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小鳥たちの声で目覚める [厚田の風景]

峠道から昇る朝日を拝む。
陽が昇る前の、ピンクからオレンジ、薄青から濃い青へと移り変わる空の色が好きだ。
浮世絵でよく見るあの、空のグラデーション。
昔の人も、こうして空を見ていたんだなぁ。
雲ひとつない青空。今日も発足はキレイだ。

最近、聞こえてくる小鳥たちの囀りの種類が多くなり、
さまざまな飛び方をしながらウッドペッカーの木に集まってくる。
鳥たちは朝が早く、その賑やかな声で目が覚める。
ピーピーピー、チュッピチュチュピチュ、ヅーヅーヅー。
声を聞いても、種類がわからない。
家の中からは朝日の逆光で鳥の色がわからない。
でも、たくさんの種類がおうちの周りを飛び交っているのだけはわかる。
飛び立ち方や、羽音も全然違っていて、全部わかったら楽しそうだなぁ。


外に出てみる。
霜が降りているけど、チロチロと新芽が顔を出している。
若々しく、いたいけな黄緑色。
この可愛い芽が、いずれ夏のジャングルに変わっていくのだろうが、
今年は少し勢いを抑えてもらうため、マメに草刈りもしていこうかねぇ。

シジュウカラがウッドペッカーの木の下に降りてきた。
ネクタイ模様が可愛いなぁ。
こちらがちょっと動くと すぐ飛び立ってしまうので なかなか観察できないや。

田んぼもずいぶん雪解けが進んで、雪解け水が溜まった所が
水鏡になって向かいの山を映している。水鏡なんて、半年ぶりか。
厚田川の音が大きい。
おうちからは直接川面は見えないのだが、厚田市街地に出る時に見る厚田川は荒々しい。
山々の雪解け水で、たっぷたぷの水嵩、
流れも速く、土砂も運んで茶色く色付いた、大蛇のような厚田川。
国道に出る手前に大きな中洲がある筈だが、今は中洲はすっかり水没していた。
そんな厚田川が、轟々と大きな音をたてて流れている。
原野の沢の音も、驚くほど大きく、耳の後ろからステレオで聴こえてくる。
今、発足に溢れるのは春の音。


田んぼから振り返ると、
低い朝日に照らされてできた自分の影が、
巨人みたいに道路からおうちに届く。
見えるもの、聞こえる物に、いちいち はっとして。
うまく言葉にはできないけど、何か小さくて力強いものが、
身体の奥底でスパークするような、そんな朝だった。


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海から来たヘンゼルとグレーテル [厚田民としての生活]

4/4をもって今年のニシン漁は終了。
極寒の頃からお手伝いに行って、同じ姿勢で同じ動きを長時間していたために、
すっかりダーリンの腕や背中はバキバキに凝ってしまった。
それでも、季節の変わり目を告げるかのように、
雪の嵩が減るのと同じように漁獲高も減っていき、無事終了した、という訳だ。

雪洗いはいつまでできるかしら、なんて思っていたけど、
漁獲高が減ると、汚れも減っていくもんで、
軽い下洗いだけで済むようにもなっていた。

ただね、ニシンの鱗って、ぴったりとくっついちゃうと、忘れた頃にハラリ、と落ちる。
すると、ダーリンが歩いたところに、
ハラリ、ハラリ、とキラキラしたものが落ちているということが、頻繁にある。
その服を着て作業していた訳では無いのに、落ちている。
帰り道の目印にパンくずを落としていく童話みたいだねぇ。
おうちをウロウロしているのは、さしずめ、海から来たヘンゼルとグレーテル。


お疲れ様でした。
明日からはパンくず、落とさなくてもいいですよ~。
GWが始まる頃には、漁師食堂が営業を再開する。
料理人、いよいよ始動だね。


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はるばる雪遊びにやってくる

父が施設に入り、姉も名古屋で同居するようになってからは、
姪っ子は帰省する場所がなくなった。
姪孫たちが雪遊びをしたがっている、と聞いていたが、
冬期間に厚田に来てもらうのは、小さい子には遠すぎるし、気候も危険がいっぱいだから、
「暖かくなったらね」と断念してもらっていた。
骨折後の姉の様子も心配だったろう。満を持して4/3に来札するという。
融けかけのザクザク雪だけど、裏の原野や庭は思いっきり雪景色だもの、
歓迎するよ、遊びにおいで!

何か遊べるもの無いかなぁ、とホームセンターを覗きに あいの里へ行く。
品ぞろえは春物ばかり。あんなに並んでいた雪かき道具はすっかり姿を消した。
ウロウロしているうちに、ダーリンが「処分品になっていた」と
丁度いい子供用のソリを見つけてきた。でかした、ダーリン!
「庭でジンギスカンとか食べさせてあげたい」とダーリンの夢は膨らむ。
いやいや、いくら日中暖かくなったって、
まだ10℃いくかいかないかぐらいだよ、そりゃ無理だ。
でも諦めきれないダーリン、当別のジビエ専門店でシカ肉ソーセージを購入。
ソーセージなら手軽だ、と今度は同じく当別のスマイルポークでも購入。
ホットドックにしたら子供も食べやすいよね、と
丁度本日から営業を再開したノルトエッセンさんで、バターロールも購入。
ダーリンの「美味しいものをご馳走したい」パワーは全開だ。

姉に、骨折の予後と当日のスケジュール確認で連絡。
もう、松葉杖なしで歩くことの方が多く、近々松葉杖も返却予定とのこと。
すごい回復! がんばりやさんだなぁ。さすが。
「子供たちは厚田までの道中はお腹が持たないから、車内で食べていくと思う。
ご飯は用意しなくていいよ」という。
ダーリンはちょっと気落ちしていたが、炭と網の準備はしている。
隙あらば、ご馳走したいと思っているんだなぁ。ありがたいし、微笑ましい。


当日。快晴とはいかなかったが、移動には問題の無い天気。
ちょっと肌寒いが、雪遊びするには むしろ丁度いいかもしれない。
「これから札幌発つよ」の連絡に、ダーリンは火を熾しはじめた。やっぱ、やる気だ。
汲取トイレは小さい子にはハードルが高いので、
道の駅あいろーど厚田で軽食とトイレ休憩を済ませて、ご一行が到着した。
遠路はるばる、子供たちの長靴や防寒着を詰め込んだ大荷物でやってきてくれた。
ダーリンは早速、裏の原野にソリを持って案内した。

私はおうちで休憩する姉とちょっと話す。
本当に、パッと見は骨折したことを感じさせないほど動きがスムーズだ。
すごい、すごい! 骨折したとは思えないくらいだよ!
まだ雪道が残っている所もあるので気を付けてはいるが、
中心部は地下ばかり使っているので松葉杖を持たずに、全く普通に歩いているそうだ。
自分の骨折の時とは回復スピードがあまりに違うので、感心するばかりだ。
父の納骨は5月になってからだね、霊園は山の上だから
発足と雪解けは変わらないだろうしね、なんて打ち合わせもする。

その間も、外ではわぁわぁ楽しい声が響くので窓から覗いてみる。
あんな痛い雪で、雪合戦したり、
ザクザクなのに、一生懸命雪だるま作ったり。
子供たちだけでなく、パパもママもダーリンも、皆 満面の笑顔だ。
ああ、なんてシアワセな光景!
どれどれ、と私も参戦。
ソリをお腹の下に敷いて、腹這いで雪サーフィンの漕ぎ出し~。
結構な急斜面も果敢に滑り降りる大姪にハラハラするやら、感心するやら。
お姉ちゃんの真似をしてみるが、ちょっとビビったり雪の冷たさに泣き出したりの大甥。
雪原にも、裏の山にも、笑い声が響いて、
気のせいかな、この土地も目を細めて見守ってくれているように感じる。
すっかりビショビショになった子供たち。おうちに入っておやつにしよう。
気付けば、いつの間にかダーリンはせっせと炭火でソーセージを焼いていた。
姉のお持たせの、都会の香りのするバウムクーヘン、
炭火焼ソーセージやホットドックを食べながら、ワイワイ過ごす。
大甥は今、扉の開け閉めがブームなんだそう。
しばらく1階のあらゆる戸を開け閉めしていたが飽き足らなくなり、
パパと一緒に2階の戸にも挑戦しに行く。
「2階、開け閉めしても大丈夫ですか」
「大丈夫だけど、あちこちに虫がいるからね~」
しばらく2階で開け閉めの音がしていたが、パパが大甥を抱えて走って下りてきた。
「カメムシ、つまんじゃいました~」
そうだよね、そうなるよね。動いているモノがいたら、つまんじゃうよね。
皆で「臭~い」とか大騒ぎしながら手を洗う。
あはははは。面白い。
小さな子が居る生活って、こんな感じでドタバタしつつ活気に満ち満ちているんだなぁ。
なんか、子供って、本当に、本当に、光だなぁ。


あっという間に時間は過ぎ、陽が暮れないうちに、とご一行は帰って行った。
いつもの、ダーリンと二人のまったりした時間に戻る。
「楽しかったねぇ」とダーリンが しみじみ言う。
裏の原野を窓から覗くと、さっきまで皆で遊んでいた雪原に、たくさんの足跡。
あ~、足跡まで、めんこい。
みんなの楽しかった時を残した、スタンプみたいだ。
帰ったばかりなのに、「また遊びに来ないかなぁ」と呟く、叔祖父・叔祖母なのだった。


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春の厚田メシ・ナガツカ編 [滋味ごはん]

今日のお土産は肥料袋いっぱい、までは無かったが、レジ袋に何種類もの魚たち。
ホッケ、イワシ、カレイ、黒ゾイ、八角。
そして、初お目見え、ナガツカ。
ぴゅうっ、と細長い40cm位の魚。尾ビレが丸い。ギンポの仲間だそうだ。
「柄(つか)が長い、のナガツカ?」
「そうらしい。地元ではガンズ、っていうらしいよ」
へぇ~。初めて見たよ。

今晩はカレイ、黒ゾイ、八角、ナガツカのお刺身。
全部真っ白。何が何だかわからない。
どれも新鮮なので歯ごたえが良い。私は特にコリコリした歯ごたえの八角が好きだなぁ。
お初のナガツカは、なんというか、
白身らしいっていえば白身らしいが、歯ごたえ・旨味とも、
うんでもない すんでもないって感じの特徴の無さ。
繊維が細かくて、繊細といえば繊細だが、焼魚にしても・・・う~ん、どうなんだろう。
「すり身にするといいらしいよ」
わぁ、そうなんだ。地元の魚で練り物なんてできたら嬉しいねぇ。

で、翌日、ダーリンはナガツカでさつま揚げを作ってくれた。
ちょっと塩が入り過ぎて しょっぱかったけど、ナガツカのすり身は
淡白・なめらかで、おいしいっ!
残りは冷凍してくれたので、次回は作り方を聞いて
私もさつま揚げに挑戦してみよう。
練り物大好きな私。ナガツカ、お気に入りに追加しました~。


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ハーブの種を播く [家庭菜園]

手元の種はすべて古い種ばかり。
去年は移住のドタバタで家庭菜園ができなかったので、残り種がいっぱい。
一昨年の種の余り、一昨年に購入した種、一昨年に申し訳程度に種採りをした種。
実はもっと古い種も、色々ストックがあるのだ。
ちゃんと発芽するんだろうか。
苗をつくっても下ろす先がまだ全然目途がつかないので、
プランターで展開するハーブで小手調べだ。

バジルと大葉、イタリアンパセリ、ルッコラ、パセリの種を
それぞれ水に濡らしたキッチンペーパーに包んで、一日ポケットに入れて過ごす。
殻が柔らかくなって、体温で根が出てきたら、鉢やプランターに下ろしてやろう。


一日経って、バジルと大葉の根が出てきた。
喜んで鉢に下ろして、薄く土をかぶせる。
2~3日、じりじりと待っていたら、大葉がパラパラと双葉を出し始めた。
バジルも、数は少ないものの、双葉が出てきた。
ルッコラ、イタリアンパセリ、パセリはちっとも音沙汰がないが、
プランターにバラ播きよろしく一列に下ろしておいた。

しっかり土に水を含ませて、あとは表面が乾燥しない程度に不織布をかけてから
サンルームで柔らかい光を浴びてもらおう。
日中は ぽかぽか暖かいサンルーム。朝はまだ霜が降りるから、
陽が暮れたら夜通し暖房が入っている居間に入れておけばいいんじゃないかな。


寒かったのか、陽が強かったのか、はたまた水をやりすぎたのか。
大葉の小さな小さな双葉が、全部なくなっちゃった。
萎れたなら痕跡がある筈だが、いなくなっちゃった。原因がわからない。
でもサンルームに動物の侵入はないので、管理が悪かったんだろう。
再生した土を使ったのがいけなかったのかなぁ・・・。
最初だけは種まき培土を使うべきだったかも。シュン。
唯一残っているのは、バジルの2本だけ。
なんとしても死守せねば。
そして、これから播いていく種も、ちゃんとした環境で発芽できるよう、
次に札幌か当別に行く時は種まき培土を購入してこよう。

なんか、「芽が出てポットに移して大きく育てている間に、
雪も融けるし、それからでもなんとか圃場を作ろう」
なぁんて計画性のないことをやっているから、種に見透かされちゃったかしら。
雪が融けた後はどうすりゃいいのか、と私は実はとても不安に思っているのだ。
移住してきた当時の原野の風景を思い出す。
平地には萱だかススキだか、自分の背丈を超えるでっかい藪。
それを取り巻くように3mにも迫ろうかというオオイタドリ。
更には側溝も、沢も、森の中も覆い尽くす夥しい笹薮。
宿根草たちは、皆でスクラムを組んでガッチリ地下を太い根で張り巡らせている。
鍬と鎌だけでどこまで開墾できるんだろう・・・。
畝なんかひとりの人力で、できるんだろうか。
去年地域に借りた小さな圃場を、今年もまた使わせてもらったほうがいいのかしら。
自信がないことには自信がない現象が、
不安なことには不安な現象が、
まるで反映するように起きていく。
これはきっと、私のココロを映して種たちが尻込みしているんだ、と思えてきた。
でも、雪が融けてみなきゃ、実際のトコロ、わかんないんだよなぁ。
一番やりたい筈の家庭菜園が、一番不安な今日この頃・・・。


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都会に行って孤立する

久々に所用で札幌へ行く。
手首を骨折していた美容師さんが仕事を再開したとのことで、
ほぼ5カ月ぶりに髪をカットしてもらおう。
懇意にしている美容師さんは、もともと創成川イースト時代に近所の美容室で知り合った。
市民農園に夢中だ、と話したところ、「私もやってるんです!」と話が合い、
それ以来ずっとお世話になっている。
移住の夢、厚田に実際に移住することになったこと、その後のアタフタを
髪を切りながら聞いてもらい、背中を押して貰って、
髪も心もすっきりさっぱりさせてもらえる貴重な時間。

今回は、ご自身の手首のこともあり、同じ道を選んだお嬢さんがサポートに入っていた。
いつものように報告したいことを うわ~っと吐き出し、
カットが終わってシャンプーの段になると、お嬢さんが洗ってくれた。
いつものシャンプーとは少し違って、頭皮をじっくりマッサージしながら洗ってくれる。
「私の頃と違って、今はマッサージ多めの流れらしいです」とのこと。
これがまた。今までの気持ちよさとは別の、気持ちよさ。
どちらも極上の気分だが、それぞれ別の繊細さがあって、
ああ、これが個性というものなのか、と新たな発見に感動する。


すっかりシアワセな気分になって、美容室をあとにする。
どこかでダーリンが時間を潰して待ってくれているはずだ。
連絡しようとすると、電源は入っているのに、発信しない。
圏外、ですと? この都会の真ん中で?
意味がわからん。何度試しても発信できない。もうパニックである。
この携帯電話が発信しないと、どうやってダーリンと連絡をつければいいんだ?

美容室に戻ろうかとも思ったが、随分離れたところまで歩いてきたし、
次のお客さんと入れ替わりだったのでご迷惑をかけてしまう。
そうだ! 公衆電話を探そう!
待ち合わせ場所にしているスーパーの店員さんに、
公衆電話ボックスは近くにあるか聞いてみたが、「近所で見かけたことはない」という。
あ! 2~3丁離れたところに総合病院があったはず。病院なら必ず公衆電話がある!
さて、無事公衆電話を見つけて電話をかけようとしたら10円玉がない。
仕方なく、100円玉を投入して架けたが、留守電になっていた。
「電話がなぜか発信できないので公衆電話から架けてます、
いつもの待ち合わせのスーパーで待ってます」とメッセージを残して、
どうかどうか、ダーリンに伝わりますように、と祈りながら
急いでまた2~3丁離れたスーパーに戻った。

つい数か月前まで住んでいた街。
今はなんのよりどころもない街。
周りはこんなに便利で、何もかもが整っている街。
それなのに、携帯電話ひとつで孤立してしまうものなんだなぁ。


しばらくして、ダーリンがやってきた。
「SIMカードが外れてるんじゃないの?」と入れ直してくれたら、簡単に復旧した。
こんな簡単なことで、ひとりパニックになっていたのか。

この電話を最後に使ったのは4日前の美容室予約のショートメール。
「この日なら予約空いてます」と連絡をいただき、
その返信をしようとしたら、そういえば「圏外」と出て返信できなかったっけ。
時間をおいて何度か返信を試みては失敗したあと、
何かに気をとられて返信を忘れたままだったことを思い出した。
そういえば、美容室に「お久しぶりです~」と入って行った時、
びっくりされた表情だったので「? 私、何かおかしい恰好しているかな?」と
一瞬よぎったことも思い出した。・・・予約が成立していない飛び込みになってたんだね。
厚田に戻る車中からメールでお詫びした。
ああ、あいかわらず『迂闊さん』発動させている。

こういうことが起こるのも、
ひとつひとつ丁寧に暮らしていないからだ。
どこかに、「後で」とか「なぜかわかんないけど、まあいいか」と
荒く対処した結果がこれなんだ、と思い知る。
失敗する時って、必ず、「そういえばあの時」があるのだ。
『迂闊さん』な私だからこそ、
そこをやり過ごさない、丁寧で敏感な感覚が必要なのだと、改めて思うのだった。



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冷凍庫がやってきた冬の終わり [厚田民としての生活]

冷凍ストック用に、ダーリンが冷凍庫を買ってくれた。
ひとりの時に届いたらどうしようか、と思っていたが、
ダーリン在宅中に届いてくれてありがたい。
床に不安のあるキッチンには現状置けないので、とりあえずはキッチン横の部屋に設置。
作り貯めた身欠きニシン、酢〆ニシン、カズノコの塩漬け、ホッケの開き等々を、
簡易真空パックにしてから冷凍庫に収めた。
これからは肥料袋いっぱいのお土産も、下処理さえすれば冷凍庫におまかせできる。
加工して、冷凍してからなら、お裾分けも慌ててしなくたっていいしね。
次の冬は、雪に閉ざされても冷凍品があるから大丈夫、って安心感があるのは大きいなぁ。

気が付けば、3月下旬になってから雪らしい雪が降らなくなった。
むしろ、この時期の発足は晴れの日が多いんだね。
雪景色がいまだ広がっているし、雪崩しに夢中になっていたので冬気分だったが、
もう冬ではなくなっていたんだ、と気付いてびっくりした。


おうちの前の田んぼは1週間ほど前に融雪剤を撒いていて、明らかに撒いた所が低くなっている。
まだ雪に埋もれていて、下はどんな土地かもわからないまま、
「この辺を開墾して畑候補地にしようかな」と思う場所に、
私も、もみ殻燻炭を撒いて少しでも雪解けを促そう。

もう ちゃんとした雪は降らないんだろうな。
移住前は、「雪室を作ってみたい」「イグルーを作ってみたい」とか
「かまくらみたいのを小さくくり抜いて中で燻製を作ってみたい」とか
色々な雪遊びを考えていたけど、いざ冬が始まっちゃうと それどころじゃなかったな。
今年は慣らし運転。何かといえばアタフタしてたのも楽しかったけど、
この経験を生かして次の冬はもっと違う楽しみ方をしようねぇ。

翌朝は雨が降った。
雪ではなく霧で真っ白だった。
発足はもう早春だった。


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春の厚田メシ・イワシ編 [滋味ごはん]

肥料袋いっぱいのお土産イワシ,、第二弾。
今日はBERAが作るぞ~!
どうせ3枚おろしも開きもヘタクソだから、手開きするっ!
・・・と始めたが、手開きもヘタクソッ!
でもいいのだ。ヘタクソなのは全部つみれにするんだもん。
少しマトモなものは蒲焼に。
はらわただけ出した1尾モノは梅煮に。
もちろん、だし昆布も厚田産だよん。

でも、まだまだあるんだなぁ。
ニシンのお手伝いから帰宅したダーリンと、蒲焼で昼ごはん。
残りはダーリンに使って貰おう。
というわけで、夜は梅と大葉を巻き込んでフライを作ってくれた。
汁物も、メインも、副菜も全部イワシ。全部厚田メシ。
なんだったら、ごはんだって厚田のお米。
ありがたいなぁ。おいしいなぁ。
生産者さんの顔を思い出しながら、しっかり味わって、
地元の恵みをいただけるシアワセを満期したよ~ん。

さてさて。イワシが終わったら、どんな厚田メシになるんだろうか。
楽しみ、楽しみ~。


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初めて敷地全体を探索 [厚田の風景]

雪が締まってきたので、足を踏み入れていなかった敷地探索をすることにした。
おうちと物置は「宅地」だが、裏の原野・山裾の原野・奥の台地状の原野と、
「原野」で登記してある敷地面積はかなり広い。
去年の4月、5月に下見に来た時は、荒涼とした枯れ野に
切られて放置された丸太、無数の枝、ひたすら覆う笹とイタドリの藪が広がっていた。
解け残った雪の下は水がどこにも流れずにズブズブした谷地系の土地。
裾野原野は水の流れる音がするが、深い藪に阻まれて
全く入って行くことができなかった。
雪が藪を押さえつけている今なら、雪の上を歩けるので全容をつかむチャンス。


二人で熊鈴を響かせながら、裏原野を歩く。
夏の間に見つけた原野内の側溝が、今ならどこまで続いているのかがわかる。
裾野と原野の境の崖も、積雪のおかげで簡単に登ることができた。
敷地をとりまく用水路の道に出ると、
スノーモービルの走行跡が残っていて、その上を歩くと埋まりにくい。
一歩も踏み入ることができなかった、山裾の原野の全貌がこの道からは良く見える。
裾野の中心に大きなエゾマツ?の木があるが、
この木を囲むように 二筋の沢があることがわかった。
今はまだ1m超えの積雪があるので渡ることができるが、
水量も多くない小さい沢の割には、谷が深く削れている。
夏は橋を架けないと渡れないだろうな。


もう1本の沢を越えて、台地になった原野に渡ると、
藪に隠れていた台地の様子があらわになっていた。
奥には中途半端な高さで伐採されている林がある。
ダーリンが山のプロさんに「間伐は雪解け前の春にする」と聞いていた。
なるほど、今のような時期に切ると、雪の分だけ嵩上げされるので
中途半端な高さで伐採されることになるのか。
この太さの木なら高さもあっただろう。伐採される前は結構な林だったかもしれない。
木の周りは丸く雪が融けており、覗いて見ると地面までは1mくらいの深さがある。
畑にするため開墾するには、まずは雪が融けてくれなきゃねぇ。

所々でズボッと足が埋まりながらも、たのしい探索タイムだった。
今年の春は早めに草刈りに励まないと、またジャングルみたいになるなぁ。
人が入れる道を作って、小枝や落ち葉を堆肥化させる場所も作りたい。
刈った笹や萱を有効利用する方法も実践したい。
こうして全容が把握できて見ると、
原野の中に森・藪・湿地・沢と多様で豊かな世界が広がっていた。
移住前は「おうちの傍に森や川があったらいいなぁ」と夢想していたが、
自分の望み以上の、想像を超える世界に来ちゃったんだなぁ。



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ゆきつ戻りつ春は近づく [厚田の風景]

タヌキ箱罠騒動の3/4に20cmほどの雪が降ってからは、
ちらちら程度しか降っていない。
さらっと積もっても、すぐ融けるようになった。
そういえば、日付をメモし忘れたが、2月下旬に、一度雨が降ったこともあった。
気付けば、私の背丈を超えていた雪の壁が、肩口まで嵩が減っている。
例年3/10前後で雪は打ち止めになるらしいので、もう大雪はないのでは、と淡い期待。

今の私の日課は、駐車場をまだ三分の一も占拠している雪の壁を少しずつ崩すことだ。
もうブロックに切り取って日なたに移動する方法はしない。
雪がシャーベット状のザクザクで、ブロックに切り取れる部分が減ってきたのだ。
駐車場のアスファルト面が徐々に広がってきたので、
塩田よろしく、スコップを振り回して
崩した雪を広く薄くアスファルト面に撒き散らすのだ。
ここだ、と思った所にキレイに撒けると、内心、鼻高々だ。
よし、次はここだ! う~ん、うまい!
次はこっちだ! ナイスコントロール!
と、ひとりで自画自賛しながら駐車場を雪で覆いつくして、本日の雪崩しは終了だ。
うんうん、だいぶん駐車場が広くなってきたぞ。
残すところ、サンルームのガラス戸1枚分の幅だ。あと二日くらいで目標達成か。
ダーリンは「春が来たら勝手に融けるって」というけど、
なんかこう、春待ちの焦れた気持ちを、ぶつけたいんだよぉ。

夕方、大きな ぼたん雪がふわふわ降り出した。
ぼたん雪って冬の初めと終わりの、気温が高めの時に降るよなぁ。
ほぼ風の無い中、大きなぼたん雪が、その名の通り
花びらのようにひらひら、ふわふわと舞い降りてくるのは本当にキレイだなぁ。
着地すると、すぅ~っと消えてなくなってしまう儚さも、またオツなモンだ。
こうして、降っては消えてを繰り返して、ゆきつ戻りつしながら
グラデーションのように冬から春へ色が変わってゆくのだろう。
着実に、季節は春へと向かっている。


毎日少しずつ雪崩しをして、目標を達成した3/18。
翌朝、起きると一面の雪景色だった。
もう雪かきするほどの積雪ではない。きっとこのままでもすぐ融けてしまうのだろう。
融けて煤けて もう真っ白ではなくなってきた風景を、優しく浄めてくれているみたい。
春は待ち遠しいが、この雪景色が無くなってしまうのも名残り惜しい。


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