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地元でホワイトアウト [厚田民としての生活]

「入院案内郵送してほしい。ポストあるでしょ?」と連絡が入る。
ポスト、厚田まで出ればあるけど・・・
ダーリンが浜にお手伝いに行ってるから車がない。
退院してから、救急病院で借りた松葉杖の返却証が無いとか、色々不便もあるようだ。
姉が残していた書面やレシートには一切触っていないので、
テーブルに積んであるものを探してほしいこと、
郵送は明日になるので待ってほしいことを伝えて電話を切る。

厚田の天気は荒れていた。
相変わらず雪は わしわし降って来るし、
ダーリンの話だと浜はしょっちゅう吹雪いているそうだ。
退院の時は触れないようにしていたが、
ひどい言葉を浴びせてから姉とその話はしていなかった。
どうしても気持ちの整理がつかないので、手紙を書いて同封した。
一度、きちんと嫌なものは嫌だと伝えておきたかった。
そして、それはそれとして姉を大好きだし、愛している、と。


翌日、ダーリンが戻ってから、ひとりで厚田市街地に向かう。
発足は穏やかな雪だったが、浜に近づくにつれ風が強くなり、
積もった雪も巻き上げての吹雪になった。
走り慣れた道とはいえ、くねくねと曲がる山と川に挟まれた道。
路肩が良く見えないまま、ドキドキ運転しながら なんとか厚田に着く。
郵便局がある場所は浜により近いので、吹雪もすさまじい。
こんな中、局員さんが吹き溜まった駐車場の除雪をしていた。
車を下りると、息もできないほどの突風。
これじゃ、掻いても掻いても吹き溜まるんだろうなぁ。
会釈して、そそくさとポストに投函する。
国道を横切るだけでも視界が悪く、命からがら発足に逃げ帰る。

帰宅して1時間ほどしてから、はっと気が付く。
「郵便局で切手を買って、貼ってから投函しようとしていたんだった!」
『迂闊さん』は、またもや吹雪に気を取られて大事なことを忘れてしまっていた。
慌てて郵便局に電話をかけると、
「切手を貼っていない郵便物があったので、集荷せずに取り置いてあります」との事。
ありがたい!
吹雪の中、慌ててまた厚田へ向かう。
一体何をしに厚田まで出たんだ。まるで吹雪体験アトラクションしてきただけじゃないか。
とほほ、と思いながら車を走らせていると、
一気にぶわ~っとホワイトアウトした。
ぎゃー、何も見えない。路肩はどこだ。
ハザードを点けて超のろのろ運転をしながら、
「どうか前からも後ろからも車が来ませんように」と祈りながら進む。
時折何度かふっと視界が開けて、「あ、この辺りまで来てるんだ」と確認しつつ、
なんとか郵便局に辿り着いた。
「いや~、大変失礼しました。取り置いていただいてありがとうございます」と
用事を済ませ、ドキドキしながらまた発足に戻る。
帰り道は、吹雪いてはいてもホワイトアウトするほどではなく、助かった。

いやはや。厚田に出るだけで命の危険を感じるとは。
手強いぜ、冬の厚田。


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