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魅惑のタヌキ [厚田の野生生物]

節分を過ぎた。
まだまだ寒さの底だし、雪も降るけれど、お日様の勢いが増してきているのを実感する。
夜に積雪しても、朝しっかり雪かきしておけば、
日中はお日様が融かしてくれ、所々アスファルトが覗くようになってきた。
お天気に恵まれているうちに、振込や買物がてら あいの里へ行くことにした。

家を出て間もなく、道道月形厚田線を厚田市街地に向かって走っていると、
前方の雪道に三角の黒いモノを発見した。
「うん? 工事のコーンかな?」と凝視するうち、動き出した。

タヌキだ!!

こんな道道の真ん中に座ってるなんて、無防備で危ないじゃないかぁ。
スピードをぐぐっと落として、タヌキが逃げるのを待ったが、
焦ったタヌキ、進行方向に向かって縦に逃げていく。しかも、もたもたと。
「違~う! そっちじゃない~! 間違えてる~!」と車内は大騒ぎ。
冬毛で もふもふしたタヌキは、真後ろから見ると まんまるで、
黒い足がついた毛玉がぽんぽこ、ぽんぽこ、と跳ねているよう。
切迫感がないどころか、愛くるしすぎる。
「何故、脇に逃げないの? 早くお逃げよ~」と焦れていると、
ダーリンが「一生懸命なんだから」と制す。
そういえば、移住直後に札幌往復生活をしていたダーリン、
夜道で時々タヌキを見かけては「可愛いんだよ、もたもたしててさ」とデレデレ話し、
いつもその不器用さを「タヌキは一生懸命だから」と全力擁護してたっけ。
15mほど追いかける形になったが、雪捨て用の横道を見つけ、ささっと逃げて行った。
横道からチロッ、とこちらの様子を振り返るしぐさも、
いかにも気が小さそうで可愛い。
あいの里往復の道中はタヌキ談義一色だった。


帰宅して、YouTubeでタヌキ動画を漁る。
同じように雪道で遭遇したタヌキの姿に、道路脇に逃げられない理由を知った。
タヌキは道路脇にそびえる積まれた雪に飛び乗れないのだ。
動画では飛び乗ろうとして何度も失敗し、時々、
「逃げられないけど、攻撃しないよね?」とばかりにチロッ、と振り返る姿が。
https://www.youtube.com/watch?v=sUZQ3Jc65X8

あ~可愛い。たまらん。
魅惑のタヌキに夢中である。
また、どこかで出会えるかなぁ。


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厳寒期にはするもんじゃない [厚田民としての生活]

父の介護と看取り、日々の雪との格闘、姉の骨折。
慌ただしく過ぎた冬の日々。
はたと気が付くと、11月中旬を最後に、汲取の手配をしていなかった。
さすがに2か月半も経っていてはひっ迫した状況かもしれない。
が、汲取口には屋根からの落雪が高く高く積み上がり、
この雪かきをしなければ手配することもできない。
今日は晴れたことだし、本腰入れて汲取口の発掘に挑むか!

この地域では汲取を依頼しても即日で来てくれることは無い。
とりあえず依頼して、数日後に来るのが通常。
ただ、「落雪位置に汲取口があるため雪かきして空けておかなければならない」ため、
訪問前日に連絡が欲しい旨お願いし、汲取を依頼した。


いや~、手強い。
基本、屋根の雪は室内からの暖房の熱と、お日様の力で落としている。
ということは、落雪時は必ず屋根の接地面が融けているということだ。
それが落下して、日当たりの悪い北側に積み上がっている。
そう、落下した毎に氷の面ができて、氷・圧雪のミルフィーユになっているのだった。
大好きなスノープッシャーも、雪かきショベルも、歯が立たない。
剣先スコップでガシガシ砕きながら除雪していくのだ。
その高さ・硬さ・密度。ちっとも捗らない。
何日か前に、ダーリンが雪かきついでに少し崩してくれていたのだが、
なるほど、「少し崩す」程度で終わった気持ちがよくわかる。

う~む、これは除雪を目指すのではなく、
『人ひとりが入れて、汲取口にホースを入れられる洞穴を作る』、に方針変更だ。
唸れ、剣先スコップ! 耐えろ、私の関節!
掘って掘って、掘りまくるのだ~~~!
2時間ほどの激闘で、なんとか汲取可能な状況にした。
「ちょうど明日発足地域に行くので、明日の午前中に伺いま~す」と連絡が入る。
よしっ! どうか明日まで雪が降らず、屋根の雪も落ちませんように。


翌日。来てくれたが、ホースが刺さらない。
「凍ってますね~」
ぎょえ~!! そうだった!
昭和の古い家に住んでいたことがある私達姉妹は、便槽も凍ってしまうことを知っていた。
姉は、「冬になったら凍っちゃうから、早めに汲取してもらいなよ」と言っていたっけ。
すっかり記憶が飛んでいたよ~。
いやいや、そう言ってはいられない。
「バケツに熱湯持ってきます!待っててください」と待機をお願いし、
バケツ3杯熱湯を注いだところで、無事実行可能となる。
お手数をお掛けしたことをお詫びすると、
「全部融けてはいないと思うから、3月以降の融ける時期になったらまた呼んで」と
言って引き揚げて行かれた。胸を撫で下ろしながら見送る。
いや~、厳寒期にするもんじゃないね、汲取。
先手、先手で手配することが肝心。


翌朝はよく晴れあがり、お日様の力で屋根雪が一気に落ちた。
激闘の末作った洞穴は7割方塞がってしまった。
良かった~。昨日のうちに済んで。


タグ:厚田 汲取 落雪
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冬の星 [厚田の風景]

ダーリンは今日からニシンの網外しのお手伝いに行く。
今が一番寒い時期ではあるが、春はもうすぐなのだ。

夜中にトイレで目覚める。
ダーリンが出る前に雪かきは必要かしら、と寒い廊下の窓から外の様子を見てみる。
下弦の月が出ている。キーンと冷たく美しい。
寒い空気に瞬きながら、バラバラと落ちてきそうなほど大きな星が一面に出ている。
うわぁ~。冬の星って、光が鋭くてキレイ。
時折、霧のようにふわ~っと薄い雲が覆い、光が淡くなったかと思えば
またキーンと冷たい光を放って瞬く。
考えてみれば、雪の心配ばかりして、たまに訪れる晴れた夜空を見ていなかったかも。
寒さを忘れて、しばらく呆然と見ていた。

寝ている間もこんな風に、月や星が昇り、動いてゆく。
眼には見えなくとも、星を瞬かせるほど上空の風や水は動いている。
このカラダだって、眠って意識が飛んでいる間も心臓が動き、
血液がまわって、淡々と動いている。
なんだか凄いことが、毎日淡々と起こっているんだなぁ。
あーだこーだと考えている意識の部分なんて、小っせぇ、小っせぇ。

ここに来てから、風景にたくさんたくさん、
話しかけられて、教えられているような感じがするなぁ。


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