないので、うまく脱気できるだろうか。
半分くらいしかビンが浸からないので、苦肉の策で、
ビンにお酒の紙パックを被せて、せめて蒸気でビンの上部も高温にしてみた。
うまくいったかは保存してみないと結果がわからないものの、
ビンのフタが凹んでいるので なんとか脱気はできたようだ。
ガラス瓶に 作った何かが入っている光景って、本当に好き。
嬉しくて、見る度についニヤニヤしちゃう。

ひとつ、ひとつ、嬉しいこと、ワクワクすることを見つけていくのが
田舎生活の醍醐味かもしれないなぁ。


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少しずつ野に放つ [家庭菜園]

今日も雨かと思っていたら、午後になって晴れてきた。
圃場の様子を見に行ったら、野良アスパラが立派に1本ずつ、ニョキッと出ていた。
ジャガイモを切らしていたが、今日はトドックでインカのめざめが届くので、
こりゃあアスパラ入りのジャーマンポテトにしろ、ってことじゃないの。
ありがとう、いただいちゃうよ。

ダーリンにアスパラを見せてから、もう一度圃場に戻り、
2本目の畝を仕上げる。
毎回毎回、草刈りばかりしているので、草マルチがずいぶん積もってきた。
定植したジャガイモがどこなのか、まだ芽を出していないので見分けがつかない。
種類が変わる部分にだけ、目印にススキの茎を挿しているが、見失っちゃいそう。
「お~い、みんな、元気にしてるか~。芽、出していいんだよ~」と声を掛ける。
そうはいっても、ジャガイモ自身が出る、と判断しないと出て来てはくれないだろうから、
単に私の気持ちを落ち着かせるために言っているだけなんだが。
昨日気付いたばかりなのに、やっぱ不安に思ってしまうんだな。
野に放って、あとは頼んだよ!と手放ししたら、見守るしかないのにね。
手放ししたら、毎日毎日必ず気にしてあげること。
○○がしてほしい、という雰囲気を感じたら、助け船を出す。
そうやって変化を観察させてもらって楽しみ、あわよくば実りをいただく。
そんな感じでつき合っていきたいな。
いつか、植物や動物の声が聴こえるようになりたいな、って子供みたいに思っている。


さぁ、2本目の畝が仕上がった。
ジャガイモの隣に、プランターで育ち切らずに「来春に野に放とう」と保管していた
小玉ねぎを植えてみる。
30個位あったのに、保管中に乾燥してどんどん消滅してしまい、
たった8個しか残っていないけど。
ただ乾燥していくよりも、ここで馴染めるか試してみておくれ。

草刈りしている中で、意外なところに野良アスパラが1本あるのを見つけた。
この新たな野良ちゃんは、2本ある先輩野良アスパラの傍に移植して、
何年もプランターで窮屈な思いをしているウチのアスパラも移植して、
4株の集団になって仲良く育ってもらおうかねぇ。
すぐには移植しないから、とりあえずは今の場所で育ってもらおう。

3本目の畝も作ろうと、草刈りに励む。
ここには大根とか、大豆とかを植えたいなぁ。
ああ、でもキュウリを地這いで育てたいかも。
わぁ~、またやりたいことが押し寄せて、優先順位がごちゃごちゃだ。
今はとにかく、待機している苗を野に放ってやらなくては。
よし、2本目の畝の残りは、キュウリ苗とズッキーニ苗にしよう。


おうちに戻って、庭の一角にも『こぼれ種コーナー』を作ることにした。
野に放ったアサツキがピンクのかわいいネギ坊主をつけている場所。
このままアサツキも分けつして株が増えるだろう。
この傍に赤シソ、青シソをちょっと離して植えてみる。
きっと穂ジソを採り切れずに、こぼれ種で増えていくと思うんだ。
粘土だからあまり生育は良くないかもしれないけど、増えてくれれば土いい影響があるかも。

色々妄想しながらシソ達を定植して、おうちに戻る。
おや、居ない間にダーリンも、野に放つ作業をしていたみたい。
株分けして鉢に植えていたカンゾウと、コシアブラ、タラの木のプランターが空いている。
「あの子たちも野に放ったんだね」
「森の入口の穏やかな所に放ってきた」
そうかぁ。みんな、狭い所から旅立ったんだね。
先住植物たちにうまくまじって、しっかり育ってくれるといいな。
手放したからには、毎日毎日必ず気にして観察するからね。

この子たちも、移住者みたいなもんだ。
一緒に、この土地に馴染んで成長していこうね。


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庭の草刈り [家庭菜園]

今日もジャガイモの芽は出ていない。
サトイモも芽が伸びてこない。もしかして、サトイモ、深植えしすぎたかな・・・。
トマト苗は、新芽が青々としていて、うまく馴染めたように見える。
草マルチしただけなので水分は大丈夫かなと思ったが、
草をめくって触った土はしっとりしている。大丈夫そう。

庭の『こぼれ種コーナー』のシソ達を観察。
萎れてはいないが、ポット苗の頃と表情が変わらない。
ここは乾いているので、ちょっと草マルチをした程度では水分が足りないのかもしれない。
少し離れた低い所に、かなり枝が暴れた低木がある。
葉の形から、シャクナゲじゃないか、と話していたのだが、
薄く紅がかった白い花が咲いたので、おそらくシャクナゲで間違いないだろう。
この根元から、盛大に徒長した草たちが生えてきているので、
根元の風通しをよくしようと、草刈りを始めた。
そして、刈った草を短く切って、周辺に撒く。
木のおかげでここはしっとりしているので、あまり撒く必要はなさそうだ。
残った草を『こぼれ種コーナー』と、栗を定植した周辺にせっせと撒く。

ススキとか、チガヤとか、ドクダミとか、ヨモギとか、ブタナとか。
荒地に育つ草ばかりだなぁとは思うものの、
気のせいか去年より種類が多くなっているような印象を受ける。
少し高刈りをして、残った部分でも水分を保持してもらいながら、
刈った上部は乾燥気味の土を覆ってもらって、みんなで土を肥やしていこうねぇ。


庭の低木に沿って、足元の草を刈りながら進んでいくと、
なんとな~く散歩道みたいになってきた。
低木の外側も同じように刈っていけば、低木たちも風通しがよくなって気持ちよかろう。
と思った所で、腰痛サインが出たので、あっさり作業を終了する。
「あ、もうこの辺で~」とカラダが教えてくれたら、そこでやめておく。
いいんだよ、こんな程度で。
のんびり、のんびり。


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私をとりまくすべてのもの [家庭菜園]

昼前には雨になるらしい。
ダーリンを送り出してから、早速畑に向かう。
植えた苗のお世話だけでなく、まだまだ種まきもしたいし、
カボチャ苗とミョウガ苗の植えどころが決まっていないのだ。
畑はあまりに陽を遮る場所がないので、
ミョウガに関しては庭の一角でそっと野に放とうかと思っている。
少し日陰になる時間がある所が好きかなぁ、と予想して。
カボチャは広々したスペースが必要なので、3本目の畝になりかけの所に。
でも、2株植えたら、きっと全部占領するだろう。

さぁて。エダマメと大豆をいまさら播こうと思っているが、
大豆だけは量産したいので、大豆専用の畝を1本拡大したい。
でも、作った圃場の隣は植生が荒々しくて、同じ宿根草でもゴツい子ばかり。
すぐ隣なのに、荒地の段階が一段上な感じで、
ちょっと宿根を切ったところに混ぜてもらう程度では、太刀打ちできそうにない。
どうやってここを、うまいこと畝にできるかなぁ・・・。

ここはもともと、都会の人に農業体験をしてもらって
地域と都会の交流を図ろうとしていた施設なんだと思うが、
長らく活用はされていなかったようだ。でも、定期的に草刈りをして整えているので、
単なる原野ではなく、人の手が入った、荒々しい野原、といったところ。
ススキとかチガヤとか、根のゴツい子が主流で、
アカツメクサやヨモギも背が高く、ガタイがいい。
チガヤは葉が華奢なので敷き草にしても比較的早く腐植してくれそうだが、
殆どの草は乾燥すると茎が「枝」になってしまうようなゴツい子たちばかりなのだ。
ただ、それは畑にしようと思うから不都合なだけで、
植物たちはきっと「お役目」があってそこに展開しているはずだ。
乾燥しがちならば、深く根を張って地上と地下の水を繋げ、
その土に足りない栄養素を補う子が生えてきている、と思っている。
ここの土には、この子たちが必要なのだ、と。

わぁぁ。そんなこんなをしていたら、大粒の雨。
思ったより降り出すのが早かった。
近くのハウスの屋根を叩く雨音が、バチバチバチと大音量を立てる。
背後の森が風に大きく揺られながら、お互いの葉擦れと雨粒とで轟々と音を立てる。
あっと言う間にビショ濡れになりながら、急いでおうちに駆け込んだ。
ああ、ちょっとしか作業ができなかったのに、今日はもう畑に出られないなぁ。


畝をつくりながら思ったのだが、
私の作る畑は『移住者の姿勢の畑』だなぁ、と思う。
そこに生えている草を根絶やしにして掘り起こすのではなく、
そこに根を張っている先住者に、そっと混ぜてもらう。
すでにできあがった環境を変えるのではなく、ちょっとだけ居場所を作らせてもらって、
先に張った根が作り出した水と空気の流れに助けられながら、
張り巡らされた根の合間に自分が根を張れる場所を見つけ、作っていく。
新しい種が加わったことで生まれる ほんの少しの変化で、
その土壌に新しい何かが生まれたら、実りに繋がったら、ステキだなぁと思うのだ。

もともと、ジャガイモもトマトもカボチャも、遠い国からやってきて
何代もかけて新しい耕作地に馴染み、その土地に合った進化をしてきての今なのだ。
私たちもそうやって、厚田の男・厚田の女に進化していきたい。

起こることはすべて相似形。
私をとりまくすべてのものは、私を映す鏡。
同じ映るなら、笑顔を映して行こう。
お陽さんを映す田んぼの水鏡が、光を何倍にも反射してくれるなら、
お陽さんのように、私が光ろう。
私をとりまくすべてのものが、
いつも何かを教えてくれているんだなぁ。
生きているって、ありがたい。すべてのいのちが、ありがたい。


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