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彷徨う犬 [移住地に馴染む足ががり]

ダーリンは裏の原野から運び出してきた細めの白樺を薪にすべく、
さらに物置に運びこんで電動ノコギリでカットする作業をしていた。
私は部屋でのんびりと、いちご収穫作業後の暑さを凌いでいた。

視界の端に白いものがゆっくり動いた。
見ると、真っ白い犬が集落の奥の方へ向かってトコトコ歩いていくではないか。
あれ?とサンルームから犬の行方を目で追うと、迷いもなく物置へ。

ええっ? 何?
慌てて物置の様子を見に行くと、ダーリンと一緒に物置から出てきた犬が、
今度は通りかかった駐在さんのパトカーに近寄っていく。
笑ったような顔した穏やかな犬、この子はもしかして・・・。

挨拶をしようとしたら駐在さん、「お宅の? 人懐っこい犬だね」
ダーリン、「いえ、もしかしてあのご近所の犬じゃないかと」
駐在さん、「知らせに行ってくるわ」
てなわけで、我が家の玄関先に誘導して水を飲ませようとしたが、
玄関から家に入ろうとする。
「いけない、いけない」とダーリンが優しく制する。
水じゃないのかなぁ、なんて話していると、トコトコまた集落の奥へ向かってしまった。

そこへ、件のご近所さんが車で登場。
「お隣の方に行っちゃいました~」と報告。
それからは300mほど先のお隣に向かった車を見守り、
戻ってきた車に併走して帰ってゆく、ゴキゲンな笑う犬を見送ったのであった。


「物置で作業してたら、背中越しにヘッ、ヘッ、ヘッて音がして。
ビクッとして振り向いたら、大きな犬だったんだけど、『オオカミっ!?』と思って
すごく怖かったよ~」とダーリン。
オオカミ、もう居ませんからっ。
でも、背中越しに動物の息遣いが聞こえるのって、怖かっただろうなぁ。

なんか、駐在さんの対応といい、ほっこりする出来事だった。
昨日といい、今日といい、彷徨っちゃってる続きだなぁ。


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