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ダイヤモンドダストのように [厚田の風景]

日の出の時は薄曇りだった。
9時を過ぎた頃からパラパラと雪が降り出す。
かき氷を削った時、周りに飛び散っているような、細かい、細かい雪。
時折雲を割って陽光が射す。
陽を受けて、細かい雪がキラキラ光りながら降って来る。
うわぁ。まるでダイヤモンドダストみたい。
舞台で金粉を降らせているかのように、キラキラ舞っている。
しかも、陽が射している部分のみ明るいので、
スポットライトを当てた部分だけがキラキラしている、みたいだ。
これが夏だったら、天気雨的な感じなのかなぁ。不思議、不思議。
まだ陽が低いので、急斜角で当たる光は雪面もキラキラ光らせている。
融けては凍る、荒い雪の粒に当たっているのだろう、
ポツン、ポツン、と いい角度で光が当たっている粒だけが、
そこに宝石を散らせたみたいに、もの凄く輝いていた。
眼を細めて見ると、光のひとつひとつがプリズムになって、めくるめく光景に。
きゃ~。とんでもなく素敵な光景を見ちゃってるよ、私。

目の前で繰り広げられる光景を見ながら、
心の中は色々なものに憑依したように疑似体験していく。
降り注ぐ光になって、空から凄いスピードで地上のあらゆるものに反射していく私。
雲の形が変わると、パッと消えて、別の切れ間に瞬間移動してまた降り注ぐ。
雲からは、細かい雪の粒になって風のゆらぎに煽られながら地面へと落下していく私。
くるくる螺旋を描きながら、その度に光が当たる面が変わって光りながら落ちてゆく。
一見丸いけれど、実はごつごつと多角形に固まって雪原を埋め尽くしている氷の粒の私。
その一面だけに光が反射すると、粒全体が乱反射して全体が光る。
そしてまた、光や風を受けることで周りから融けてまた別の私に変化していく。

ああ~、面白い。
ぼ~っと見ているだけなのに、あらゆる所に「私」が居て、
それが一瞬一瞬で変化していくのを想像するのは、
壮大な映画を見るよりも大冒険している気分だ。

こうして何も仕事をしないまま、時間が過ぎていく朝。
呑気すぎるかなぁ。


タグ:厚田 日の出
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