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ハーブの種を播く [家庭菜園]

手元の種はすべて古い種ばかり。
去年は移住のドタバタで家庭菜園ができなかったので、残り種がいっぱい。
一昨年の種の余り、一昨年に購入した種、一昨年に申し訳程度に種採りをした種。
実はもっと古い種も、色々ストックがあるのだ。
ちゃんと発芽するんだろうか。
苗をつくっても下ろす先がまだ全然目途がつかないので、
プランターで展開するハーブで小手調べだ。

バジルと大葉、イタリアンパセリ、ルッコラ、パセリの種を
それぞれ水に濡らしたキッチンペーパーに包んで、一日ポケットに入れて過ごす。
殻が柔らかくなって、体温で根が出てきたら、鉢やプランターに下ろしてやろう。


一日経って、バジルと大葉の根が出てきた。
喜んで鉢に下ろして、薄く土をかぶせる。
2~3日、じりじりと待っていたら、大葉がパラパラと双葉を出し始めた。
バジルも、数は少ないものの、双葉が出てきた。
ルッコラ、イタリアンパセリ、パセリはちっとも音沙汰がないが、
プランターにバラ播きよろしく一列に下ろしておいた。

しっかり土に水を含ませて、あとは表面が乾燥しない程度に不織布をかけてから
サンルームで柔らかい光を浴びてもらおう。
日中は ぽかぽか暖かいサンルーム。朝はまだ霜が降りるから、
陽が暮れたら夜通し暖房が入っている居間に入れておけばいいんじゃないかな。


寒かったのか、陽が強かったのか、はたまた水をやりすぎたのか。
大葉の小さな小さな双葉が、全部なくなっちゃった。
萎れたなら痕跡がある筈だが、いなくなっちゃった。原因がわからない。
でもサンルームに動物の侵入はないので、管理が悪かったんだろう。
再生した土を使ったのがいけなかったのかなぁ・・・。
最初だけは種まき培土を使うべきだったかも。シュン。
唯一残っているのは、バジルの2本だけ。
なんとしても死守せねば。
そして、これから播いていく種も、ちゃんとした環境で発芽できるよう、
次に札幌か当別に行く時は種まき培土を購入してこよう。

なんか、「芽が出てポットに移して大きく育てている間に、
雪も融けるし、それからでもなんとか圃場を作ろう」
なぁんて計画性のないことをやっているから、種に見透かされちゃったかしら。
雪が融けた後はどうすりゃいいのか、と私は実はとても不安に思っているのだ。
移住してきた当時の原野の風景を思い出す。
平地には萱だかススキだか、自分の背丈を超えるでっかい藪。
それを取り巻くように3mにも迫ろうかというオオイタドリ。
更には側溝も、沢も、森の中も覆い尽くす夥しい笹薮。
宿根草たちは、皆でスクラムを組んでガッチリ地下を太い根で張り巡らせている。
鍬と鎌だけでどこまで開墾できるんだろう・・・。
畝なんかひとりの人力で、できるんだろうか。
去年地域に借りた小さな圃場を、今年もまた使わせてもらったほうがいいのかしら。
自信がないことには自信がない現象が、
不安なことには不安な現象が、
まるで反映するように起きていく。
これはきっと、私のココロを映して種たちが尻込みしているんだ、と思えてきた。
でも、雪が融けてみなきゃ、実際のトコロ、わかんないんだよなぁ。
一番やりたい筈の家庭菜園が、一番不安な今日この頃・・・。


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都会に行って孤立する

久々に所用で札幌へ行く。
手首を骨折していた美容師さんが仕事を再開したとのことで、
ほぼ5カ月ぶりに髪をカットしてもらおう。
懇意にしている美容師さんは、もともと創成川イースト時代に近所の美容室で知り合った。
市民農園に夢中だ、と話したところ、「私もやってるんです!」と話が合い、
それ以来ずっとお世話になっている。
移住の夢、厚田に実際に移住することになったこと、その後のアタフタを
髪を切りながら聞いてもらい、背中を押して貰って、
髪も心もすっきりさっぱりさせてもらえる貴重な時間。

今回は、ご自身の手首のこともあり、同じ道を選んだお嬢さんがサポートに入っていた。
いつものように報告したいことを うわ~っと吐き出し、
カットが終わってシャンプーの段になると、お嬢さんが洗ってくれた。
いつものシャンプーとは少し違って、頭皮をじっくりマッサージしながら洗ってくれる。
「私の頃と違って、今はマッサージ多めの流れらしいです」とのこと。
これがまた。今までの気持ちよさとは別の、気持ちよさ。
どちらも極上の気分だが、それぞれ別の繊細さがあって、
ああ、これが個性というものなのか、と新たな発見に感動する。


すっかりシアワセな気分になって、美容室をあとにする。
どこかでダーリンが時間を潰して待ってくれているはずだ。
連絡しようとすると、電源は入っているのに、発信しない。
圏外、ですと? この都会の真ん中で?
意味がわからん。何度試しても発信できない。もうパニックである。
この携帯電話が発信しないと、どうやってダーリンと連絡をつければいいんだ?

美容室に戻ろうかとも思ったが、随分離れたところまで歩いてきたし、
次のお客さんと入れ替わりだったのでご迷惑をかけてしまう。
そうだ! 公衆電話を探そう!
待ち合わせ場所にしているスーパーの店員さんに、
公衆電話ボックスは近くにあるか聞いてみたが、「近所で見かけたことはない」という。
あ! 2~3丁離れたところに総合病院があったはず。病院なら必ず公衆電話がある!
さて、無事公衆電話を見つけて電話をかけようとしたら10円玉がない。
仕方なく、100円玉を投入して架けたが、留守電になっていた。
「電話がなぜか発信できないので公衆電話から架けてます、
いつもの待ち合わせのスーパーで待ってます」とメッセージを残して、
どうかどうか、ダーリンに伝わりますように、と祈りながら
急いでまた2~3丁離れたスーパーに戻った。

つい数か月前まで住んでいた街。
今はなんのよりどころもない街。
周りはこんなに便利で、何もかもが整っている街。
それなのに、携帯電話ひとつで孤立してしまうものなんだなぁ。


しばらくして、ダーリンがやってきた。
「SIMカードが外れてるんじゃないの?」と入れ直してくれたら、簡単に復旧した。
こんな簡単なことで、ひとりパニックになっていたのか。

この電話を最後に使ったのは4日前の美容室予約のショートメール。
「この日なら予約空いてます」と連絡をいただき、
その返信をしようとしたら、そういえば「圏外」と出て返信できなかったっけ。
時間をおいて何度か返信を試みては失敗したあと、
何かに気をとられて返信を忘れたままだったことを思い出した。
そういえば、美容室に「お久しぶりです~」と入って行った時、
びっくりされた表情だったので「? 私、何かおかしい恰好しているかな?」と
一瞬よぎったことも思い出した。・・・予約が成立していない飛び込みになってたんだね。
厚田に戻る車中からメールでお詫びした。
ああ、あいかわらず『迂闊さん』発動させている。

こういうことが起こるのも、
ひとつひとつ丁寧に暮らしていないからだ。
どこかに、「後で」とか「なぜかわかんないけど、まあいいか」と
荒く対処した結果がこれなんだ、と思い知る。
失敗する時って、必ず、「そういえばあの時」があるのだ。
『迂闊さん』な私だからこそ、
そこをやり過ごさない、丁寧で敏感な感覚が必要なのだと、改めて思うのだった。



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冷凍庫がやってきた冬の終わり [厚田民としての生活]

冷凍ストック用に、ダーリンが冷凍庫を買ってくれた。
ひとりの時に届いたらどうしようか、と思っていたが、
ダーリン在宅中に届いてくれてありがたい。
床に不安のあるキッチンには現状置けないので、とりあえずはキッチン横の部屋に設置。
作り貯めた身欠きニシン、酢〆ニシン、カズノコの塩漬け、ホッケの開き等々を、
簡易真空パックにしてから冷凍庫に収めた。
これからは肥料袋いっぱいのお土産も、下処理さえすれば冷凍庫におまかせできる。
加工して、冷凍してからなら、お裾分けも慌ててしなくたっていいしね。
次の冬は、雪に閉ざされても冷凍品があるから大丈夫、って安心感があるのは大きいなぁ。

気が付けば、3月下旬になってから雪らしい雪が降らなくなった。
むしろ、この時期の発足は晴れの日が多いんだね。
雪景色がいまだ広がっているし、雪崩しに夢中になっていたので冬気分だったが、
もう冬ではなくなっていたんだ、と気付いてびっくりした。


おうちの前の田んぼは1週間ほど前に融雪剤を撒いていて、明らかに撒いた所が低くなっている。
まだ雪に埋もれていて、下はどんな土地かもわからないまま、
「この辺を開墾して畑候補地にしようかな」と思う場所に、
私も、もみ殻燻炭を撒いて少しでも雪解けを促そう。

もう ちゃんとした雪は降らないんだろうな。
移住前は、「雪室を作ってみたい」「イグルーを作ってみたい」とか
「かまくらみたいのを小さくくり抜いて中で燻製を作ってみたい」とか
色々な雪遊びを考えていたけど、いざ冬が始まっちゃうと それどころじゃなかったな。
今年は慣らし運転。何かといえばアタフタしてたのも楽しかったけど、
この経験を生かして次の冬はもっと違う楽しみ方をしようねぇ。

翌朝は雨が降った。
雪ではなく霧で真っ白だった。
発足はもう早春だった。


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春の厚田メシ・イワシ編 [滋味ごはん]

肥料袋いっぱいのお土産イワシ,、第二弾。
今日はBERAが作るぞ~!
どうせ3枚おろしも開きもヘタクソだから、手開きするっ!
・・・と始めたが、手開きもヘタクソッ!
でもいいのだ。ヘタクソなのは全部つみれにするんだもん。
少しマトモなものは蒲焼に。
はらわただけ出した1尾モノは梅煮に。
もちろん、だし昆布も厚田産だよん。

でも、まだまだあるんだなぁ。
ニシンのお手伝いから帰宅したダーリンと、蒲焼で昼ごはん。
残りはダーリンに使って貰おう。
というわけで、夜は梅と大葉を巻き込んでフライを作ってくれた。
汁物も、メインも、副菜も全部イワシ。全部厚田メシ。
なんだったら、ごはんだって厚田のお米。
ありがたいなぁ。おいしいなぁ。
生産者さんの顔を思い出しながら、しっかり味わって、
地元の恵みをいただけるシアワセを満期したよ~ん。

さてさて。イワシが終わったら、どんな厚田メシになるんだろうか。
楽しみ、楽しみ~。


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初めて敷地全体を探索 [厚田の風景]

雪が締まってきたので、足を踏み入れていなかった敷地探索をすることにした。
おうちと物置は「宅地」だが、裏の原野・山裾の原野・奥の台地状の原野と、
「原野」で登記してある敷地面積はかなり広い。
去年の4月、5月に下見に来た時は、荒涼とした枯れ野に
切られて放置された丸太、無数の枝、ひたすら覆う笹とイタドリの藪が広がっていた。
解け残った雪の下は水がどこにも流れずにズブズブした谷地系の土地。
裾野原野は水の流れる音がするが、深い藪に阻まれて
全く入って行くことができなかった。
雪が藪を押さえつけている今なら、雪の上を歩けるので全容をつかむチャンス。


二人で熊鈴を響かせながら、裏原野を歩く。
夏の間に見つけた原野内の側溝が、今ならどこまで続いているのかがわかる。
裾野と原野の境の崖も、積雪のおかげで簡単に登ることができた。
敷地をとりまく用水路の道に出ると、
スノーモービルの走行跡が残っていて、その上を歩くと埋まりにくい。
一歩も踏み入ることができなかった、山裾の原野の全貌がこの道からは良く見える。
裾野の中心に大きなエゾマツ?の木があるが、
この木を囲むように 二筋の沢があることがわかった。
今はまだ1m超えの積雪があるので渡ることができるが、
水量も多くない小さい沢の割には、谷が深く削れている。
夏は橋を架けないと渡れないだろうな。


もう1本の沢を越えて、台地になった原野に渡ると、
藪に隠れていた台地の様子があらわになっていた。
奥には中途半端な高さで伐採されている林がある。
ダーリンが山のプロさんに「間伐は雪解け前の春にする」と聞いていた。
なるほど、今のような時期に切ると、雪の分だけ嵩上げされるので
中途半端な高さで伐採されることになるのか。
この太さの木なら高さもあっただろう。伐採される前は結構な林だったかもしれない。
木の周りは丸く雪が融けており、覗いて見ると地面までは1mくらいの深さがある。
畑にするため開墾するには、まずは雪が融けてくれなきゃねぇ。

所々でズボッと足が埋まりながらも、たのしい探索タイムだった。
今年の春は早めに草刈りに励まないと、またジャングルみたいになるなぁ。
人が入れる道を作って、小枝や落ち葉を堆肥化させる場所も作りたい。
刈った笹や萱を有効利用する方法も実践したい。
こうして全容が把握できて見ると、
原野の中に森・藪・湿地・沢と多様で豊かな世界が広がっていた。
移住前は「おうちの傍に森や川があったらいいなぁ」と夢想していたが、
自分の望み以上の、想像を超える世界に来ちゃったんだなぁ。



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ゆきつ戻りつ春は近づく [厚田の風景]

タヌキ箱罠騒動の3/4に20cmほどの雪が降ってからは、
ちらちら程度しか降っていない。
さらっと積もっても、すぐ融けるようになった。
そういえば、日付をメモし忘れたが、2月下旬に、一度雨が降ったこともあった。
気付けば、私の背丈を超えていた雪の壁が、肩口まで嵩が減っている。
例年3/10前後で雪は打ち止めになるらしいので、もう大雪はないのでは、と淡い期待。

今の私の日課は、駐車場をまだ三分の一も占拠している雪の壁を少しずつ崩すことだ。
もうブロックに切り取って日なたに移動する方法はしない。
雪がシャーベット状のザクザクで、ブロックに切り取れる部分が減ってきたのだ。
駐車場のアスファルト面が徐々に広がってきたので、
塩田よろしく、スコップを振り回して
崩した雪を広く薄くアスファルト面に撒き散らすのだ。
ここだ、と思った所にキレイに撒けると、内心、鼻高々だ。
よし、次はここだ! う~ん、うまい!
次はこっちだ! ナイスコントロール!
と、ひとりで自画自賛しながら駐車場を雪で覆いつくして、本日の雪崩しは終了だ。
うんうん、だいぶん駐車場が広くなってきたぞ。
残すところ、サンルームのガラス戸1枚分の幅だ。あと二日くらいで目標達成か。
ダーリンは「春が来たら勝手に融けるって」というけど、
なんかこう、春待ちの焦れた気持ちを、ぶつけたいんだよぉ。

夕方、大きな ぼたん雪がふわふわ降り出した。
ぼたん雪って冬の初めと終わりの、気温が高めの時に降るよなぁ。
ほぼ風の無い中、大きなぼたん雪が、その名の通り
花びらのようにひらひら、ふわふわと舞い降りてくるのは本当にキレイだなぁ。
着地すると、すぅ~っと消えてなくなってしまう儚さも、またオツなモンだ。
こうして、降っては消えてを繰り返して、ゆきつ戻りつしながら
グラデーションのように冬から春へ色が変わってゆくのだろう。
着実に、季節は春へと向かっている。


毎日少しずつ雪崩しをして、目標を達成した3/18。
翌朝、起きると一面の雪景色だった。
もう雪かきするほどの積雪ではない。きっとこのままでもすぐ融けてしまうのだろう。
融けて煤けて もう真っ白ではなくなってきた風景を、優しく浄めてくれているみたい。
春は待ち遠しいが、この雪景色が無くなってしまうのも名残り惜しい。


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それはまるで鰹のように [厚田の野生生物]

夏と違って冬の間は、虫の悩みは少なくなる。
でも、いない訳じゃない。
何せカメムシは家のあらゆる隙間を使って越冬しているのだ。
甲虫なので、飛ぶ時の羽音は けっこう盛大に「ブゥーン!」と大きい。
吉田戦車の『伝染るんです』のキャラクター、『カブトムシの斎藤さん』を想起させる。
泣きながら、うわぁ~! ブゥーン!と飛ぶ、あのキャラみたいだ。
掃除していると、羽の一部や甲殻の一部が落ちていて、
「なんか、自分のカラダを削りながら満身創痍で飛んでるのか?」とちょっと切なくなる。
この時期に出てくるカメムシは元気がない。
動きも緩慢で、あまり長時間飛ばずに、明るくて暖かいところに じっと とまっている。
そして体力の限界、みたいにポトッと落ちてくる。
明るくて暖かいところ・・・暖気が溜まって照明がある天井付近。
とりもなおさず調理しているキッチンや、灯りの下の食卓だ。


移住して間もない頃、虫の多さをボヤくと地元の方々は皆、言っていた。
「そのうち慣れますから」と。
移住の大先輩、厚田くんせいのお母さんも、
「虫が出た~!と大騒ぎしてたらこの土地じゃ生きていけないよ。
我も生きてる、奴も生きてる、だよ」と
その後の自分を落ち着かせる言葉をくださった。
でも、でも! 食卓は嫌だ~! 食べる物の傍には居てほしくないのよ~!
食卓近くに落ちるカメムシに目くじらを立てながら大騒ぎしていると、
ダーリンが可愛い声色でカメムシの代弁をする。
「でも、僕たち、冬のあいだ ずっと一緒に棲んでいたんだよ?」
違う、違~う! 居たのは知ってるけど、同居してるつもりは無いっ!

そんなある日。
ごちそうさまをして食器を片づけようとしたら、柚子大根の漬物が一口残っていた。
お行儀悪く、立ったまま残りをパクッと口に含むと、
もわ~んと異様な匂いが。
恐る恐る吐き出すと、漬物の中にカメムシが紛れ込んでいた。
ぎゃ~!! カメムシ、食べちゃった! 知らない間に落ちてたんだ!
口をゆすいでも、いつまでも仄かに残るカメムシ臭。
ごちそうさまの後のシアワセの余韻が・・・テンション ガタ落ちだ。
ダーリンがまた、可愛い声色で「僕、パクチーみたいな香りでしょ」と代弁。
私はパクチーも苦手なんだいっ! プイッ!


カメムシは自分一匹がギリギリ入れそうな、サッシの空間とか床の隙間が好き。
窓の桟や柱の角などヘリを歩くのが好き。
冬になる前に越冬目的で大量におうちに入り込んで来たカメムシたちは、
きっとそんな条件に合ったところで、行列になってじっとしている。
最初にもぐり込んだ子は後ろがつかえて出られないから、
きっと最後尾の子から順に、明るく暖かい所に飛び出してくるんじゃないかと思っている。
啓蟄を越えた頃から徐々に出没頻度が高くなっている気がする。
暦の一か月遅れの気候、と言われている北海道でも、虫に関しては暦通りなのかしら。
ダーリンったら、「初鰹と戻り鰹みたいなものかねぇ」ですと。
大量に入り込んで来て、二人で病んだように「カメムシぽっとん」で捕殺し続けた晩秋。
あれは、初ガメだったのでしょうか・・・。
そして今、戻りガメの季節がやってくるのでしょうか・・・。と遠い眼になる。

窓下の雪が日々縮んでいくのを見ていた時に気付く。
雪の中に転々と、黒いモノが落ちている。カメムシだ。
ああ、そうか。おうち周りに潜んで越冬したカメムシが、
明るい外に飛び出し始めているんだ。
そうだよね。本当はおうちの中じゃなく、外に出たいんだよね。

我も生きてる、奴も生きてる。
頑張れ、カメムシ。君たちが森で伸び伸び生きる季節はもうそこまで来ている。
いや、でも、食卓やキッチンで会うのは御免だけどねっ!


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イワシ三昧 [保存食]

今日の肥料袋いっぱいのお土産は、マイワシだった。
やっほ~! イワシ、大好物!
発足の皆さんはニシンのお裾分けが多いらしく、大体が被ってしまうのだが、
イワシはそんなに頻度は高くないと思われる。
この機会に、ご近所めぐりだ~!
「被ってます?」と聞くと、皆さん、「いやいや、イワシはなかなか貰わないね」と
良い反応で受け取っていただけた。喜んでいただけて、満足、満足。
特に、大家族の飛ぶ鳥農場さんは たくさん引き取っていただける上、
元気なワイルドボーイズたちが魚を捌きたがるらしく、子供たちの喜ぶ姿が嬉しい。

おうちでも、まだまだ たくさんのイワシがシンクで唸っている。
ダーリンは小さめのものはアンチョビに、
中くらいのものはオイルサーディンに、
大きめのものは丸干しにと、大車輪で保存食を作っていく。
オイルサーディンを自家製で、なんて考えたこともなかったなぁ。
一家に一人、料理人が居ると大変便利です。おすすめです。(笑)


数年前、石狩浜に大量にイワシが打ち上げられたことがあって、
小さいカタクチイワシだったが、わざわざ拾いに行ったことがあった。
煮干しを作って、アンチョビも漬けた。
少量だったせいもあるのか、アンチョビは うまくできたと思う。
ちょっぴり魚醤もとれて、なかなか楽しかった。
石狩浜のカタクチイワシは、細かい砂をたくさん噛んでいるので、
煮干しはなんかジャリジャリ感があってイマイチだった。
煮干粉にしてみたものの、やっぱりなんか砂が混じっているような感じがして、
だしパックに入れて使いきったが、その後は挑戦していない。
味をしめたアンチョビは、翌年、スーパーで購入したマイワシで再挑戦した。
カタクチイワシのようには うまく塩がまわらなかったのか、
漬けあがり当初は良かったのだが日持ちせず、
最後は発酵と腐敗の境目のような臭いになってしまった。
さて、今回のマイワシのアンチョビはどうなるのかしら。
漬けあがりが、楽しみ、楽しみ。

今晩はイワシ三昧の晩御飯を作ってくれると言う。
刺身と、タタキと、天ぷらだそうよ。
うふふふふ。まずは獲れたてを楽しみますか~!


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雪洗い [厚田民としての生活]

ダーリンがニシンの網外しのお手伝いに、早朝から出かけていく。
早い時は昼ごろ、大漁の時は夕方遅くなってから、コタコタになって帰ってくる。
長靴にはニシンの大きなウロコを大量に付けて、
ジャンパーにはウロコやカズノコ・潮の固まりのようなものをいっぱい付けて、
海の香りをさせながら帰宅するのだ。

このまま洗濯機にかけるわけにはいかないので、
ふんだんにある雪を使って、外で下洗いをすることを思いついた。
雪の上で ややこすり付けるようにガシガシと滑らせると、
ジャンパーに付いた固形物は大体こそげ落とすことができる。
長靴に貼りついたウロコは、ちょっと握って固くした雪でゴシゴシすると、
氷の粒がクレンザーの役割を果たして、あらかたのウロコが落ちてくれる。
秘儀、雪洗いの術~。
あとは、おうちの中で特に汚れた部分を下洗いしてから洗濯機におまかせするのだ。


私は魚が得意ではないので、もっぱら魚調理はダーリンの担当だ。
肥料袋いっぱいのお土産を、疲れたカラダにムチ打って、大量に捌いてくれる。
冷蔵庫に入りきらない量の白子・カズノコ・開き・半身・・・。
塩蔵したもの、たて塩に漬けたものは寒い玄関に、
干物用のものは段ボールで作った窓付きの箱に吊るして、扇風機乾燥させる。
なんか、山あいのおうちなのに、玄関も居間も、番屋の匂いが充満している。(笑)
屋外にも物置にも干せないんだから、仕方ないよね。
ニシン漁、長く続くと大変そうだなぁ。ダーリン、筋肉痛でバキバキだしなぁ。
それに、雪が融けちゃったら雪洗いはできないなぁ、と思ったが、
いやいや、その頃にはニシン漁は終わって、ダーリンは飲食店のお仕事が始まっているのか。
うまい具合に季節は巡っていくんだなぁ。

まだ起こっていない先の事を想定するのは 必要なことだと思うけれど、
起こるかどうかわからないことを不安に思って心配するのは、不要な気がする。
今 この目の前で出会う ひとつひとつの事を、
毎度毎度 新鮮に出会って、丁寧に楽しんでいけばいいんじゃないかと思う。

大好きなブルーハーツの「情熱の薔薇」という曲に、
『なるべく小さな幸せと なるべく小さな不幸せ なるべくいっぱい集めよう』
ってフレーズがあるんだけど、心から、そう思うよ。
大事件も、強い刺激も、欲していない。
微細な変化、ちいさな感情の動きを、じっと見つめて味わっていく。
そういう暮らしでありたい、と思うよ。
ふふふ。この雪洗いをしたことで、
いずれ雪が融けて、庭にうっすらと海のミネラルが浸透してくれたらいいなぁ。


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物置に棲みついた動物 [厚田の野生生物]

このブログは基本的に時系列で記事をUPしているが、
3/2に『色々蠢いている』という現在進行形の記事を挟みこんだことがある。
厚田の野生生物:64歳 空気・呑気な移住日記: (ss-blog.jp)
今回は、その始まりと後日譚だ。


ダーリンが浜にお手伝いに行ってから、時々たくさん魚を貰って帰ってきた。
それを干物にすべく、車庫兼物置に吊るしていた。
干物が少しずつ減りだし、物置周りにキツネと思われる足跡があったので、
ずっとキツネだと思っていた。
ホッケやハタハタの干物がすべて無くなり、
ニシンのお手伝いが始まってからは「今度は身欠きニシンを作る」、と
干す場所を工夫して再度張り切って挑戦し始めた頃だった。
物置に入ると、姿は見えないが唸り声で威嚇された、と言うようになった。
作業の時にずっとシャッターを開けていた日もあったため、
「もしかしてその時に入って閉じ込められたのか?」と思い、
二人でシャッターを小さく開けて、周囲の壁を叩いて追い出し作戦をしたりもした。
が、依然物置では唸り声やガサガサ動く気配がしていた。
その後もステーションワゴン君のボンネットにフンをされたり、
ニシンもすべて消えたりして、出入りというより棲みついてしまったようだ。
もう、どこに干しても ただの餌場になるだけと知り、物置での干物は諦めた。

「どうしよう? 冬越しして繁殖でもされたら?」と嫌な想像が膨らむ。
ダーリンは「私、ここで産む!」って決めてるような気がする、と言う。
何が棲みついているのかわからないまま膠着状態は続いた。
2/19、ボンネットに付いた足跡から、アライグマと判断した。
アライグマは木登りも得意なので、どこに干そうが同じ事だったんだ、と納得。
煙が嫌いらしいので、屋外用の虫除け線香を焚きしめてみたが、効果なし。
まぁ、物置にはおそらくキツネが穴を掘って入れるような入口も作っていただろうし、
屋根の隙間や歪んで三角に隙間が開いている窓からだって入れるかもしれないしね。
煙も だだ漏れで充満しなかったと思われる。
それからも、ほぼ決まった所にフンをする、という「毎日のお便り」が続いた。

2/24に顔役さんの奥様が通りかかり、相談したところ、
午後にはすぐ箱罠と、「これ付けとくといいわよ」と魚肉ソーセージを持っていらした。
エサの付け方を教えてもらい、奥様と二人で恐る恐る物置のシャッターを開けると、
薪づくりのためにゴタゴタと積んである丸太の向こうに隠れる、
縞々尻尾のお尻を目撃!
間違いない! 棲んでいるのはアライグマだ!
アライグマは なかなか獰猛だと聞いていたので、
二人で「怖い、怖い」と言いながら、手近な場所に箱罠を置いたのだった。

翌日。そっと物置を覗くと、魚肉ソーセージは無くなっていたが、
箱罠のふたは開いたまま。
??? エサだけ取られる、ってこともあるのか?
顔役さんの奥様は「すぐにはかからないかもしれないから暫くそのままで」、
山のプロさんは「ニシンの頭でも下げとけばすぐ捕まるべよ」との助言から、
もらってきたニシンを箱罠に入れ、様子を見ることにした。

そこから一週間。
「毎日のお便り」は、ぷっつりと途絶えた。
居なくなったのかどうかはわからない。唸り声は、私はまだ聞いたことがない。
ニシンはこの気温の中、カチカチの冷凍状態で箱罠に入ったままだった。

3/2。今日も恐る恐る物置を覗く。
ぎょえ~~~。箱罠のフタが閉まっている。
壁側に向かって置いてあるので、暗くて中は良く見えないが、
そっと覗くと、箱罠の中の小さな眼も、こちらを覗いていた。
ああ~。かかっちゃたんだ。どうしよう。
かかったからには、生殺与奪は私たちの手に委ねられてしまったのだ。
しかも今日は土曜日。役所に相談しようにも、今日・明日は動けない。
帰宅したダーリンに報告した。
夏の終わり、『夜の峠で自転車ツーリングのおじいちゃんを拾った事件』の時に見た、
獲物を咥えて道道を渡っていたアライグマの姿を思い出す。
ヘッドライトに照らされて、一瞬威嚇ポーズを取ってから走り去った、獰猛そうな姿。
はっきりと見えた、縞々尻尾。
アライグマは外来生物なので、私達素人が勝手に逃がしても死なせてもいけない。
野生生物の命、という重い現実に、二人して どんよりしたのだった。
もう二度と、こんなことにならないように、
お互いの生活圏で棲み分けできるようにしなきゃね。
念のため、顔役さんちに「かかっちゃいました」と アドバイスを求めに行った。
月曜に引き取りに来てくれるよう、その部署と繋がっているご家族から
担当部署に連絡しておいてくれるそうだ。

翌 日曜日も、物置の箱罠のことが気になって仕方がなかった。
「寒いかなぁ。何かに潜ってるのと違って、箱罠だと外気に晒されてるよね」
「相手は野生生物ですからっ。元々この寒い中で暮らしてるのっ」と諭される。
とかいいつつ、ダーリンは、残っていた魚肉ソーセージの欠片を持って物置に行った。
「最後の晩餐に、ソーセージ、やってきた」ですと。

3/4、月曜の朝。発足にしては強めの風の、吹雪だった。
物置前に箱罠を出しておけば、立ち会わなくても引き取っていってくれるとのこと。
物置の隅に設置した箱罠を持ち上げて外に出す。
4~5kg位なのだろうか。箱罠だけの時より少し重いだけだが、
そっと持ち上げていても揺れるのか、中でキョロキョロしている位の重心の変化を感じて、
静かに移動するのが大変だった。
吹雪の中、引き取りが来るまではさぞ寒かろう。
いやいや、その後に待っているのは寒さどころの騒ぎじゃないか。
駆除、だよね・・・。
明るい所で初めて中の動物をまじまじと見る。

ん? これ、アライグマ?
尻尾を巻いているのか、縞々尻尾は確認できない。
顔も、額の真ん中に黒い筋が入っているはずだし、耳の縁は白いはずだが?
獰猛さも感じない。覗き込むといちおう威嚇してくるが、
小さい「ウウ~」という声で迫力がないし、下から覗く眼が、いかにも気が小さそう。

「君、タヌキじゃないの?」

いや、でも私は確かに見た。物置で、縞々の尻尾を。
ボンネットにペタペタ付けられた、赤ちゃんの手形のようなアライグマの足跡を。
自信がないので、判断は専門家にお願いしよう。

見慣れない車が通り過ぎ、ほどなくして帰って行った。
役所の担当者さんが来たのかと様子を見に行くと、空の箱罠だけが残っていた。
ドナドナされていったのね・・・。


翌日、顔役さんの奥様が、
「タヌキだったんだって。外来生物じゃないから逃がしてやったって」と
『タヌキとアライグマの見分け方』のプリントを持って、知らせに来てくれた。
やっぱり! 
なんてこった! 魅惑のタヌキを、捕えてしまったんだ!!
物置周りを確認すると、キツネとは違うと思われる足跡が残っていた。
ここから裏の裾野に逃がしてやったのかぁ。
何はともあれ、アライグマも、タヌキも、殺さずに済んでホッとした。


それにしても、そんなに取っ換え引っ換え野生動物が出入りしてんのか、
うちの物置・・・。



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