SSブログ

はるばる雪遊びにやってくる

父が施設に入り、姉も名古屋で同居するようになってからは、
姪っ子は帰省する場所がなくなった。
姪孫たちが雪遊びをしたがっている、と聞いていたが、
冬期間に厚田に来てもらうのは、小さい子には遠すぎるし、気候も危険がいっぱいだから、
「暖かくなったらね」と断念してもらっていた。
骨折後の姉の様子も心配だったろう。満を持して4/3に来札するという。
融けかけのザクザク雪だけど、裏の原野や庭は思いっきり雪景色だもの、
歓迎するよ、遊びにおいで!

何か遊べるもの無いかなぁ、とホームセンターを覗きに あいの里へ行く。
品ぞろえは春物ばかり。あんなに並んでいた雪かき道具はすっかり姿を消した。
ウロウロしているうちに、ダーリンが「処分品になっていた」と
丁度いい子供用のソリを見つけてきた。でかした、ダーリン!
「庭でジンギスカンとか食べさせてあげたい」とダーリンの夢は膨らむ。
いやいや、いくら日中暖かくなったって、
まだ10℃いくかいかないかぐらいだよ、そりゃ無理だ。
でも諦めきれないダーリン、当別のジビエ専門店でシカ肉ソーセージを購入。
ソーセージなら手軽だ、と今度は同じく当別のスマイルポークでも購入。
ホットドックにしたら子供も食べやすいよね、と
丁度本日から営業を再開したノルトエッセンさんで、バターロールも購入。
ダーリンの「美味しいものをご馳走したい」パワーは全開だ。

姉に、骨折の予後と当日のスケジュール確認で連絡。
もう、松葉杖なしで歩くことの方が多く、近々松葉杖も返却予定とのこと。
すごい回復! がんばりやさんだなぁ。さすが。
「子供たちは厚田までの道中はお腹が持たないから、車内で食べていくと思う。
ご飯は用意しなくていいよ」という。
ダーリンはちょっと気落ちしていたが、炭と網の準備はしている。
隙あらば、ご馳走したいと思っているんだなぁ。ありがたいし、微笑ましい。


当日。快晴とはいかなかったが、移動には問題の無い天気。
ちょっと肌寒いが、雪遊びするには むしろ丁度いいかもしれない。
「これから札幌発つよ」の連絡に、ダーリンは火を熾しはじめた。やっぱ、やる気だ。
汲取トイレは小さい子にはハードルが高いので、
道の駅あいろーど厚田で軽食とトイレ休憩を済ませて、ご一行が到着した。
遠路はるばる、子供たちの長靴や防寒着を詰め込んだ大荷物でやってきてくれた。
ダーリンは早速、裏の原野にソリを持って案内した。

私はおうちで休憩する姉とちょっと話す。
本当に、パッと見は骨折したことを感じさせないほど動きがスムーズだ。
すごい、すごい! 骨折したとは思えないくらいだよ!
まだ雪道が残っている所もあるので気を付けてはいるが、
中心部は地下ばかり使っているので松葉杖を持たずに、全く普通に歩いているそうだ。
自分の骨折の時とは回復スピードがあまりに違うので、感心するばかりだ。
父の納骨は5月になってからだね、霊園は山の上だから
発足と雪解けは変わらないだろうしね、なんて打ち合わせもする。

その間も、外ではわぁわぁ楽しい声が響くので窓から覗いてみる。
あんな痛い雪で、雪合戦したり、
ザクザクなのに、一生懸命雪だるま作ったり。
子供たちだけでなく、パパもママもダーリンも、皆 満面の笑顔だ。
ああ、なんてシアワセな光景!
どれどれ、と私も参戦。
ソリをお腹の下に敷いて、腹這いで雪サーフィンの漕ぎ出し~。
結構な急斜面も果敢に滑り降りる大姪にハラハラするやら、感心するやら。
お姉ちゃんの真似をしてみるが、ちょっとビビったり雪の冷たさに泣き出したりの大甥。
雪原にも、裏の山にも、笑い声が響いて、
気のせいかな、この土地も目を細めて見守ってくれているように感じる。
すっかりビショビショになった子供たち。おうちに入っておやつにしよう。
気付けば、いつの間にかダーリンはせっせと炭火でソーセージを焼いていた。
姉のお持たせの、都会の香りのするバウムクーヘン、
炭火焼ソーセージやホットドックを食べながら、ワイワイ過ごす。
大甥は今、扉の開け閉めがブームなんだそう。
しばらく1階のあらゆる戸を開け閉めしていたが飽き足らなくなり、
パパと一緒に2階の戸にも挑戦しに行く。
「2階、開け閉めしても大丈夫ですか」
「大丈夫だけど、あちこちに虫がいるからね~」
しばらく2階で開け閉めの音がしていたが、パパが大甥を抱えて走って下りてきた。
「カメムシ、つまんじゃいました~」
そうだよね、そうなるよね。動いているモノがいたら、つまんじゃうよね。
皆で「臭~い」とか大騒ぎしながら手を洗う。
あはははは。面白い。
小さな子が居る生活って、こんな感じでドタバタしつつ活気に満ち満ちているんだなぁ。
なんか、子供って、本当に、本当に、光だなぁ。


あっという間に時間は過ぎ、陽が暮れないうちに、とご一行は帰って行った。
いつもの、ダーリンと二人のまったりした時間に戻る。
「楽しかったねぇ」とダーリンが しみじみ言う。
裏の原野を窓から覗くと、さっきまで皆で遊んでいた雪原に、たくさんの足跡。
あ~、足跡まで、めんこい。
みんなの楽しかった時を残した、スタンプみたいだ。
帰ったばかりなのに、「また遊びに来ないかなぁ」と呟く、叔祖父・叔祖母なのだった。


nice!(0)  コメント(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。