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田んぼはすべてを映す [厚田の風景]

5/12。
日の出は4:12まで早まっている。
山あいの発足では30分位遅い日の出だが、少しずつ日の出の位置が移動しているので、
山の頂上から昇る時と、山と山の合間から昇る時によって時間は異なる。
だいたい日の出直前に目が覚める。
まだ朝焼けのピンクの空。雲がある時、無い時でも色が違う。
今朝はまた格別だった。

水鏡になった田んぼが空を映す。
陽が昇る場所を映す場所は色濃く、
遠ざかるほどに色が褪せていくグラデーションが、なんともいえない美しさ。
そのうちに、陽が昇り、暖かく強い光が射してくると、
太陽も、その光も田んぼに映って2倍に輝く。

札幌に住んでいた頃、空を眺めるのは東の窓で、日没を直接目にすることはできなかった。
ある日、沈む太陽が遠くのビルの窓に反射して、強い光が東の窓に射したことがあった。
「直接見ることはできなくても、光はいつもあって、映すものがあれば同じことなのか」
と、はっとしたものだった。
今、目の前の太陽は、段々に何面もある田んぼに、次々と光を映していく。
まだ昇りたての、オレンジの太陽だからこそ感じられた、拡がっていく色の世界。
そしてこのオレンジの世界はほんの短い時間だけ。
うっとりしているうちに光はどんどん変わって行った。
これが海の日の出なら、一面に広がる反射なのだろうが、
段々の田んぼだからこその、次々に拡がっていく世界を目撃できたんだなぁ。

水鏡のように しーんとした水面が、風で細かく波立って行き、
向かいの山を映さなくなった。
やがて一部が水鏡に戻っていく。風の当たる所、そうでない所。
見えない風が水面に姿を現し、また変化していく。

田んぼはすべてを映す、水鏡。
風景という範疇に収まらない、何か深いものを見せらせているように思える。
すべては変化しながら、そこにある。
なんだか、静かに、感動した。


桜開花の頃に一斉に鳴きだしたものの、いったん収まっていたカエルの声。
田んぼに水を張ったころから急に響き出した。
夜は窓を閉めていてもカエルの声がうるさいくらいだ。
時々、カモのガァガァという声も、驚くほど近くで聞こえる。
カモって、夜も活動するんだなぁ。
静かで、賑やかな、発足の春。
豊かだ。


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代掻き、始まる [厚田の風景]

春になってからあちこちの田おこしが始まった。
おうちの前もトラクターの往来が盛ん。
厚田までの道のりのなかで、
「あ、ここはもう、おこし終わったんだね」
「こっちはもう水張ってるんだね」なんて、田んぼ毎の進み具合を確かめる日々。

5/11。
台地原野の開墾が一向に進まない中、地域の施設の隣に借りていた圃場を見に行ってみる。
あの原野を圃場にするのは、今年は間に合わないだろう。
お盆前までに、漬物用の大根を育てられるようになれば いい方かもしれない。
今年もこの圃場をお借りして、ジャガイモや南瓜を育てられないかなぁ。
去年、プランターで いじけて育っていたサトイモを野に放つために
1m×2mの大根用の畝の隣に、もう1本サトイモ用の畝を作ったが、
残念ながらすぐ寒くなってサトイモの種イモはできずに終わった。
まぁ、その隣にひっそり播いた小カブがちょっとだけ味わえたんだけどね。
ここを、それぞれ10m位まで延ばして、使わせてもらいたいなぁ・・・。
ぼんやり圃場を眺めていたら、反対側の田んぼにメロンの農家さんの姿が見えた。
走っていって、ご挨拶。
ここも、メロンの農家さんの田んぼだったんですねぇ。
「そう、手放す人が居て、ここもウチで管理するようになったんだよー」。
こうして、みんないろんな場所に、ぽつら、ぽつら、と作業する場所が散っていくのか。
原野にスコップを入れたんだけど、と現状を話し、
「あの圃場、今年も借りれますかねぇ、今年も敷地内で家庭菜園するのが難しそうで」と
相談すると、「誰も使ってないんだから、いいんでないかい?」と仰る。
うん、顔役さんに改めて相談に行って正式に許可だけもらっておこう、と思う。
「代掻き、そろそろですか?」「そろそろだねぇ」「楽しみにしてます~」と別れる。


その日、おうちの前の田んぼの代掻きが始まった。
稲刈りアイドル=お隣の若旦那さんが、手際よく代掻きのトラクターを進めていく。
みるみるうちに、ただ水を張っただけの田んぼが、
整えられて水鏡のように美しくなっていく。
そうそう、これこれ。
田植えが済んだ美しい水鏡の風景だったよ、移住してきた時。
もうすぐ一年になるってことなんだ。
目の前に広がる何面もの田んぼのうち、半分程を残して今日の作業は終わったようだ。
帰っていくトラクターに手を振る。
稲刈りアイドルは、会釈ではなく、今日もちゃんと手を振ってくれる。
嬉しいなぁ。
明日も代掻き作業を見物できるんだなぁ。楽しみ、楽しみ。


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ネズミ侵入、再び [厚田の野生生物]

雪が融け日当たりが良くなった来ると、キッチン隣の極寒の部屋が、むしろ暖かくなってきた。
最初にここからDIYに手を付けようと、壁紙を剥がし、鴨居や長押を外し、
しかも作業場に使ったりゴミの一時置き場にしている部屋。さしずめ住居内物置である。
一番汚くしている部屋なのだが、極寒だったので根菜類の保管場所にもなっていた。
さすがにもう根菜保管の温度じゃないな、とキッチンに根菜類を移動した。
その夜、根菜のあたりでガサガサガサッ!と音がした。
「ダーリン、なんか居るっ!」と慌てる私。
ライトを当てたり、物の陰を覗いたりしたが、何も見つけられなかった。
立てて保存していたゴボウのビニール袋が倒れていたが、
ただこれが倒れた音だったのか? 
米袋に入れ替えて、倒れないようにマチを作って再度立てて保存し直した。


翌朝。ストーブの横に、見慣れない丸いものが。
恐る恐る近づく。
昨日、トドックで届いたジャガイモ? 齧った痕がある!
ああ~。またネズミに侵入突破されている~~~。
キョロキョロ見回したが、父の祭壇は無事だったし、他を荒らされた様子は無い。
毎日雪が降っていたころ、動物たちの足跡は玄関からサンルーム周りを徘徊していた。
その辺りに、どこか外からの侵入口があるのかも、と疑ってはいた。
だからアオダイショウくんがサンルーム周りをウロウロしていたのかしら?

敢えて片づけずに、ダーリンが起きてくるのを待つ。
起きてきたダーリンに、「ネズミじゃないかと思う」と報告。
齧ったかけらがある場所から「ここがルートか?」と通り道を推測。
やはり昨日のガサガサは根菜目当てに侵入していた音だったのだ。
「大好きなジャガイモが~。ゴボウは倒れてたけどなんともなかったのに」と嘆くと、
「ネズミは白いものが好きらしいよ」とダーリンが謎の知識を披露。
もう一枚、ネズミ捕獲シートがあるので、このまま通り道に置いてみることにした。


その日私はスギナ茶づくりのためスギナをたっぷり摘み、
間引いてきたイタドリの下処理作業をしていた。
お休みなのでダーリンに晩御飯を作ってもらっていた。
ダーリンが、「何か動いてる!」と小さく叫ぶ。
見ると、仕掛けたネズミ捕獲シートに、・・・かかっていた。
あ~、かかっちゃった・・・。
今回は、ハツカネズミサイズの、小さい子。
かかってほしくて、仕掛けてるんだけど、かかっちゃうと、げんなりするんだよなぁ。
これから、駆除、しなくちゃならないんだよなぁ。
近づくと、ダーリンが、「調理が終わったらするから、触らないでいて」と言う。
ダーリンだって、嫌だろうに。
調理が終わるまで、4本の足をトリモチ状の粘着剤に捉えられながら、
ネズミは脱出しようと足掻く。時々、鳴く。
「そんな可愛い声で鳴いてくれるなよ」とダーリンがしょんぼり。
雪の季節じゃないので外で凍死させることはできない。
溺れさせるのが一般的らしい。・・・
ビニール袋を持ってダーリンはネズミと共に外に出ていった。


どんより。重苦しい空気が流れる。
「ヘビが居るとネズミは居ない、ネズミが居るとカマドウマは居ない」という
いつか聞いたダーリンの謎知識を思い出す。
ああ、アオダイショウくん、おうちの外でなんとか食い止めてほしかったよぉ・・・。

でも、あれ以来、壁の中や天井裏でガサガサする音はしなくなったかも。
一匹だけの侵入でありますように・・・。
今後は頼むよ、アオダイショウくん!


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山菜シーズン終盤 [山菜・きのこ採り]

漁師食堂のお休みの日。
風は強いけどいい天気だ。
今日は石狩市内の山菜ポイントへ、終盤にさしかかった山菜の様子を見に行こう。
途中の地元の自動車整備屋さんに、ステーションワゴン君の修理の相談もしよう。

漁師食堂でお世話になっている漁師さんに紹介してもらって、望来の整備屋さんに行く。
状態を見て、渋い顔でダーリンと長いこと話し込んでいる。
私は車の中で待ちながら、ふたりの表情だけ見ている。
苦笑いしているダーリン・・・なんか芳しくなさそうだな。
話しが終わって車内に戻ったダーリンにどうだった?と聞くと、
「フレームが歪んじゃってるから、直らないらしいし、
なんとしても修理するなら、80万位かかるらしい。
かなり走行距離も多い車だから、この費用なら買い替えた方がいいって」
・・・そうかー。来月でステーションワゴン君がウチに来て1年だが、
去年は事前に引っ越し荷物を運んだり、札幌勤務だったり、父の介護だったりで、
本当に大車輪の活躍だったもんね。
単純計算でも、2000㎞/月は平均して走ってくれてた。
ステーションワゴン君との出会いがなかったら、今の生活はなかったんだよ。
それなのに、こんなことになって、ゴメンネ。
どうしようねぇ。来月は保険の更新だけど、ローンも半分残ってるけど、お別れか。

しょぼんとしつつ、「いや、山菜は待ってはくれない、気持ちを切り替えよう!」と
改めて山菜ポイントに向かう。
前回はコシアブラがちょっと若すぎたのを無理やり連れ帰ってきたが、
今日はそのコシアブラすらちょっと育ちすぎている。
日陰や育ちの遅い木を探して、コシアブラをせっせと採る。
もう完全に季節は過ぎて大きくなってはいるものの、たま~にタラの芽もあったりする。
ハリギリはあまり人気がないのか、手つかずで残っているモノが多いが、
これももう新芽とは言えない立派な姿に育ってしまっていた。
あとは、大好きなポンナ=ヨブスマソウも少しいただく。

必要な分だけ、と思いつつ、森歩きが楽しすぎて、随分長いことウロついてしまった。
トドックの配達が来る前に急いで帰らなきゃ。
おうちに帰ったら、除草も兼ねてイタドリを少し間引こう。
小さな林の庭に群生している行者ニンニクも、
だいぶん葉が開いて大きくなっちゃったけど今季の締めに、いただこうかねぇ。
もう、充分に今季の山菜は楽しんだ。
しかも、おうち周りでも。
ありがたい春だったなぁ。あ、そうはいいつつも
フキもまだまだ間に合うので、保存食づくりも見据えて多めにいただかなきゃ。
そうそう、まだこれからワラビが出てくるんだ。
(しかも、おうち周りでも)
ふふふふふ。

今年は積丹の大好きなポイントに、ネマガリタケを採りに行くことはないなぁ。
厚田や発足でネマガリタケを採ろうとすると、
積丹のポイントとはクマ遭遇確率が格段に違うだろうから、今年は見送ることにする。
その代わり、小さくて手間はかかるけど、笹刈りついでに太目の新芽をとることにしよう。
手間さえ惜しまなければ、
売るほど、捨てるほど、死ぬほど、気が狂うほど、
なんぼでも出てくるんでね・・・(遠い目)


今日の厚田メシ、もとい、石狩メシは
山菜の天ぷら盛合せ・コシアブラめんつゆ漬・イタドリのメンマ・きゃらぶき。
本日も、滋味たっぷりで美味しくいただきました。ごちそうさまでした。


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護ってくれているのかも [厚田民としての生活]

今日も引き続き、台地の原野を掘りおこす。
連日やっているのに、まだ1m×5mほどの畝予定地の、
脇溝の一辺を掘ることしかできていない。
固くて太いススキの根は、ものすごいネットワークを作って表土を覆っている。
そこを ひっぺ返してから、粘土と石で固まった土にスコップを入れていく。
いちいち石に当たって、ゴリゴリ言うだけで、ちっともスコップが入らない。
けれど、根の部分をひっぺ返してみて、はっとする。
根が進んでいく先は石だらけなのに、その石を抱くようにしながら、
少しずつ少しずつ石を邪魔者にしないで、根を伸ばせる場所を探して進んでいるのだ。
ああ、こうして、どんな土地でも植物たちは対処していくのか。
そして、この粘土だって、粘土単体なら粒子が細かすぎて にっちりと固まってしまう筈。
石があることで、隙間を作って空気や水を通そうとしていたのかもしれない。
なんだかとてもうまくできているシステムなんだなぁ。


でも、私もここで生きていきたいの。
私達でもしっかり食べていけるものを栽培したいの。
ここに少し手を入れさせて。
少しでも空気や水が通りやすくなれば、ススキや笹だけが頑張らなくても、
細かくて浅い根を張る、背の低い植物たちがきっと一緒にここを更に豊かにしてくれるよ。
背後の森からだんだん、高木・中低木・低木と背を低くしていって、
道路際の低い草たちからどんどんお日様のチカラを波及させ、
森からは水のチカラを波及させていけるような里山にしていきたいの。
だから、お願い、協力して。

祈るような気持ちでスコップを入れる。
気のせいか少しはスコップが入るような気がする。
10cm足らずだけれど、溝が少しずつ切れていく。
ここに空気が当たって少し乾けば、下も もう少し深く掘り込めるだろう。
そうして溝に空気が入ったら、改めて燻炭や石や小枝を溝に敷こう。
降った雨がここに流れて、浸みこんでいくようになれば、
この溝が空気と水の流れを呼ぶきっかけになれるんじゃないだろうか。
ヒントをくれてありがとう、ススキたち。
私も、この石を邪魔者にせず、抱くように馴染んでいけるようにするよ。
・・・ココロに希望を抱いた所で、腰痛がやってきて今日も作業は中断。


おうちに入ろうとしたら、昨日のアオダイショウだろうか、
サンルームの日陰に、くねくねっとなって涼んでいた。
アオダイショウくんは、もしかしてこのおうち周りを縄張りにしているのかな。
そういえば、いつもおうちの前の田んぼを電線に停まって一羽で見ているカラスが居る。
勝手にガァ助、と名前をつけて遠くから話しかけているのだが、
たくさん居るカラスたちも、それぞれ主だった田んぼの縄張りがあるのかも。
去年、早朝イチゴ農家さんに向かう道のりを、いつも一緒に飛んできてくれたトンビ。
一緒に飛ぶというより、担当の縄張りを見守っているのかもしれない。
もしかして、もしかして、野生生物たちも自分の縄張りを守りながら生きている?
だとしたら、すごく嬉しいよなぁ。
私達が居ることも込みで、それぞれが、空から、地面を這いながら、土に根を張りながら、
この土地の豊かな恵みをいただいて、護っている。
みんながみんな、護り神なのかもしれないなぁ。
もしかしたら植物たちは、根を張りながら水を空気を循環させようとしているかも。
ネズミや小鳥は植物を食べながら、種や花粉を運んで繁茂できる範囲を拡げているかも。
アオダイショウはおうちに入ろうとするネズミや笹薮の小鳥を捕食しているかも。
そのアオダイショウもトンビに捕食されているかも。
あのタヌキだって、うちの周りを縄張りにしていて、色々な亡骸を食べているかも。
ここが縄張りなら、本当にカノジョを見せに挨拶に来てくれたのかもしれないね。
そうやって、巡り巡っているのかもしれないなぁ。
食物連鎖、って知識としては頭にあったけど、実感したのは初めてだなぁ。

遠い昔から『八百万の神』、という概念があったのも
こういう周りのずべての事象が、
完璧で大いなる意図で満ち満ちていることを実感していたからなのかなぁ。
そんなことを、眩しい空を見ながら、ほわ~んと感じる一日だった。


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原野の開墾に手をつける [厚田民としての生活]

GWも過ぎて、峠越えのバイクの音も少なくなった。
2ヵ所の畑候補、裏原野と台地原野。
どちらも移住してからの季節は、盛大に2mほど伸びたススキと笹が行く手を阻む
手強い原野だが、冬の雪の重みで倒伏していて現在は歩くのに不便がない。
法面や崖の斜面は倒伏していた笹が立ちあがって、すでに立派な藪。

裏原野はおうちから様子が見えるので、本当はここを畑にしたい。
が、かなり谷地っ気で、あちこちに、流れも浸みこみもしない水が溜まっている。
この水はけの悪さは大々的な環境改善をしないと栽培は難しいと判断。
水路をはさんで地域の耕作放棄地が隣接しているが、
植栽はかなり種類に富んでおり、背の低い草たちが青々と茂っている。
それに比べて、ウチの裏原野は2m越えのススキが
ほうぼうに向かって倒れており、その、笹のように固い茎が
何年分もの量で覆っていて、枯色。
隣接地のような環境なら、多少耕すのが大変でも作物は育ちそうだが、裏原野は・・・。

台地の原野は、見た目は裏原野のように倒れたススキたちに覆われているが、
土の状況は全く違う。
裏原野は放置しておけば泥炭地になりそうなジクジクした感じがあるが、
台地の原野は乾いていて、あんなに植物に覆われていた割にはカッチカチに固い。
実際に鍬を入れてみないと分からないが、
裏原野よりは植栽が豊富なので、しっかり腐植できる状態を作れば可能性はありそうだ。
剣先スコップを入れてみる。
まったく歯が立たない。
何故こんなに固い? 枯れた植物たちが堆積しているはずだし、
伐採した際の小枝やおがくずだって たくさんあるはずなのに?

無理やりゴリゴリと掘ってみると、石が多くて、多くて。
石を取り除きながら少し深く掘り進めると、
腐植した黒土は2cmも無かった。
その下は、石と粘土がガッチリ手を結んだ、空気がまったく通らない土。
粘土の色がすこし青みがかっているので、空気が通らず腐敗しようとしている、
いわゆるグライ層になりかけている土だった。
わぁ、こりゃあ手強い。
この土が空気も水も通すようにならなければ、作物は育たない。
なるほど、だから深く荒い根を張る植物ばかりが居るのか。

植物は、地面を鏡の面に見立てると、地上と地下は同じようになっているという。
この背の高い、ザクザクした植物たちは、
それだけ深くまで根を突き通さないと水を吸い上げられない土地だから、
この背の高さなのか、と妙に納得した。
本来なら、重機を入れてある程度の深さまで起こして、
水はけと水持ちをよくする資材を投入して土壌改善をするのだろう。
でも、重機が入るという事は、より重量を土にかけることでもあるので、
できれば手作業でなんとかしたい。
ハードルが高すぎるだろうか。でも、やってみたいことは、実行なのだ。
ちょっと掘っただけで早速腰痛になる。スコップが入らない固い土は、腰に来るぜ。
ここは一旦撤退し、作戦を練ろう。


おうちに入ろうとしたら、長いアオダイショウが居た。
一瞬びっくりしたが、アオダイショウはおとなしいし、毒もないと聞いた。
おうちに入って来る訳でなし、やり過ごそう。
庭を見ながら一服していたら、アオダイショウがウッドペッカーの木の方へ
うねうねと移動していくのが見えた。
そういやあ、去年はいっぱい抜け殻を見たなぁ。
私から見ると笹ばかりの暮らしにくそうな森なのに、彼らは健やかに生きているなぁ。

空気も水もうまく動かない土地で、深く根を突き通して生きる背の高い植物たち。
笹しかないと思われる藪でも豊かに生きるアオダイショウ。
なんだか、ヒントがもらえそうな予感。


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去年とは違う原野に [厚田民としての生活]

5/3。
おうちの桜、ちょうど開花から一週間で桜吹雪。急いでるなぁ、春。
まだ原野には雪が残っているが、露出して立ち上がっている分から
少しずつ笹に手をつけていこう。

まずは原野全体を覆っている長い茎の残骸を片づけよう。
ススキやオオイタドリ、名前もわからぬ背の高い植物たち。
雪に押しつぶされて、原野全体に2mもあろうかという長い茎を横たわらせて、
地面がどういう状況かもわからない。
その間から横たわった笹が起き上がろうと頭を出している。
雪に隠れて居る所は目をつぶって、露出しているところから片づけ開始だ。
拾い集めるだけでも大変。拾うったって、根元が株にくっついているので、
縦横無尽、さまざまな方向に倒れているのを根元を辿って引き抜く。
しかも、他の茎が上から下から重なり合っている。
入口の10m四方を片づけただけで結構な時間をくってしまった。
ここは道路から少し高くなっていて、その法面を覆うようにも倒れている。
斜面から側溝に転がり落ちないようにしながら作業をしたら、
足もつってくるしで、野外作業はなかなかに大変だ。

同じ仕事がはかどらないと気持ちが沈むので、切り替えて、物置裏の笹を刈る。
ゴミの障害物が多いので、刈払機を使うのは危険だ。
あ、もちろんまだ刈払機は使ったことがないので、使うならば、の話ね。
いずれダーリンが刈払機に手をつけてくれるだろうから、
その露払いに、危なそうな所を細かく手鎌で刈っていくつもりだ。

固い。笹っていっても、根元はもう、細い竹だからね。
へバーデン結節には絶対良くない作業だけど、しっかりテーピングして、
必要以上に曲がらないように準備はしてある。
1本1本、ゴリゴリと のこぎり鎌で刈っていく。
う~ん、この子たちも、お互い四方八方に広がりながら重なっているので根元が遠い。
あまり中途半端な所で刈ると、作業中に目を突いてしまいそうになるので、
できるだけ短く刈る。
あ~、この作業も進みが遅い。
2平方メートル位刈った所で夕方になり、これも中途半端で終了。
原野も、物置裏も、ちっとも成果が芳しくないが、
刈って集めた茎や笹の山を見ると、「ま、まぁ頑張ったよね」と思える。
5月下旬までには植え付けを始めたいので、歩みは遅いが地道に頑張るかぁ。

おうちに戻って水分補給、と思ったが、握力が死んでいてペットボトルの蓋が開かない。
夜中には足がつった。
作業に対応するカラダにしていかなきゃなぁ、と痛感するのだった。
挫けないぞ。去年とは違う原野に、もっと植物たちが暴れないように、
穏やかに共生できるように手を入れていくぞ。
目標は脱・原野。
少しずつ、里山に近づけていくぞ。


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狭い町で事件が起きると・・・ [厚田民としての生活]

先日、当別ぶらぶら行でお店にダーリンを迎えに行く際、
なんと目の前で火事が!
消防車が何台も居るって、厚田ではなかなか見ない光景。
私、厚田では、「春の火災予防月間です、火事に注意しましょう」と
アナウンスして回る、のどかな消防車しか見たことないのよ~。
聚富から厚田市街に向かう道すがらには何か所か
別荘地(コテージ団地みたいな感じ)があるのだが、
一番厚田市街地に近い別荘地のコテージが燃えているのだ。
黒煙だけでなく、ちろちろと炎をあげて燃えている火事は久々に見た。
いままで生きてきた間、何度か近い場所で火事に遭遇しているが、
(自宅のはす向かいが2回、隣の丁目で1回、バイト先の真下の部屋で1回)
ここ30年位は火事と無縁だったなぁ。
コンビニに寄った際に、消防車の話になり、「今、炎をあげて燃えてましたよ」と言うと、
「別荘地、水が引けないから消火活動に支障がでてるみたいですよ」と
すぐさまホットな情報を教えられた。
狭い町、事件が起こると情報が早いのだ。


今日はGWの中休み。水曜・木曜とお店は休業。
いつもは札幌で何か用がある時は一緒に行くが、
今日は特に所用もなければ家事も溜まってるし、
ダーリンも気楽に仕入れ作業ができると思い、単独行にしてもらった。

13時過ぎ、ダーリンから着信。
「事故を起こしたから帰りは少し遅くなる。
保険会社の連絡先を調べて折り返し電話ください」
電話はすぐ切れた。

ええっ!?
無事なの!?
って、無事だから自分で連絡してきたのか。
いやいや、むち打ちとか、打撲を負ったとかは大丈夫なのか?
聞きたいことも聞けずに電話が終わってしまい、頭の中は大混乱だ。

私達は自分名義の契約は自身で管理しているので、こういう時、ちょっと困る。
あれこれダーリン宛の封筒を探り、保険会社の名前を見つけて、
もたもた電話番号と証券番号をメールしようとする。
またダーリンから電話。
「今サービスセンターの電話番号と証券番号をメールするよ。
とりあえず電話番号は伝えるね」と番号を伝え、「今、どこなの?」と聞く。
「札幌から仕入れを終えて戻り、お店から帰ろうと国道を横切ろうとした時、
左から来た車が見えなくて衝突した」とのこと。
ああ、厚田に戻っていたんだ。少しほっとする。
電話を切った後、ああっ、また本人は大丈夫なのか聞かずに切っちゃった!と後悔。
何故一番聞きたいことが後回しになってアタフタするんだ、もう~!


じりじりしながら待つこと1時間ほど。
ダーリンは無事に帰ってきた。
本人はどこも傷めていない、とのことだが、ステーションワゴン君は顔が歪んでいた。
エアバッグも出ていないし、普通に走行できるとのこと。
それでも、鼻先のグリルのカバーは外れているし、バンパーはひび割れているし、
顔で言うと運的席側の頬が膨らんでしまっている。
ステーションワゴン君、穏やかな男前な顔立ちだったのに、ボコボコだね。
それでもボンネット部分で衝撃をすべて受け止めたのか、
運転席から後ろは異常がなかった。
「ごめんね」と撫でながら、しょんぼりステーションワゴン君に謝るダーリン。
いや、身を挺してダーリンを護ってくれたステーションワゴン君、よくやった!
おかげで無事ダーリンは帰って来てくれた。本当にありがとうよ。
「教えてくれた電話番号も、証券番号も、満期更新用のもので役に立たなかった」
えっ、そうだったの!?
また、『迂闊さん』をやらかしてしまった~。ゴメンナサイ、と私も しょんぼり。


翌朝は、すでに浜の皆さんは事故をご存じだったそう。
「ぶつかった車見て、そうじゃないかと思ったんだよ~」と皆に言われたそうだ。
そ、そうだよね。事故った場所、厚田の人も、観光客も、ましてや発足の人は、
必ず、必ず通る場所なんだよね。
そりゃあ、のどかな町でのちょっとした事件、うわさも拡がるってもんだ。

後日。飛ぶ鳥農場さんに卵を買いに行った際、
「事故、大丈夫でした?」といきなり聞かれる。
あ、もうご存知で・・・。
「あの時、ちょうど通って。車種からそうなんじゃないかって」
あー。バレバレ。
狭い町だから、というより、誰もが目撃する場所だったからなんだね。
ダーリン、恥ずかしがることしきり。
でもさ、本当に良かったよ。相手もこちらも無事だったんだから。
ここんとこ、キツネやシカが交通事故の警告をしてくれていたのかも、と思った。
おかげさまで、大難が小難に、
実際小規模な事故に遭うことで、厄落としになったんじゃないかな。


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山菜求めて石狩巡り [山菜・きのこ採り]

5/1。GWと言えば、山菜のジャストシーズン!
石狩の山菜ポイントを覗いてみよう。
前回、カンゾウの群生地でせっせと採っていたら、
すぐ横の藪からシカが4頭、一斉に走って行ったっけ。
ぴょんぴょん弾けて遠ざかる、白いお尻たち。
気配もなかったし、音もしていなかったので、突然4頭も出てきてビックリした。
せっせと採っていると熊鈴も揺れないので、こちらの気配もしなかったのかも。
今日は、そのカンゾウの群生地の向かいにある森で、
タラの芽やコシアブラの育ち具合をチェックしよう。
ちゃんと意識して鈴、鳴らしながらね。


この森、とても好き。
最初はカラマツ林だからラクヨウキノコが採れるかも、と秋に入った森だが、
春にはタラの木やコシアブラ、ハリギリがたくさん生えている森だった。
しかも、次々と若い木が育っている、すごく豊かな森。
すでに先客があったようだが、それでも、食べごろのタラの芽がたくさんあった。
大好きなコシアブラは少しだけタラの芽より適期が後なので、
まだしっかり閉じた小さい芽だったが、待ちきれずに採ってしまった。
コシアブラは多く芽が出るので、まだまだ数日後にも採れそうな勢いだ。
おいしいけど、ちょっと苦手な香りを含むハリギリも、
やや早めと思われる芽をいくつかいただいてきた。

他にも2ヵ所、大好きなポイントを軽く巡って、
ダーリンもお店で提供する分の量を確保できたので、おうちに戻る。
移住する前は旅行気分でここまで山菜採りに来ていたが、
同じ石狩市内、おうちからさほど遠くない場所で、
気軽に山菜が採れるようになるとは。
本当に、ご縁が繋がって、としか言いようがない。ありがたい。
私が採った分は、半分飛ぶ鳥農場さんにお裾分けしようっと。

今日の厚田メシ、いや石狩メシは、山菜天ぷらで決まり!


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ひとりで当別ぶらぶら行 [お気に入りのお店]

移植ゴテが折れちゃったり、ビニールシートの小さいのが欲しかったりで、
ゆっくりホームセンターをぶらぶらしたいなぁ。
GWに入って漁師食堂も混雑するだろうから、早めにダーリンを送って
そのまま車を借りて当別に行くことにした。
もたもたと家事を片づけてから昼近くになって出発した。
一緒に移動する時はいつもダーリンが運転するので、
たまには自分でも運転しないと、どんどん感覚が鈍っちゃう。
今日はいい機会だ。しっかり運転も楽しもう。


ちょっと前まであんなに雪があったのに。
ダーリンとも、「この辺ならまだふきのとうが採れそうだね」なんて
あたりをつけていた所でも、ぶりっぶりに開いちゃってて、
季節の進み方の早さを実感する。
ふくろう湖の周囲を走行中、道路に横たわって車をものともしないキツネに出くわした。
お腹をアスファルトで温めてゴキゲンなのか、ちっとも動く気配がない。
避けようと対向車線に膨らもうとしたら、
カーブからバイクが対向してきて、ヒヤッとした。
バイクの爆音のおかげでキツネは避けてくれたけどね。
なんか、人慣れして図太さがあるのがこの辺のキツネの特徴だよな~。
峠でも、尻尾を車道に伸ばしたまま、微動だにせずに
「踏む気? やるならやってみなよ」みたいな顔してこっち見ていたしなぁ。

まずはお気に入りを2店巡ろう。
当別駅前の『ふれあい倉庫』。
地場野菜が並んでいて、その加工品も多いし、おしゃれだしで、見ているだけで楽しい。
当別はお花の栽培も盛んで、寄ればいつも祭壇に飾るお花を買っていく。
他にも根っこ付のネギと、ちぢみホウレン草を購入。
店内で焼いているという焼き立てのフォカッチャもあったので、
すきっ腹を黙らせるために1個購入し、我慢たまらず車内で頬張る。
ハーブやお花の苗も売っているので、畑の見通しが立ったら、改めて購入しに来たいなぁ。

『浅野農場スマイルポーク』は、今日たまたま29日=肉の日で、
殊の外 お安く手に入れることができてゴキゲン。
フォカッチャがむしろ食欲に火を点けてしまったので、お弁当も購入してみた。
来月も、肉の日をめがけて来ようかしらねぇ。


小さめのお安いレジャーシートを100円ショップで探してみるが、
キャラクターのついた小さなレジャーシートばかりで気に合わず。
キッチン廻りの消耗品を数点購入し、別のホームセンターを巡る。
ホームセンターではむしろ大きくて厚すぎるので、これも気に合わず。
そういえば、と日用消耗品も何点か購入し、玄関に棚を作るための板も見繕う。
ホームセンターでも楽しく、妄想全開。
あれをしたいからこんな道具があったらいいな、と どんどん妄想が拡がる。
居ろと言われれば何時間でも商品を見ながら妄想できる自信がある。
本屋とか文具・画材屋とかも、一日居られる自信がある。
ダーリンと一緒だと、妄想してばかりもいられないので、たまにはこんな時間もいいね。


なんやかやと時間は過ぎ、慌てておうちに帰る。
あんなにお腹すいた、と思っていたのに、妄想に忙しくてお弁当のことを忘れていた。
食べ終えて間もなく、ダーリンから
「終わりましたよ~、お迎え待ってます~」と連絡が入る。
漁師食堂、祝日は大繁盛だったようだ。
ワンオペで大忙しなので、「もっとお客さんと話したかったなぁ」と残念そうだった。
それでも、網外しのお手伝いをきっかけに、
浜の皆さんと色々知り合えて、今日は誰とこんな話をした、と
楽しそうに話す姿は、聞きながらとても嬉しい。
戻る前にコンビニに寄り、薄暮時以降の視力が怪しい私は、
ダーリンに運転交代をお願いして、おうちに戻ることにした。
崖から群れで走り下りてきて道路を渡るシカに出くわす。
「あ~、びっくりした」とスピードを戻そうとするダーリンに、
「まだ来る!崖の上に居る!」と叫んで制する私。
出遅れた1頭が走り下りてきて、車の前を横切る。
同乗者が居なかったら、まったくの死角なので、衝突した可能性は高い。
ダーリンは助手席でキョロキョロしない人なので、運転を交代して幸いだったかも。
あー、びっくりした。

あんなにカエルが鳴いていたのに、翌日からぴったりと止んだ。
「冬眠から醒めてきたよ~」のご挨拶、慣らし運転だったのか?
私も久々の慣らし運転、お互い様ね。


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