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もしかして、と思っていること

小さい頃から違和感があった。
良く耳にする「普通、○○じゃない?」っていう言葉、すごく苦手だった。
その『普通』とするものが、自分にとって ちっともしっくり来なかったから。

商売をやっている家で、階下に祖父母が居たので、
その眼の届く時間はじいさんの胡坐の中に納まって周りを観察しているのが好きな、
犬っころのような子だったような気がする。
それ以外は、幼い子が厨房をチョロチョロするのは大変だったから、
階段から落ちないように、なかば2階に閉じ込められているような幼児期だった。
(実際、そうしなかった時、階段から落ちて視力が落ちるようなケガをした)
ひとりでいることが全く苦ではなく、反対に大勢の中では必要以上に張り切った。
過度に集中力があり、反対に注意力が散漫。
いつも時間を忘れて動いてしまい、時間を守れない子、と怒られていた。
いつもいつも忘れ物をした。
朝、学校に行く前に用意すべき物を思い出して、「どうして今言うの!」と怒られていた。
(開店前の一刻を争う仕込の時に、本当に迷惑だったと思う)
居心地の悪い時に、鼻を掘ったり、指の皮をむしったりし、その癖を直せない。
(さすがに思春期になってからは鼻を掘ることはなくなったが)
具体的な文言がないと話のニュアンスがわからず、迷った末にとった解釈が的外れで
かえって怒られるような事態を招く。
大雑把さと神経質さ、正反対のバランスの悪さにも手を焼かれた。
想定外の事が起こると、必要以上にパニックになる。

そうやって、いつも怒られていた。
自分では不本意でも、こうしたら喜んでくれるかな、と思ってしたことも
「自分勝手だ」と言われ続けた。
何かが、きっと間違っているのだ。
でも自分ではわからない。
家族に迷惑をかける、役に立たない人間。
家を出て、ある意味解放されたが、
家族とですら居心地が悪いのだから、誰かと一緒に暮らすことは一生無理だと
ずっとコンプレックスを抱えていた。


最近になって、もしかして、自分は発達障害なのかもしれない、と思っている。
自己診断チェックであまりに合致していて、へぇ~と思った。

初老に差しかかった時、体調のバランスがとても悪くなった。
突発性めまい症になったり、ひどく汗をかく症状が起きた。
その時、「あ、更年期障害なんだったら安心だ」とふと気がついて、腑に落ちた。
思春期の『上り坂の体調変化』と同じで、
更年期の『下り坂の体調変化』なだけじゃないか。
症状に困っていたんじゃないんだ。症状には対応ができるけど、
理由がわからない不安に困っていたんだ。
私が今まで感じた居心地の悪さだって、発達障害かもしれないなら、納得がいく。
周囲の人には面倒をかけてしまうだろうけど、
注意力散漫なら、落ち着いて下準備する時間を貰えばいい。
ニュアンスがわからないなら、具体的な言葉を貰えばいい。
「あ、発達障害なんだったら安心だ」と密かに気がついて、
自分に「迂闊さん」とニックネームをつけたら楽になった。

今だったら、てへへ、と笑って済ませられる事もあったかもしれない。
役に立たない人間、ダメな人間、いつも怒られる人間。
それが、辛かったんだなぁ。

もしかして、と思うことが正解だったとしても違ったとしても、構わない。
周囲の環境が変わらなくとも、
私の中で腑に落ちたことで、私の心境と行動が変わっていく。
それで辛さが面白さに変わっていくなら大正解だよ、と自分の背中を叩いてあげよう。


タグ:発達障害
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