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雨の発足 [移住生活のはじまり]

サァーという雨音で目が覚めた。
風もない中、雨がまっすぐに降っている。
窓から見える山並に、もんやりと霞がかかっており、奥へ、さらにその奥の山へと
霞のグラデーションで幽玄な風景が広がっていた。
しかもうっすらと朝焼けのピンクが映っている雨空が、愛らしさすら感じる。
毎日見ているのに、特に劇的な風景でもないのに、
毎日新しい顔を見せるこの土地は、本当に見飽きることがない。

1時間ほど遅く起きてきたダーリンに朝の空を報告しながら、
また二人で風景をずっと見る。
刻々と変わっていく、雲、なのか霞、なのか。
普段気が付かなかった谷がそこにあることを見せてくれる。
夕立のようにザーッと降ったかと思うと小止みになり、
また遠くから雨粒が森の葉を叩いて、雨が近づいてくる音がする。
谷から立ち上っている蒸気なのか、はたまた雲から谷へ下っていく霧雨なのか。
山並に縦に横にと「水」が姿を変えて現れては消えてゆくのを、
ただただ二人でずっと見る。

「こんな生活をずっと望んでいたのかもしれないな」とダーリン。
そうだね。不便もいっぱいしているけど、ちっともおうちも片付かないけど、
すごくすごく豊かな生活だね。


あ、また雨の音が近づいてきた。
今日は波のように何度も何度も雨がやってくるのを聴く一日になるのかな。


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