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田んぼを焼く [厚田の風景]

お隣の若旦那とお仲間数人で、稲刈りが終わった田んぼを焼き始めた。
すべてに火を放つのではなく、田んぼの数か所に条間をまたぐように一列ずつ
バーナーで点火していく。
火は畝をゆっくり縦に移動していき、
火が消えた後の切り株は美しい真っ黒な姿に変わる。
枯れ色の切り株が、ちろちろと鮮やかな炎に包まれた後、真っ黒になる様子が
あまりにキレイで、これもまた見飽きることなく延々と観察してしまう。

全部の面に火が放たれて、皆が帰った後も、ゆっくりゆっくり、炎が移っていく。
おうちの中にも、ちょっと香ばしい煙の匂いが漂う。
何かの折に手を止めては、何度も何度も田んぼの様子を見る。
陽が落ちるのが早いので、もう辺りは薄暗くなってきたが、
ゆっくり、ちろちろと、田んぼのあちこちで炎がより美しくゆらめく。
燎原の炎、という言葉が頭に浮かぶが、
こんな穏やかな風景の表現ではないのかもしれない。
ああ、それにしても、キレイだなぁ。


暗くなっても田んぼのあちこちに火が残って、
真っ暗なはずの発足の夜に、ぼんぼりを灯しているかのようだ。
19時くらいに最後のぼんぼりは消えた。
私の中の、小さな祭りが終わったような気がした。


<訂正追記>
【雪虫、舞う】の中でお隣の若奥ちゃまがいらした話があったが、
ご挨拶にみえた内容は、「稲刈りがうるさいでしょ」ではなく
「家の中、煙たいでしょ」だったことを、綴りながら思い出した。
雪虫と若奥ちゃまの登場は、このわら焼きの日だったと訂正します。
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