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小鳥たちの声で目覚める [厚田の風景]

峠道から昇る朝日を拝む。
陽が昇る前の、ピンクからオレンジ、薄青から濃い青へと移り変わる空の色が好きだ。
浮世絵でよく見るあの、空のグラデーション。
昔の人も、こうして空を見ていたんだなぁ。
雲ひとつない青空。今日も発足はキレイだ。

最近、聞こえてくる小鳥たちの囀りの種類が多くなり、
さまざまな飛び方をしながらウッドペッカーの木に集まってくる。
鳥たちは朝が早く、その賑やかな声で目が覚める。
ピーピーピー、チュッピチュチュピチュ、ヅーヅーヅー。
声を聞いても、種類がわからない。
家の中からは朝日の逆光で鳥の色がわからない。
でも、たくさんの種類がおうちの周りを飛び交っているのだけはわかる。
飛び立ち方や、羽音も全然違っていて、全部わかったら楽しそうだなぁ。


外に出てみる。
霜が降りているけど、チロチロと新芽が顔を出している。
若々しく、いたいけな黄緑色。
この可愛い芽が、いずれ夏のジャングルに変わっていくのだろうが、
今年は少し勢いを抑えてもらうため、マメに草刈りもしていこうかねぇ。

シジュウカラがウッドペッカーの木の下に降りてきた。
ネクタイ模様が可愛いなぁ。
こちらがちょっと動くと すぐ飛び立ってしまうので なかなか観察できないや。

田んぼもずいぶん雪解けが進んで、雪解け水が溜まった所が
水鏡になって向かいの山を映している。水鏡なんて、半年ぶりか。
厚田川の音が大きい。
おうちからは直接川面は見えないのだが、厚田市街地に出る時に見る厚田川は荒々しい。
山々の雪解け水で、たっぷたぷの水嵩、
流れも速く、土砂も運んで茶色く色付いた、大蛇のような厚田川。
国道に出る手前に大きな中洲がある筈だが、今は中洲はすっかり水没していた。
そんな厚田川が、轟々と大きな音をたてて流れている。
原野の沢の音も、驚くほど大きく、耳の後ろからステレオで聴こえてくる。
今、発足に溢れるのは春の音。


田んぼから振り返ると、
低い朝日に照らされてできた自分の影が、
巨人みたいに道路からおうちに届く。
見えるもの、聞こえる物に、いちいち はっとして。
うまく言葉にはできないけど、何か小さくて力強いものが、
身体の奥底でスパークするような、そんな朝だった。


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海から来たヘンゼルとグレーテル [厚田民としての生活]

4/4をもって今年のニシン漁は終了。
極寒の頃からお手伝いに行って、同じ姿勢で同じ動きを長時間していたために、
すっかりダーリンの腕や背中はバキバキに凝ってしまった。
それでも、季節の変わり目を告げるかのように、
雪の嵩が減るのと同じように漁獲高も減っていき、無事終了した、という訳だ。

雪洗いはいつまでできるかしら、なんて思っていたけど、
漁獲高が減ると、汚れも減っていくもんで、
軽い下洗いだけで済むようにもなっていた。

ただね、ニシンの鱗って、ぴったりとくっついちゃうと、忘れた頃にハラリ、と落ちる。
すると、ダーリンが歩いたところに、
ハラリ、ハラリ、とキラキラしたものが落ちているということが、頻繁にある。
その服を着て作業していた訳では無いのに、落ちている。
帰り道の目印にパンくずを落としていく童話みたいだねぇ。
おうちをウロウロしているのは、さしずめ、海から来たヘンゼルとグレーテル。


お疲れ様でした。
明日からはパンくず、落とさなくてもいいですよ~。
GWが始まる頃には、漁師食堂が営業を再開する。
料理人、いよいよ始動だね。


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