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交通トラブル多発 [厚田民としての生活]

雪と晴れ間が交互に入り混じる天気。
今日は札幌へ所用を足しに行こう。
もうすぐ確定申告だが、書面管理が甘い私は移住のゴタゴタで一部が見つからない。
転居前の札幌中央区役所に行って証明書を出して貰わなければ。
ダーリンも別な所用があって時間がかかりそうなので、
その隙に4カ月ぶりのカットに行こうかと、懇意の美容師さんに連絡してみた。
「転んで手首を骨折しちゃって。しばらくお休みさせていただくんです」
なんと! ここにも転倒による骨折者が!
今年の札幌は骨折で救急搬送される人が多いとは聞いていたが、
私の周囲だけでも2人も骨折するなんて。やっぱそうなのか~、と実感する。
美容師さんは仕事復帰まで1ヶ月位かかるとのことなので、
その頃まではカットはお預けだ~。

札幌に向けて出発する。
厚田の浜方面は風が強いので、発足に比べると積雪は多くない、と聞いていたが、
どうしてどうして、結構な積雪だと思う。
ただ、風に飛ばされるのか、路面が出ている所は多い。
特に、吹雪の時には恐怖の場所となる 風の吹き抜けポイントは、路面がすっかり出ている。
「ここさぁ、吹雪の時、凄かったよね~」なんて話しながら進んでいくと、
路肩に突っ込んでスタックしている車があった。
もうすでに他の車2台が救出に動いていたので そのまま進んだが、
時々家の前を通る車に似ていたような。地元の人かなぁ。

カーブを曲がる度に路面状況が変わる。
久々のアスファルト路面に、つい調子に乗って運転したくなる人もいるだろうなぁ。

札幌に入ると、幹線道路はほとんど路面が出ていて、乾いてさえいた。
積み上がった雪は、去年より低い気がする。もう融けて縮み始めている?
やっぱり札幌は春が来るのが早いのかな。
走り慣れた流れのいい幹線道路でちょっとした渋滞になっていた。
あれ。パトカーと数台の車が停まっている。事故かなぁ、スピード違反かなぁ。

所用を足し、あいの里でトイレタイムと
ちょっとした買い物をしてから厚田に戻る。
帰り道はやや風が強く、晴れて良く見えていた厚田の山々が薄い雲に覆われていた。
「厚田方面のお天気、ちょっと不穏だね」と言いながら車を走らせていると、
小高い大きなカーブの脇で、横転(!)しているワゴン車があった。
「往き道の時は無かったよね? 大丈夫かな?」と心配していると、
ダーリンは路肩に停まって様子を見に行った。

「まだ中に人が居た。声を掛けたら、大丈夫です、手助け不要です、と言われた」
と戻ってきた。
横転した車の中で、横倒しになったまま警察かJAFが来るのを待っているのかな・・・。
車は路面から逸脱して、うまい具合に停車可能な空間で横転している。
私達は路面を塞いで停車しているのだから、手助け不要というなら さっさと戻ろう。


往きも帰りも交通トラブルを目撃して、ドキドキしている。
春近しといえども、まだまだ冬道の用心は必要だなぁ。


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ダイヤモンドダストのように [厚田の風景]

日の出の時は薄曇りだった。
9時を過ぎた頃からパラパラと雪が降り出す。
かき氷を削った時、周りに飛び散っているような、細かい、細かい雪。
時折雲を割って陽光が射す。
陽を受けて、細かい雪がキラキラ光りながら降って来る。
うわぁ。まるでダイヤモンドダストみたい。
舞台で金粉を降らせているかのように、キラキラ舞っている。
しかも、陽が射している部分のみ明るいので、
スポットライトを当てた部分だけがキラキラしている、みたいだ。
これが夏だったら、天気雨的な感じなのかなぁ。不思議、不思議。
まだ陽が低いので、急斜角で当たる光は雪面もキラキラ光らせている。
融けては凍る、荒い雪の粒に当たっているのだろう、
ポツン、ポツン、と いい角度で光が当たっている粒だけが、
そこに宝石を散らせたみたいに、もの凄く輝いていた。
眼を細めて見ると、光のひとつひとつがプリズムになって、めくるめく光景に。
きゃ~。とんでもなく素敵な光景を見ちゃってるよ、私。

目の前で繰り広げられる光景を見ながら、
心の中は色々なものに憑依したように疑似体験していく。
降り注ぐ光になって、空から凄いスピードで地上のあらゆるものに反射していく私。
雲の形が変わると、パッと消えて、別の切れ間に瞬間移動してまた降り注ぐ。
雲からは、細かい雪の粒になって風のゆらぎに煽られながら地面へと落下していく私。
くるくる螺旋を描きながら、その度に光が当たる面が変わって光りながら落ちてゆく。
一見丸いけれど、実はごつごつと多角形に固まって雪原を埋め尽くしている氷の粒の私。
その一面だけに光が反射すると、粒全体が乱反射して全体が光る。
そしてまた、光や風を受けることで周りから融けてまた別の私に変化していく。

ああ~、面白い。
ぼ~っと見ているだけなのに、あらゆる所に「私」が居て、
それが一瞬一瞬で変化していくのを想像するのは、
壮大な映画を見るよりも大冒険している気分だ。

こうして何も仕事をしないまま、時間が過ぎていく朝。
呑気すぎるかなぁ。


タグ:厚田 日の出
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真冬の中に見つける春の兆し [厚田の風景]

真っ白な朝。
雪が降っているのかと思ったが、濃い霧だ。
すぐ目の前の道路や田んぼが、紗をかけたようにふんわり霞んでいる。
真っ白な雪原が霞むと、距離感がわからないなぁ。
土手の木の濃いシルエットの向こうは、谷には深く、山には淡く、霧がかかっている。
昇ってきたお日様は、霧のフィルターがかかって、朧月みたい。
墨絵みたいだ。美しい。
気温的には真冬だが、本当に立春を過ぎたあたりから、
お日様の勢いがぐんぐん上がっている感じがする。
そうか~。視界が悪くなるのは雪ばかりだった頃に比べると、
こんな風景が見られるようになったってことは、春の兆しなんだなぁ。

お日様が高くなるにつれて霞んでいた風景はどんどんクリアになる。
見慣れた雪景色ながら、気持ちのよい快晴に。
どれどれ、今日は駐車場の幅を拡げるために、
背丈を超えて積み上がった雪を少しずつ崩すことにしよう。
雪かきショベルの幅にザクッ、と挿しこみ、残りの三方にも筋をつけると、
パコッ、とブロック状に取れる。これを一番日当たりのいい道路際に移動する。
そうやって少しずつアスファルト面に向けて下へ、下へと掘り進める。
一時間くらい作業しても、自分の手を広げた分すら崩せていないが、
こうして陽が当たる面を増やしていくことで、少しでも早く雪解けを迎えたい。
今はまだ、庭の雪も窓の高さまであるけれど、
ウッドペッカーの木の周りには色々な植物が植えられていたのだ。
去年、下見に来た5月頃は確か、
わさわさジャングル状に生い茂る雑草の中に、何色ものツツジが咲いていた筈だ。
反対側の庭にも、大きく育ったオンコの木に隠れながら、
桜も咲いていた筈だ。
はじめての厚田の春はどんなだろうか。雪を崩す手にも力が入る。


きりがないのは判っているので、気が済むまで雪崩しをして適当な所でおうちに入る。
作業で汗だくだぁ、と思っていたが、
お日様の力で駐車場には所々アスファルト面が顔を出していた。
暑いのも当たり前かぁ。

コーヒーを飲みながら、ぼんやり、明るい庭の雪を見ていた。
あんなに真っ白でふんわりしていた発足の雪景色も、
良く見ればお日様にじんわり融かされて、表面が雪平鍋みたいに ぽこぽこし始めている。
まだまだ寒いけれど、
春は着実に、近づいてきてくれているんだね。


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手前味噌づくり [保存食]

去年は移住のゴタゴタが一番大事な時期に重なったため家庭菜園ができなかった。
味噌用の大豆は購入したものだが、寒いうちに手前味噌を仕込もう。
去年の手前味噌は手をつけたばかりなのでまだ1.5kg分ほどある。
大きい鍋がないので、少量ずつ2回に分けて、去年の倍量くらいは作りたいなぁ。

前の晩から水に浸けて大豆を戻す。
乾燥した まん丸の大豆も可愛いけど、
たっぷり水を含んで「お豆さん」に戻った姿が、これまた可愛いんだなぁ。
今年はストーブの上で茹でられるのが嬉しい。
とはいえ、暖房のついでに茹でるので、火加減ができず、
長々と火にかけて やっと柔らかくなったのが陽が落ちてから。
そもそも大豆の浸水を始める時間が間違ってたなぁ。
朝から作業できるように逆算してすべきだったよなぁ。


保存容器を消毒して、丈夫な漬物袋の中で大豆を潰すべく袋を準備して。
茹で汁を少し残しながら大豆のお湯を切り、こうじも塩きりして、準備は完了だ。
ザルとか鍋とかが足りなくて、ちょっと準備に手間取ったけど、
さぁ、大豆が冷めないうちにつぶすぞ~!
大豆をざぁ~と袋に移して、こうじを入れて・・・
ああっ、しまった! 大豆を潰す前に勢いでこうじまで入れちゃった!!
わぁぁぁ、どうしよう。こうじが死滅しちゃうぅぅ~~~。

と思ったが、もたもた準備していたせいで、
大豆はもう熱々ではなかった。
不幸中の幸い、人肌よりちょっと温かい程度だから なんとかなるか。
いやいや、固いこうじが混じってたら うまく潰れないじゃないかぁ。
でも、もう こうじを取り出すのは不可能。
不本意ながら、この状態で潰すっ。

いやぁ、潰れにくいのなんのって。
手順を間違えてるんだから当たり前だが、固いこうじ粒が大豆をガードする。
そして、潰すのに時間がかかっているので、どんどん冷めていく・・・。
冷めることで大豆も更に潰れにくくなってくる。
もう、大豆ひと粒ひと粒をねちねちと指で潰していくしかない。
なんか、失敗の予感でテンションもガタ落ちである。


ねちねち、ねちねち、ねちねち・・・。
潰し終わったら空気を抜きながら保存容器に詰めて。
仕込が終わったのは深夜だった。
もうあとは、こうじ菌たち頼みだ。
BERAは間違えたけど、それでも手は尽くしたよ。
お願いだ、がんばっておくれよ~。

あ~、今日も『迂闊さん』発動してしまった。
グダグダだったけど、それでも出来上がりが楽しみだ。
来年の秋口には、食べられるかなぁ。


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魅惑のタヌキ [厚田の野生生物]

節分を過ぎた。
まだまだ寒さの底だし、雪も降るけれど、お日様の勢いが増してきているのを実感する。
夜に積雪しても、朝しっかり雪かきしておけば、
日中はお日様が融かしてくれ、所々アスファルトが覗くようになってきた。
お天気に恵まれているうちに、振込や買物がてら あいの里へ行くことにした。

家を出て間もなく、道道月形厚田線を厚田市街地に向かって走っていると、
前方の雪道に三角の黒いモノを発見した。
「うん? 工事のコーンかな?」と凝視するうち、動き出した。

タヌキだ!!

こんな道道の真ん中に座ってるなんて、無防備で危ないじゃないかぁ。
スピードをぐぐっと落として、タヌキが逃げるのを待ったが、
焦ったタヌキ、進行方向に向かって縦に逃げていく。しかも、もたもたと。
「違~う! そっちじゃない~! 間違えてる~!」と車内は大騒ぎ。
冬毛で もふもふしたタヌキは、真後ろから見ると まんまるで、
黒い足がついた毛玉がぽんぽこ、ぽんぽこ、と跳ねているよう。
切迫感がないどころか、愛くるしすぎる。
「何故、脇に逃げないの? 早くお逃げよ~」と焦れていると、
ダーリンが「一生懸命なんだから」と制す。
そういえば、移住直後に札幌往復生活をしていたダーリン、
夜道で時々タヌキを見かけては「可愛いんだよ、もたもたしててさ」とデレデレ話し、
いつもその不器用さを「タヌキは一生懸命だから」と全力擁護してたっけ。
15mほど追いかける形になったが、雪捨て用の横道を見つけ、ささっと逃げて行った。
横道からチロッ、とこちらの様子を振り返るしぐさも、
いかにも気が小さそうで可愛い。
あいの里往復の道中はタヌキ談義一色だった。


帰宅して、YouTubeでタヌキ動画を漁る。
同じように雪道で遭遇したタヌキの姿に、道路脇に逃げられない理由を知った。
タヌキは道路脇にそびえる積まれた雪に飛び乗れないのだ。
動画では飛び乗ろうとして何度も失敗し、時々、
「逃げられないけど、攻撃しないよね?」とばかりにチロッ、と振り返る姿が。
https://www.youtube.com/watch?v=sUZQ3Jc65X8

あ~可愛い。たまらん。
魅惑のタヌキに夢中である。
また、どこかで出会えるかなぁ。


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厳寒期にはするもんじゃない [厚田民としての生活]

父の介護と看取り、日々の雪との格闘、姉の骨折。
慌ただしく過ぎた冬の日々。
はたと気が付くと、11月中旬を最後に、汲取の手配をしていなかった。
さすがに2か月半も経っていてはひっ迫した状況かもしれない。
が、汲取口には屋根からの落雪が高く高く積み上がり、
この雪かきをしなければ手配することもできない。
今日は晴れたことだし、本腰入れて汲取口の発掘に挑むか!

この地域では汲取を依頼しても即日で来てくれることは無い。
とりあえず依頼して、数日後に来るのが通常。
ただ、「落雪位置に汲取口があるため雪かきして空けておかなければならない」ため、
訪問前日に連絡が欲しい旨お願いし、汲取を依頼した。


いや~、手強い。
基本、屋根の雪は室内からの暖房の熱と、お日様の力で落としている。
ということは、落雪時は必ず屋根の接地面が融けているということだ。
それが落下して、日当たりの悪い北側に積み上がっている。
そう、落下した毎に氷の面ができて、氷・圧雪のミルフィーユになっているのだった。
大好きなスノープッシャーも、雪かきショベルも、歯が立たない。
剣先スコップでガシガシ砕きながら除雪していくのだ。
その高さ・硬さ・密度。ちっとも捗らない。
何日か前に、ダーリンが雪かきついでに少し崩してくれていたのだが、
なるほど、「少し崩す」程度で終わった気持ちがよくわかる。

う~む、これは除雪を目指すのではなく、
『人ひとりが入れて、汲取口にホースを入れられる洞穴を作る』、に方針変更だ。
唸れ、剣先スコップ! 耐えろ、私の関節!
掘って掘って、掘りまくるのだ~~~!
2時間ほどの激闘で、なんとか汲取可能な状況にした。
「ちょうど明日発足地域に行くので、明日の午前中に伺いま~す」と連絡が入る。
よしっ! どうか明日まで雪が降らず、屋根の雪も落ちませんように。


翌日。来てくれたが、ホースが刺さらない。
「凍ってますね~」
ぎょえ~!! そうだった!
昭和の古い家に住んでいたことがある私達姉妹は、便槽も凍ってしまうことを知っていた。
姉は、「冬になったら凍っちゃうから、早めに汲取してもらいなよ」と言っていたっけ。
すっかり記憶が飛んでいたよ~。
いやいや、そう言ってはいられない。
「バケツに熱湯持ってきます!待っててください」と待機をお願いし、
バケツ3杯熱湯を注いだところで、無事実行可能となる。
お手数をお掛けしたことをお詫びすると、
「全部融けてはいないと思うから、3月以降の融ける時期になったらまた呼んで」と
言って引き揚げて行かれた。胸を撫で下ろしながら見送る。
いや~、厳寒期にするもんじゃないね、汲取。
先手、先手で手配することが肝心。


翌朝はよく晴れあがり、お日様の力で屋根雪が一気に落ちた。
激闘の末作った洞穴は7割方塞がってしまった。
良かった~。昨日のうちに済んで。


タグ:厚田 汲取 落雪
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冬の星 [厚田の風景]

ダーリンは今日からニシンの網外しのお手伝いに行く。
今が一番寒い時期ではあるが、春はもうすぐなのだ。

夜中にトイレで目覚める。
ダーリンが出る前に雪かきは必要かしら、と寒い廊下の窓から外の様子を見てみる。
下弦の月が出ている。キーンと冷たく美しい。
寒い空気に瞬きながら、バラバラと落ちてきそうなほど大きな星が一面に出ている。
うわぁ~。冬の星って、光が鋭くてキレイ。
時折、霧のようにふわ~っと薄い雲が覆い、光が淡くなったかと思えば
またキーンと冷たい光を放って瞬く。
考えてみれば、雪の心配ばかりして、たまに訪れる晴れた夜空を見ていなかったかも。
寒さを忘れて、しばらく呆然と見ていた。

寝ている間もこんな風に、月や星が昇り、動いてゆく。
眼には見えなくとも、星を瞬かせるほど上空の風や水は動いている。
このカラダだって、眠って意識が飛んでいる間も心臓が動き、
血液がまわって、淡々と動いている。
なんだか凄いことが、毎日淡々と起こっているんだなぁ。
あーだこーだと考えている意識の部分なんて、小っせぇ、小っせぇ。

ここに来てから、風景にたくさんたくさん、
話しかけられて、教えられているような感じがするなぁ。


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発足は穏やかで美しい [厚田の風景]

翌日も発足の雪はしんしんと降り続けた。
二日目の朝も降り止まないので、起き抜けと昼前、2回雪かきをした。
1月下旬の、空の底が抜けたような豪雪はその後なく、
淡々と、静かに雪嵩を増していく。
気が付けば、また屋根からの落雪が突っかえている。
午後になって時々晴れ間が覗くようになってきた。雪も一段落かな。

お気に入りの箱かんじき(ただの野菜ケース)を携えて、
今度は背丈ほど積もった雪壁を乗り越え、突っかえた屋根雪を崩しに出る。
ガリガリに固くなる前に崩すのは、軽くてサクサク進むのが何とも楽しい。
ついでに、じりじりと狭くなってきた駐車場を少し拡張しよう。
手を休めて見上げると、冬の空でもこんなに青いんだ、とちょっとビックリする。
遠くに雪を降らせたそうな雲が居るけれど、今はとても穏やか。
降りたての雪を被った山が、空の青に映えて、いつもより更にキレイだ。
ああ、本当にキレイ。なんて美しいんだろう。
夏の間は生い茂った木々や、わっさりした笹薮で視界が遮られていたが、
雪でなだらかに覆われた土手の輪郭がふんわり柔らかい。
結局は背丈ほど積もっているので視界は夏と大差ないのかもしれないけど、
夏には見えなかった建物が見えたりもする。
あの山の白い筋、木がないけれど沢筋かしら。それとも林道のような道かしら。
雪が完全に融ける前に、入って探検してみたいなぁ。


道路端を雪かきしていると、ご近所さんの車も通りかかる。
乗っている車種がわかる見知ったご近所さんだけでなく、
直接顔を合わせたことのない方々の顔も、近くだと確認できる。
車が通りかかる時 雪かきの手を止めて会釈すると、
車窓の方々もニコニコして会釈してくれている。
ああ、笑って挨拶してくれるって、しみじみ嬉しいなぁ。
発足は、風景も人も、穏やかで美しい。


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地元でホワイトアウト [厚田民としての生活]

「入院案内郵送してほしい。ポストあるでしょ?」と連絡が入る。
ポスト、厚田まで出ればあるけど・・・
ダーリンが浜にお手伝いに行ってるから車がない。
退院してから、救急病院で借りた松葉杖の返却証が無いとか、色々不便もあるようだ。
姉が残していた書面やレシートには一切触っていないので、
テーブルに積んであるものを探してほしいこと、
郵送は明日になるので待ってほしいことを伝えて電話を切る。

厚田の天気は荒れていた。
相変わらず雪は わしわし降って来るし、
ダーリンの話だと浜はしょっちゅう吹雪いているそうだ。
退院の時は触れないようにしていたが、
ひどい言葉を浴びせてから姉とその話はしていなかった。
どうしても気持ちの整理がつかないので、手紙を書いて同封した。
一度、きちんと嫌なものは嫌だと伝えておきたかった。
そして、それはそれとして姉を大好きだし、愛している、と。


翌日、ダーリンが戻ってから、ひとりで厚田市街地に向かう。
発足は穏やかな雪だったが、浜に近づくにつれ風が強くなり、
積もった雪も巻き上げての吹雪になった。
走り慣れた道とはいえ、くねくねと曲がる山と川に挟まれた道。
路肩が良く見えないまま、ドキドキ運転しながら なんとか厚田に着く。
郵便局がある場所は浜により近いので、吹雪もすさまじい。
こんな中、局員さんが吹き溜まった駐車場の除雪をしていた。
車を下りると、息もできないほどの突風。
これじゃ、掻いても掻いても吹き溜まるんだろうなぁ。
会釈して、そそくさとポストに投函する。
国道を横切るだけでも視界が悪く、命からがら発足に逃げ帰る。

帰宅して1時間ほどしてから、はっと気が付く。
「郵便局で切手を買って、貼ってから投函しようとしていたんだった!」
『迂闊さん』は、またもや吹雪に気を取られて大事なことを忘れてしまっていた。
慌てて郵便局に電話をかけると、
「切手を貼っていない郵便物があったので、集荷せずに取り置いてあります」との事。
ありがたい!
吹雪の中、慌ててまた厚田へ向かう。
一体何をしに厚田まで出たんだ。まるで吹雪体験アトラクションしてきただけじゃないか。
とほほ、と思いながら車を走らせていると、
一気にぶわ~っとホワイトアウトした。
ぎゃー、何も見えない。路肩はどこだ。
ハザードを点けて超のろのろ運転をしながら、
「どうか前からも後ろからも車が来ませんように」と祈りながら進む。
時折何度かふっと視界が開けて、「あ、この辺りまで来てるんだ」と確認しつつ、
なんとか郵便局に辿り着いた。
「いや~、大変失礼しました。取り置いていただいてありがとうございます」と
用事を済ませ、ドキドキしながらまた発足に戻る。
帰り道は、吹雪いてはいてもホワイトアウトするほどではなく、助かった。

いやはや。厚田に出るだけで命の危険を感じるとは。
手強いぜ、冬の厚田。


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姉の退院

気持ちの整理がつかず2日間は姉に連絡しなかったが、
3日目、札幌に所用があり、ダーリンも一緒に行けるので車で札幌に向かう。
月をまたいで入院すると、翌月分の医療費もかかるため、
なんとか1月中に退院したい、と姉は言っていた。
支払額がわかる「入院案内」書面を私が持ち帰ってしまったため、
手持ちの金額で支払えるか不安がっていた。
書面と、追加の消耗品を持って病院に行くが、リハビリ中で会えなかった。
姉に会えると思っていたのに看護師さんが現れて、
想定外で慌ててしまい、肝心の書面を渡し忘れたことは厚田に戻ってから気付く。
帰り道、携帯キャリアのショップがあったので、
事情を話し、入院している本人の代わりに契約ができるか聞いてみたが、
本人でないと契約できないそうだ。
しかも、おうちWi-Fiのルーターがあっても、キャンペーン適用外で月額料金が高そうだ。
そういえば、父の時は私名義で契約したから私が動いても済んだんだった。
郵便局にも転送届を貰いに行ったが、同居していないと家族でも委任状が必要とか。
あ~、面倒くさい。
本人が動けないから家族が手続きしようっていうのに、何かと面倒な世の中だ。

なんとか1月末日付で退院できることになったとメールが来る。
当日迎えに行って、姉の体調が大丈夫そうなら、
キャリアのショップや郵便局をまわってあげたいし、
できれば車がある時に救急病院で借りた松葉杖も返しに行きたい。
この雪道では簡単に外出もできないので、当面の買物もさせてあげたい。
姉は「長い時間車に乗って足を下げていると痛いので、買物以外は後日でいい」、
「大きなショッピングセンターを歩くのは自信がない」と言う。
骨折経験者として、小さな店を松葉杖で移動するより、
車イスを借りられる大型ショッピングセンターの方が絶対楽だから!と説得。


さて、当日。
札幌の朝は、道路事情もあいまって、渋滞していた。
病院の駐車場も満車だった。
退院前の診断もあるらしく、何時にすべての手続きが終わって出てくるか未定のため、
先に姉の家のゴミ出しをし、病院隣接店舗の駐車場にいったん入って、
「病院の駐車場は満車で入れないので近くの店の駐車場に居る」とメールする。
「何時になるかわからないから私の家で待機していて」と返事が来るが、
駐車できないので病院の近くで待機すべく、
駐車場のあるファストフード店で待つことにした。
席に着く前に、「どこにいるの? 今会計しているからすぐ来て」。
この雪道で駐車場探しながらそんなに簡単にワープできんよ、焦るな、と返信する。
とるものもとりあえず、すぐ店を出て病院の入口でダーリンに車をつけてもらって
院内に迎えに行く。まだ会計待ちをしていた。せっかちだなぁ。

とりあえず、会計も無事に済み、晴れて姉は退院となった。
大型スーパーで車いすを借りて、あれやこれやと買い物をする。
ダーリンに車いすを押して貰いながらワイワイ買い出しをするのは楽しい。
これでやっと姉の札幌生活が始まるのだ。
骨折というアクシデントはあったものの、
逆に考えれば何かとアクティブに動き回る姉が、苦手な雪道を動き回らないような
行動抑止になっていると思えば、無理をしないでくれて良かったのかもしれない。
なんやかんや名古屋と札幌を往復して、気苦労してきた数か月なのだ。
カラダ自身が、「ちょっとスピードダウンしてよ」と訴えているような気がした。
快気祝に都心部でご飯が食べたい、と姉が希望したが、
道路状況や渋滞を考えると・・・申し訳ないが、近隣で昼食にしてもらう。
「何度も来てもらってありがとう」と昼食代や交通費をゴチになる。
出費が多い所申し訳なかったが、現金の乏しい田舎暮らし、有難くいただいた。


まだ雪道でゴミ出しも大変な状況なので、一部厚田でゴミ出しをしてほしいと頼まれ、
少しゴミを持ち帰り、帰路についた。
もう抜糸も済ませ、家で普通にシャワーを浴びてもいいそうだ。
1週間でここまで回復するなんてすごいなぁ。
私の時なんて、まだ管がいっぱい繋がっていた時期だよなぁ。
退院しても患部を濡らさないようにビニール袋で密閉して
変な恰好でシャワー浴びてたっけなぁ。
10年違うと、治療方法や医療方針の違いがあるのかな。
何にしろ、大難が小難で済んだようで良かった。

あ、また入院案内の書面を渡し忘れちゃった・・・。


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