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都会に行って孤立する

久々に所用で札幌へ行く。
手首を骨折していた美容師さんが仕事を再開したとのことで、
ほぼ5カ月ぶりに髪をカットしてもらおう。
懇意にしている美容師さんは、もともと創成川イースト時代に近所の美容室で知り合った。
市民農園に夢中だ、と話したところ、「私もやってるんです!」と話が合い、
それ以来ずっとお世話になっている。
移住の夢、厚田に実際に移住することになったこと、その後のアタフタを
髪を切りながら聞いてもらい、背中を押して貰って、
髪も心もすっきりさっぱりさせてもらえる貴重な時間。

今回は、ご自身の手首のこともあり、同じ道を選んだお嬢さんがサポートに入っていた。
いつものように報告したいことを うわ~っと吐き出し、
カットが終わってシャンプーの段になると、お嬢さんが洗ってくれた。
いつものシャンプーとは少し違って、頭皮をじっくりマッサージしながら洗ってくれる。
「私の頃と違って、今はマッサージ多めの流れらしいです」とのこと。
これがまた。今までの気持ちよさとは別の、気持ちよさ。
どちらも極上の気分だが、それぞれ別の繊細さがあって、
ああ、これが個性というものなのか、と新たな発見に感動する。


すっかりシアワセな気分になって、美容室をあとにする。
どこかでダーリンが時間を潰して待ってくれているはずだ。
連絡しようとすると、電源は入っているのに、発信しない。
圏外、ですと? この都会の真ん中で?
意味がわからん。何度試しても発信できない。もうパニックである。
この携帯電話が発信しないと、どうやってダーリンと連絡をつければいいんだ?

美容室に戻ろうかとも思ったが、随分離れたところまで歩いてきたし、
次のお客さんと入れ替わりだったのでご迷惑をかけてしまう。
そうだ! 公衆電話を探そう!
待ち合わせ場所にしているスーパーの店員さんに、
公衆電話ボックスは近くにあるか聞いてみたが、「近所で見かけたことはない」という。
あ! 2~3丁離れたところに総合病院があったはず。病院なら必ず公衆電話がある!
さて、無事公衆電話を見つけて電話をかけようとしたら10円玉がない。
仕方なく、100円玉を投入して架けたが、留守電になっていた。
「電話がなぜか発信できないので公衆電話から架けてます、
いつもの待ち合わせのスーパーで待ってます」とメッセージを残して、
どうかどうか、ダーリンに伝わりますように、と祈りながら
急いでまた2~3丁離れたスーパーに戻った。

つい数か月前まで住んでいた街。
今はなんのよりどころもない街。
周りはこんなに便利で、何もかもが整っている街。
それなのに、携帯電話ひとつで孤立してしまうものなんだなぁ。


しばらくして、ダーリンがやってきた。
「SIMカードが外れてるんじゃないの?」と入れ直してくれたら、簡単に復旧した。
こんな簡単なことで、ひとりパニックになっていたのか。

この電話を最後に使ったのは4日前の美容室予約のショートメール。
「この日なら予約空いてます」と連絡をいただき、
その返信をしようとしたら、そういえば「圏外」と出て返信できなかったっけ。
時間をおいて何度か返信を試みては失敗したあと、
何かに気をとられて返信を忘れたままだったことを思い出した。
そういえば、美容室に「お久しぶりです~」と入って行った時、
びっくりされた表情だったので「? 私、何かおかしい恰好しているかな?」と
一瞬よぎったことも思い出した。・・・予約が成立していない飛び込みになってたんだね。
厚田に戻る車中からメールでお詫びした。
ああ、あいかわらず『迂闊さん』発動させている。

こういうことが起こるのも、
ひとつひとつ丁寧に暮らしていないからだ。
どこかに、「後で」とか「なぜかわかんないけど、まあいいか」と
荒く対処した結果がこれなんだ、と思い知る。
失敗する時って、必ず、「そういえばあの時」があるのだ。
『迂闊さん』な私だからこそ、
そこをやり過ごさない、丁寧で敏感な感覚が必要なのだと、改めて思うのだった。



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