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小さな圃場の恵み [家庭菜園]

お盆前に種を下ろした大根が次々と収穫できるようになり、
毎日の食卓に「うちの子」が登場するようになった。
草を刈って敷き詰めるだけの、なんちゃって自然農なのだが、
まったく耕さずに地上・地下とも
数センチ宿根を切って種を下ろしただけの圃場に、
又根にもならずに(12本のうち2本は又根になったけど)立派に育った。
うふ。立派とはいえ、直径6~7cm、長さはせいぜい20cm程度だけどね。

この大根の種は、去年まで市民農園で使っていた種の余りだった。
市民農園では、何故かとっても辛い、ちょっとエグみのある大根しか育たなかったが、
同じ種なのに、きめ細かい肌の、辛み・エグみの少ない、小ぶりの大根に育った。
葉も見事で、いわゆるフィボナッチ数列が目で見てわかる美しい形。
真上から見ていると、吸い込まれるような渦を巻いて、
「自然のカタチって、なんて美しいんだろう」と
草刈りもせずに見入ってしまう事の方が多かったかも。

この小さな圃場の横を通ったメロンのご近所さん夫妻も、
「こういう育て方でもしっかり育つんだねぇ」と言ってくださった。
なんちゃって自然農の常で、それぞれの種の個性で収穫時期もサイズもさまざま。
漬物用にと思って育てたものの、収穫はほぼ1本ずつだったので、
普通に調理してゆっくり全部いただいた。
あまりに可愛いので、葉をふりかけにしたり、皮も切り干し大根にしたり、はりはり漬けにして、
どうしても使えない尻尾や葉だって、細かくして草マルチに混ぜ余すことなく使い切った。
ああ、シアワセ。なんて嬉しい恵みだろう。

味をしめて、大根の畝の隣に小カブの種も下ろした。
間引きした際にその小さな葉もおかずにしたが、
こんなに小さくても、ちゃ~んとカブの葉の味がした。
気温も低くなり、日照時間もどんどん短くなっているのでなかなか成長しない。
霜でやられないように簡易ビニールトンネルを被せて様子を見ているが、
小カブはいつ収穫できるかなぁ。


今年は家庭菜園は諦めていたが、やっぱり自分で手をかけたものは
愛おしくて、本当に嬉しいもんだね。
稲刈りがすっかり終わって、山との境に巡らせてあった電気柵も撤去されたようだ。
この小さな圃場も、動物たちのえさ場になってしまうかもしれないが、
楽しみに、楽しみに、見守ろうねぇ。


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田んぼを焼く [厚田の風景]

お隣の若旦那とお仲間数人で、稲刈りが終わった田んぼを焼き始めた。
すべてに火を放つのではなく、田んぼの数か所に条間をまたぐように一列ずつ
バーナーで点火していく。
火は畝をゆっくり縦に移動していき、
火が消えた後の切り株は美しい真っ黒な姿に変わる。
枯れ色の切り株が、ちろちろと鮮やかな炎に包まれた後、真っ黒になる様子が
あまりにキレイで、これもまた見飽きることなく延々と観察してしまう。

全部の面に火が放たれて、皆が帰った後も、ゆっくりゆっくり、炎が移っていく。
おうちの中にも、ちょっと香ばしい煙の匂いが漂う。
何かの折に手を止めては、何度も何度も田んぼの様子を見る。
陽が落ちるのが早いので、もう辺りは薄暗くなってきたが、
ゆっくり、ちろちろと、田んぼのあちこちで炎がより美しくゆらめく。
燎原の炎、という言葉が頭に浮かぶが、
こんな穏やかな風景の表現ではないのかもしれない。
ああ、それにしても、キレイだなぁ。


暗くなっても田んぼのあちこちに火が残って、
真っ暗なはずの発足の夜に、ぼんぼりを灯しているかのようだ。
19時くらいに最後のぼんぼりは消えた。
私の中の、小さな祭りが終わったような気がした。


<訂正追記>
【雪虫、舞う】の中でお隣の若奥ちゃまがいらした話があったが、
ご挨拶にみえた内容は、「稲刈りがうるさいでしょ」ではなく
「家の中、煙たいでしょ」だったことを、綴りながら思い出した。
雪虫と若奥ちゃまの登場は、このわら焼きの日だったと訂正します。
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