春の足音、聞こえてきたか? [山菜・きのこ採り]
3月ともなれば、北海道にも少しずつ春の兆しが見えてくる。
窓から見える公園の木々も蕾がふっくりとしてきて、
暗い茶色一色だったのが若芽の緑も混じるようになった。
札幌は随分と雪解けが進み、今年の春は少し早く訪れそうだ。
そうなってくると、私たちはうずうずしてくるのだ。
雪の下で、山菜もうずうずしている筈なのだ。
まだまだ雪景色だろうけど、山菜ポイントをパトロールして来るか!
同じ札幌でも、地域によって積雪量はかなり違う。
冬は北西側の石狩湾から雪雲がやってくるため、まずは北区や手稲区、東区に降雪する。
私たちの住む中央区は都心部であることもあって除雪が頻繁に入り、
舗装路面がほぼ出ているし、積雪量もあまり多くはない。
山菜ポイントへ向かう道すがら、中央区→東区→北区と、どんどん雪の壁が高くなっていく。
交通量の少ない道を選んで走るせいもあり、当別町や石狩市に入ると風景は雪原になる。
晴れていたはずが、だんだんと雲行きも怪しくなっていく。
ただ、路肩の雪の下から土の色や若芽の緑が見え隠れしていたり、
田んぼに融雪剤が撒かれていて雪原が真っ白ではなくなっていたりと、
風景は真冬とは少しずつ変化してきている。
田んぼの雪がある程度融けてくると、その水場に白鳥がやってきたりするのももうすぐだ。
ああ! わくわくする! もうすぐ楽しい山菜の季節だ!
どこかに気の早いふきのとうが顔を覗かせていないかしら。
いつもの林道は雪解けまではゲートが閉まっている。積雪はそのゲートの高さまである。
それでも、長靴を履いてずんずん林道を行く。
シカの足跡がたくさん。その足跡を辿るように進む。
それでもズボッと太ももまで埋まったりする。
シカは人間より重い体重をこの小さな足跡サイズで支えているのに埋まらないんだなぁ。
と思っていたら、ところどころシカもズッポリ埋まっている様子もある。
なんか野生動物がズボッと足を取られてズッコケているのを想像するとニヤけてしまう。
山菜のシーズンになると笹薮で入って行けない場所にも足を踏み入れることが出来る。
雪に覆われていると「こういう斜面だったのか!」と発見することも多く、
鬱蒼としていた林の先にこんな風景があったのかと新たな感動がある。
ああ~。冬も好きだなぁ、この場所。
そしてそして、木々の根元がまぁるく雪融けしている。
見渡すと、白い山にまぁるい水玉模様があって、
まるでそこから木が生えてるみたいで、なんだかカワイイ。
もしかしたらその融けた場所に気の早いふきのとうが?
いやいや、このまぁるい雪融けあたりはズッポリポイントなのだ。
けもの道よりも深く埋まってしまう。がまん、がまん。
もう少し、かな。春の足音が・・・聞こえたかも。
窓から見える公園の木々も蕾がふっくりとしてきて、
暗い茶色一色だったのが若芽の緑も混じるようになった。
札幌は随分と雪解けが進み、今年の春は少し早く訪れそうだ。
そうなってくると、私たちはうずうずしてくるのだ。
雪の下で、山菜もうずうずしている筈なのだ。
まだまだ雪景色だろうけど、山菜ポイントをパトロールして来るか!
同じ札幌でも、地域によって積雪量はかなり違う。
冬は北西側の石狩湾から雪雲がやってくるため、まずは北区や手稲区、東区に降雪する。
私たちの住む中央区は都心部であることもあって除雪が頻繁に入り、
舗装路面がほぼ出ているし、積雪量もあまり多くはない。
山菜ポイントへ向かう道すがら、中央区→東区→北区と、どんどん雪の壁が高くなっていく。
交通量の少ない道を選んで走るせいもあり、当別町や石狩市に入ると風景は雪原になる。
晴れていたはずが、だんだんと雲行きも怪しくなっていく。
ただ、路肩の雪の下から土の色や若芽の緑が見え隠れしていたり、
田んぼに融雪剤が撒かれていて雪原が真っ白ではなくなっていたりと、
風景は真冬とは少しずつ変化してきている。
田んぼの雪がある程度融けてくると、その水場に白鳥がやってきたりするのももうすぐだ。
ああ! わくわくする! もうすぐ楽しい山菜の季節だ!
どこかに気の早いふきのとうが顔を覗かせていないかしら。
いつもの林道は雪解けまではゲートが閉まっている。積雪はそのゲートの高さまである。
それでも、長靴を履いてずんずん林道を行く。
シカの足跡がたくさん。その足跡を辿るように進む。
それでもズボッと太ももまで埋まったりする。
シカは人間より重い体重をこの小さな足跡サイズで支えているのに埋まらないんだなぁ。
と思っていたら、ところどころシカもズッポリ埋まっている様子もある。
なんか野生動物がズボッと足を取られてズッコケているのを想像するとニヤけてしまう。
山菜のシーズンになると笹薮で入って行けない場所にも足を踏み入れることが出来る。
雪に覆われていると「こういう斜面だったのか!」と発見することも多く、
鬱蒼としていた林の先にこんな風景があったのかと新たな感動がある。
ああ~。冬も好きだなぁ、この場所。
そしてそして、木々の根元がまぁるく雪融けしている。
見渡すと、白い山にまぁるい水玉模様があって、
まるでそこから木が生えてるみたいで、なんだかカワイイ。
もしかしたらその融けた場所に気の早いふきのとうが?
いやいや、このまぁるい雪融けあたりはズッポリポイントなのだ。
けもの道よりも深く埋まってしまう。がまん、がまん。
もう少し、かな。春の足音が・・・聞こえたかも。
行方不明者 [山菜・きのこ採り]
10/1。
発足はにわかに騒がしくなっていた。
消防車が道道を走り、地域の会館に軽トラが集結していた。
ダーリンと、「何かあったのかな? 火事にしては煙の気配はないね」と話していた。
夜、イチゴ農家さんからメールが入る。
父が入院したので今後はちょっと休みがちになるかも、と相談していたところだったが、
「3日ほど用事で作業ができなさそうなので、手伝いに来られるだろうか」
という内容だった。
10/3は父の面会で札幌だがそれ以外は大丈夫、と返信する中で、
消防車と軽トラ集結の話を聞いてみた。
「キノコ採りの行方不明者の捜索でした。明日もです」ですと!
今日は雨がそぼ降り、ストーブを出し始めた気温でもある。
この真っ暗な山の中で、身体は冷えてしまわないだろうか。
想像して、ダーリンと二人、震え上がる。
行方不明者が出ると、こうして地元の人たちに負担がかかるんだなぁ。
よくニュースで「消防や地元の捜索隊が山を捜索」というフレーズを聞いたが、
こういうことだったのか。
無事、翌日発見されて大事には至らなかったが、
わざわざキノコ採りに来ていた元札幌民としては、思う所の多い一件だった。
発足はにわかに騒がしくなっていた。
消防車が道道を走り、地域の会館に軽トラが集結していた。
ダーリンと、「何かあったのかな? 火事にしては煙の気配はないね」と話していた。
夜、イチゴ農家さんからメールが入る。
父が入院したので今後はちょっと休みがちになるかも、と相談していたところだったが、
「3日ほど用事で作業ができなさそうなので、手伝いに来られるだろうか」
という内容だった。
10/3は父の面会で札幌だがそれ以外は大丈夫、と返信する中で、
消防車と軽トラ集結の話を聞いてみた。
「キノコ採りの行方不明者の捜索でした。明日もです」ですと!
今日は雨がそぼ降り、ストーブを出し始めた気温でもある。
この真っ暗な山の中で、身体は冷えてしまわないだろうか。
想像して、ダーリンと二人、震え上がる。
行方不明者が出ると、こうして地元の人たちに負担がかかるんだなぁ。
よくニュースで「消防や地元の捜索隊が山を捜索」というフレーズを聞いたが、
こういうことだったのか。
無事、翌日発見されて大事には至らなかったが、
わざわざキノコ採りに来ていた元札幌民としては、思う所の多い一件だった。
おつゆの実は野生の収穫物 [山菜・きのこ採り]
話はちょっと前に戻る。
発足に熊が出た頃、ダーリンは暇さえあれば裏の森に散策に出ていた。
せっせと「長靴土木」と称して踏んで作った森の小道から、
色々なキノコを見つけていたのだ。
私達が同定して食べられるキノコは、
落葉キノコと言われるハナイグチ、
ボリボリと言われるナラタケ、
ヤナギタケと言われるヌメリスギタケモドキ、
暑寒別岳に行った時に一度だけ見つけたハタケシメジ、
天然エノキと言われるユキノシタ、
あとは降雪直前に出てくるムキタケの数種類だけだ。
敷地の中にはカラマツが1本しか無く、落葉キノコが発生しやすいように
カラマツの小路を作って日当たりをよくしてみたが、今年は生えなかった。
小さいどら焼きみたいな傘のキノコが大量発生したが、
同定できなかったため、収穫は諦めて、毎回愛でるだけだった。
ところが。
稲刈り前の長雨続きの頃、突然ボリボリが大量発生した。
ちょうど、おつゆの実にぴったりな傘5cmくらいの可愛い奴ら。
採っても採っても後から後から。
冷凍保存もしたし、ご近所にお裾分けもしたが、
「採りきれないよぉ」と嬉しい悲鳴を上げるほど収穫を楽しめた。
しかも、おうちの庭には野生のミツバも次から次から生えてくる。
ダーリンは小さなボウルを手にニヤリ、としながら「おつゆの実を採ってくる」と
外に出て行っては野趣あふれる香りと共に帰ってくるのだった。
しばらくはずっとボリボリとミツバの味噌汁が続いたが、
稲刈り直前に大雨が降って、小さいどら焼きも、ボリボリも、
一気にいなくなってしまった。
かわりにユキノシタが登場したものの、味噌汁2回分で消え去った。
寒くなってきてミツバも痩せて
どんどん香りも薄くなっていったため、
ここで野生の収穫物の味噌汁は終わりを告げた。
ああ、でも敷地の森はめちゃくちゃポテンシャルが高かった。
来季はどうしていこうかと、楽しみが膨らんだ秋だったなぁ。
発足に熊が出た頃、ダーリンは暇さえあれば裏の森に散策に出ていた。
せっせと「長靴土木」と称して踏んで作った森の小道から、
色々なキノコを見つけていたのだ。
私達が同定して食べられるキノコは、
落葉キノコと言われるハナイグチ、
ボリボリと言われるナラタケ、
ヤナギタケと言われるヌメリスギタケモドキ、
暑寒別岳に行った時に一度だけ見つけたハタケシメジ、
天然エノキと言われるユキノシタ、
あとは降雪直前に出てくるムキタケの数種類だけだ。
敷地の中にはカラマツが1本しか無く、落葉キノコが発生しやすいように
カラマツの小路を作って日当たりをよくしてみたが、今年は生えなかった。
小さいどら焼きみたいな傘のキノコが大量発生したが、
同定できなかったため、収穫は諦めて、毎回愛でるだけだった。
ところが。
稲刈り前の長雨続きの頃、突然ボリボリが大量発生した。
ちょうど、おつゆの実にぴったりな傘5cmくらいの可愛い奴ら。
採っても採っても後から後から。
冷凍保存もしたし、ご近所にお裾分けもしたが、
「採りきれないよぉ」と嬉しい悲鳴を上げるほど収穫を楽しめた。
しかも、おうちの庭には野生のミツバも次から次から生えてくる。
ダーリンは小さなボウルを手にニヤリ、としながら「おつゆの実を採ってくる」と
外に出て行っては野趣あふれる香りと共に帰ってくるのだった。
しばらくはずっとボリボリとミツバの味噌汁が続いたが、
稲刈り直前に大雨が降って、小さいどら焼きも、ボリボリも、
一気にいなくなってしまった。
かわりにユキノシタが登場したものの、味噌汁2回分で消え去った。
寒くなってきてミツバも痩せて
どんどん香りも薄くなっていったため、
ここで野生の収穫物の味噌汁は終わりを告げた。
ああ、でも敷地の森はめちゃくちゃポテンシャルが高かった。
来季はどうしていこうかと、楽しみが膨らんだ秋だったなぁ。