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灯篭流し [移住地に馴染む足ががり]

灯篭流しを見に行くため、夕方早めにおうちを出た。
厚田学園にあい風図書館が併設されているので、
せっかく市街地に出るなら今日は図書館にも行ってみよう。
ネット回線がいまだ未開通のため、調べたいことがいっぱいある。
このあたりの地図、庭に生えている植物の種類、格闘している虫たちの種類や生態。
図鑑的なものは貸出禁止かもしれないし、うまく調べられるかなぁ。

実は、おかずを持って回った時に、家庭菜園さんの奥様が図書館勤務と伺い、
「灯篭流しを見に行くなら、その時間に勤務しているので来るといいわよ」と
おすすめいただいていたのだ。
初めての場所に見知った顔がいてくれるのは安心だものね!

発足の住宅地図があり、持ち出し禁止だがコピーできるという。
それより、iPadで該当ページを撮影すれば、コピー代もかからない、と
アドバイスをいただき、無事地域の地図をゲット。
車で走っているだけじゃわからなかったことが、地図で再確認できた~!
コンパクトな図書館ながら、食指が動く本がいっぱい。
色々本を物色しているうちに、灯篭流しの時間が迫ってきた。
結局、子供用の虫図鑑と、きのこの本を借りて、あわてておいとまする。


浜のお天気は今にも雨が降りそうな、重たい曇り空だった。
どのへんかなぁ、と川沿いをウロウロしていたら、
厚田くんせいのお母さんと、ばったり遭遇。
良い場所を案内してもらえた。
「うちは宗教が違うから、本当は灯篭流しは関係ないんだけど、
夫が亡くなった年に灯篭を流したのさ。
波打ち際から灯篭を放すと、だんだん、遠くまで流れて行って。
潮路ってあるでしょ、潮の道。
潮路に乗って、灯りが遠くなっていくのを見て、
ああ、遠い世界に行ったんだなぁって実感したものさ。」
なあんて、ロマンあるお話を聞きながら。

お天気のせいで厚田川は濁って増水している。
でも、だんだん暗くなっていく風景の中で、幽玄さが増していくのが、むしろキレイ。
徐々に人が増えていく中、灯篭がやってきた。
戸板のようなものに載せた、20基くらいだろうか。
(灯篭の単位がわからないので、基、としておく)
地元の若い衆が海に胸まで浸かって、この戸板を沈めると、
ふわ~っと灯篭だけが水面に浮く。
本来はこのまま潮に乗って沖へ流れていくのだろうが、
今日は波が荒く、浮いたものの、ザバンザバンと浜に打ち上げられ。
灯りが消えて、灯篭が瓦解していく。
ち、違う意味で、はかない。
本当は、僧侶が揃って読経するなか流していくらしいのだが、
段取りが違ったらしく、僧侶たちが到着する頃には半分位の灯篭がすでに流され、
「坊さんはまだか」「灯りが消えた」「壊れた」などと
軽い喧噪のなか、わちゃわちゃと灯篭流しが進んだ。
人々の声、ドンツク、ドンツクと鳴る団扇太鼓、読経の声。

なんか、厚田くんせいのお母さんに伺ったロマンある風景とはちと違ったが、
打ち上げられずに無事潮路に乗った灯篭は、
本当に遠くまで、列をなしてゆらゆらと流れていった。

わちゃわちゃした人間たちと、静かに彼岸へ向かう灯篭の列。
従来の灯篭流しとは違った風景だったのかもしれないが、
これはこれで対比が凄くって、彼方へ思いを馳せることができる面白い体験だった。
お天気に恵まれると、違ったものだったかもしれないけどね。
来年はどんな灯篭流しになるのか、楽しみだ。

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発足ツアーのおさらい [移住地に馴染む足ががり]

8/20。朝はびっくりするような大雨。
今日はイチゴ収穫もお休み。
「厚田で灯篭流しがあるよ。そんなに歴史の古いイベントではないけど、
なかなかキレイだから見に来るといいよ。2年ぶりだしね」と
イチゴ農家さんにおすすめされた灯篭流しを、今日は見に行ってみようねぇ。
でも、こんな雨でも大丈夫なのかなぁ。

いろいろいただいた野菜もあるので、お礼をかねて、
その野菜で作った箸休めでも持って行こうかな。
小さい頃、親戚や知り合いにいただいたものを、
その方が訪問された時に披露する、って習慣があったなぁ。
いただいた服を、その親戚が来た時にわざわざ着て、披露するの。
「こんなに喜んでありがたく着させていただいてます」って感じで。
なんか、いただいた野菜でおかずを作って持って行くのって、そんな感じ。
お子ちゃまか。
手作りのおかずなんて、ありがた迷惑な場合もあるかなぁ、なんて懸念もある。
まぁ、そんなことは気にせず、嬉しかったことは素直に表現しよう。

雨も上がって、むんむんに蒸した中、発足ツアーで憶えた道を行く。
きのこの達人さんには、いただいたスイカ(2玉もいただいちゃって)、1玉お裾分け。
山の奥地は、おうち周辺よりさらに湿気が多い。
山の中は涼しいのかと思ったが、スイカで少しでも涼をとって貰えたら嬉しいな。
他にも3軒回って、発足ツアーのおさらい。
少し発足の土地勘が上がった感じがして楽しい。


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発足ツアー [移住地に馴染む足ががり]

ひとしきりビアガーデンを楽しんだ帰り道、
イチゴ農家さんが「発足ツアー」をしてくださった。
自治会で地図にお名前を落とし込んで、ある程度把握したつもりではいたが、
「ここが○○さん家、この奥にも道があってね」と、
普段よそ者は入れないであろう場所に案内していただく。

農地の奥に、厚田川を渡る欄干の無い橋があって、
そこを渡ると意外にも広大な田んぼが広がっていたりする。
欄干の無い橋がすごく怖くて、ひゃーひゃー言いながら、もと来た道を戻る。

「お宅の奥にもたくさん家があってね」とおうちの前を進む。
ご挨拶できた近隣のお宅は把握していたが、その奥にもまだまだ住んでいらっしゃるのだ。

奥に進むにつれ、だんだん登って行き、
時折渡る川の部分は深い切れ込みの谷になっており、
その落差でジェットコースターに乗っているかのような道だ。
小さな橋を渡って、山の奥深くまで進む。
「こ、この辺はもうすっかり山奥、って感じですね」
「昔はこの辺りにもたくさん家があって、商店があったりもしたんだよ。
もうここ一軒になっちゃったけど」と、
タモギタケの、きのこの達人さんの家の前まで来て、引き返す。
「みんな農地を手放して、地域の誰かが引き継ぐから、
自宅から遠い所の田んぼもやってたりするんだよ」
ぐるっと発足を一周するツアーはとても面白かった。
ここがどんな土地で、どんな生活があったのか、地域の盛衰を垣間見たような気がする。


いやぁ、発足、すごい。
土地も、人のポテンシャルも。
そして、私達のおうちは、「山あいのおうち」というより、
「山あいの、ほんの入口のおうち」だった、と気が付いたのだった。


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ビアガーデンで地域の人に会えた [移住地に馴染む足ががり]

8/19。イチゴ収穫の際の世間話で、薪ストーブのことも聞いてみた。
「放置されてた木とは言っても、1シーズンは乾燥させないと薪にならないよ」
「火力は強くてあったかいけど、とにかく量が必要だから。
保管場所も大変だし、保管場所には虫もすごく湧くし。
今年は無理じゃない?今年は灯油にしとけば?」
とスーパー農業女子奥様。
うーん、やっぱりそうかぁ。ダーリンは一生懸命準備してるけど難しいかなぁ。

そんな中、コロナで中止されていたビアガーデンが
2年ぶりに開催されるけど、来てみるかい?とお誘い。
地域の人たちとの顔合わせになるかもしれないし、是非是非!
夕方、地域バスで市街地に出てみます、と言ったら、
「スクールバスだから、土日は走って無い筈だ。迎えに来るよ」と。
毎日、バスが往復するのをサンルームから見ていたが、土日に走っていないとは
まったく気づいていなかった。ありがたくお言葉に甘えることにする。


夕方5時。厚田支所前の駐車場に、いくつものテントが張られて会場ができていた。
まだ人出は少なく、簡単に席を陣取れた。
お客さんは少ないが、テントの方を見ると、
自治会でお会いした方々が焼鳥を焼いたりして裏方さんをしていらした。
改めてご挨拶し、イチゴ農家さんのご紹介で次々と席に顔を出して
一杯やっていかれる。
こんなリラックスした席でお話しできるなんて、いい機会を得たなぁ。
それにしても、皆さん、私より年上と思われる方も多いのに、とにかく元気、元気。
発足からは離れたものの、今もシカ猟をされている方、
山仕事もされている方、
皆現役バリバリで、地域のイベントがあればこうして大車輪で働く。
凄いぜ、厚田の人たち。

時間が経つにつれ、人出も多くなって、子どもたちも増えてきた。
厚田、若い人も多いし、思ったより子供たちが居るんだなぁ。
飛ぶ鳥農場さんご一家も遊びに来ていた。
今年は農場の引越を控えて大忙しの中、夏休みのイベントがあって良かったなぁ。
私達、飛ぶ鳥農場さんのおかげで厚田にご縁をいただけたのに、
自分たちのことに必死で、ちっともお手伝いに行けていない。
「すごいですね~、もう地元に馴染んでるんですねぇ」と言われたが、
自ら馴染んでるというより、馴染むように発足の方々が
細やかに声をかけてくださるおかげなんだよなぁ。
本当に、本当に、皆さんのおかげで今暮らしていけてるんだ、と実感。


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薪ストーブへの道は遠い [移住地に馴染む足ががり]

先日 山のプロさんに紹介いただいた、別の建設屋さんが屋根補修の見積にいらした。
・正規の補修方法でどれくらいの予算になるかは承知している
・が、とにかく予算がない。ぶっちゃけ、最大でも20万円しか出せない
・購入以前より徐々に損傷が拡がってきており、補修は早めにしたい
・葺き替え以外の補修方法はないか検討してほしい
・補修の際、室内の天井を剥したりしても構わない
などの事情とこちらの希望を、ぜ~んぶ、ぶっちゃけて相談した。
最悪、この冬の雪さえ乗り越えられれば、本格屋根修理は来年以降でもいいんです、と。
落下した破風など、下に散らばっているものを確認、下から見上げて、
「う~ん、なんとか考えてみましょう、その予算内でできることを」と、帰って行った。


今朝も、ダーリンは裏原野の倒木・伐採木・折れ枝集めをしている。
随分積みあがってきた。
「これくらいあれば、ひと冬越せるかなぁ」とダーリン。
今日も「キャンプファイヤーできるね」「燃やしませんから!」の
ネタを繰り返しながら、二人で外仕事をしていると、
山のプロさんが通りかかった。
「屋根の見積、来たかい?」
見積にいらした話、ぶっちゃけ予算の話などして、
予算ありきで作業をしていただくようにお願いしたことを報告した。
「あれ、裏の木?結構集めたね」
「薪ストーブも考えているんですが、この家でもできるんですかね」
「元家主さんと営林署で一緒だった頃、麻雀しに来たことがあるんだよ。
その時は薪ストーブだったなぁ」
そうなんだ! 薪ストーブもできるんだ、この家で!
「けっこう伐採木が多かったので、これを薪にしたらひと冬越せますかね?」
「ああ、これだと20日分くらいかな」

20日分・・・
20日分・・・
20日分・・・

ああ、毎日汗だくで頑張って集めているダーリンの表情。
頭の中で20日分・・・と響いているのがわかる。
果てしないなぁ。ここにあるもので暮らそう、と言っても本当に手間がかかるんだなぁ。

裏山の間伐はどうすればいいのか、とか庭の木の剪定はどうすればいいのか、など
世間話程度にさらっと相談したら、
「脚立ないの?古いのがあるからあげるよ」と、その日の帰り道に持ってきてくださった。
さらに、この日、山のプロさんのお兄さん・家庭菜園さんが、
スイカとトウキビを差し入れてくださった。
いやいや、何から何まで。山のプロさんが最初に声をかけてくだすってから、
随分色々な方達にご縁がつながっていって。
ありがたい限りです。


今日は、さらにきのこの達人さんにもタモギタケをいただいた。
「自分で切ったの?白樺」
「すでに切ってあったり倒れてたのを集めたんです。まだあるけど、
一部はそのまま残してムキタケが生えないかなぁと思ってるんですけど」
きのこの達人さんのように、タモギタケが生えるまで3年育てる、ってのは
私達には難しいかもしれないけど、
残置して・観察して・森にお任せする、ってのはアリだと思うんだよね。
う~む、それにしても皆さん、通りかかるだけなのに、
うちの庭の奥のキャンプファイヤー(笑)に気付くとは、風景の変化に敏感だなぁ。
危なっかしい新入りを、大丈夫かいな、と皆さん見守って下さってるんだなぁ。


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