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おいしいパンを買いに行く [お気に入りのお店]

発足の夏は蒸して暑い、と驚いていた夏の頃。
札幌へ買い出しに行くよりも、人っ気のない峠を越えて当別に行くのが好きになった。
道道月形厚田線の山道が好き、というのもあるが、
当別はJRが通っているので、鉄道駅があって踏切があって、という
町の姿が、単純に好きなのだ。
もちろん、大のお気に入り、当別ふれあい倉庫で野菜や花を見繕うのも嬉しいし、
あちこちの直売所を覗いて次は何を買おうかとワクワクするのも嬉しい。

そんな訳で、あちこちを走り回っているうちに、
「あの道は札沼線の廃線跡だよね?」という場所を見つけた。
国道275号線と並走するようなあの道。
あ! 踏切跡がある。間違いない! と興奮している中、出会ってしまったのだ。
パン、という大きな文字。昭和チックな書体だ。
古いパン工場のものを流用したかのような看板に、またまた大興奮。
「あれ何? 何だろう!?」と大騒ぎしながら、なんとかその道への合流点を見つけ、
辿り着いたのが、『ノルトエッセン』というパン屋さんだった。

駐車場入口の、お店のロゴ、どこかで見たことがある・・・。
(私は元POPライターなので、書体やロゴには敏感なのである)
ダーリンも、「札幌にあったお店かな?どこかで見たことがある。
真駒内あたりだったかなぁ・・・。思い出せない」と言っていた。
駐車場からお店の入口に向かうだけで、「うわぁ~・・・」と声を上げてしまう。
手をかけつつも野性味あふれるお庭が、もう素敵なのだ。
本でチラッと見ただけの、ターシャ・チューダーのお庭を思い出す。
入口は小さいが、中に入るとカフェスペースが拡がっていて、
ピアノがあったりするので、ライブなんかもできるのかもしれない。

自作の天然酵母も飾ってあって、ダーリンは興味津々だ。
田舎パンやハード系のパンが何種類もあって、もう、大好物の予感しかしない。
いちじくのパンが、POPだけあって品切れしていた。
次回は絶対これだ!と誓いつつ、バゲットなど3種類ほど購入してみた。


もう~とにかく、対応してくださるその笑顔の素敵なこと!
嬉しくて、嬉しくて、ついつい
「山向こうの発足に移住してきたんです」と話しかけてみる。
「ああ、峠を下りた、あの地区。よく私も通りますよ」、なんて話から
移住してきて今すごくビックリしてるのは湿気で、と話すと、
「今年はちょっと凄すぎるわよね、洗濯物が全然乾かないもの」
「そうですよね~! 例年はもう少し涼しいのかしら?」と身近な話題にも応えてくれた。
移住してこんなことにビックリしている、と言う話をすると、
ご自身の経験に絡めてお話ししてくださって、買い物だけでなくとても楽しかった。
途中、お店の中にオニヤンマが入ってきて、
「これからシオカラトンボやギンヤンマに変わっていって、
秋にはアカトンボになるのよね~」とこれからの季節に想いを馳せるお話を聞いて
余韻を残しながらお店を後にした。


帰宅して、それぞれ香りも風味も違うパンを、ゆっくり噛みしめて楽しんだ。
もちろんパンは、とっても美味しかった。
でもそれ以上に、あの空間に居るだけで、すごくすごくシアワセだった。
お気に入りの場所、またひとつ、見ぃ~つけたっ。


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