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老健転院 [父の介護]

11/27。老健転院のため札幌に向かう。
でも本当に転院できるかはまだわからない。
当日朝の診断で発熱や肺炎の徴候があれば、老健では受け入れができないため、
父の体調次第なのだ。
10時の出発に合わせて30分前までに病院に着きたかったが、
渋滞に巻き込まれて少し押しそうだ。
移動しながら病院に連絡したら、
「10時までに着けるなら大丈夫ですよ。転院可能との診断も出ましたよ」とのこと。

父はストレッチャーで移動するので、
ケースワーカーさんが介護タクシーを手配してくれている。
私は父に付き添い、ダーリンはステーションワゴン君で別途老健に向かってくれる。
先に退院手続きをして、父の病棟に向かった。
父がストレッチャーで搬送されてきた。
衰弱しているが、「これから老健に移るからね。慣れ親しんだ施設の向かいだよ」と
声をかけると、頷いてくれた。意識はしっかりしているようだ。

移動する時、ナースステーションから大勢の看護師さんが出てきて、
皆でお見送りをしてくれた。
「がんばってね~」「いってらっしゃ~い」と手を振ってくれる。
好きで絶食させたわけでもないのに、父の苛立ちの矛先となって
時にはオムツを投げつけられたであろう看護師さん達が、笑顔で見送ってくれる。
なんだかぐっと来て、涙ぐんでしまった。
色々制限のある中で、本当に良くしていただいた。
ありがとうございました。

移動中は、父の手をさすりながら、
「老健はいつも通っていた向かいのクリニックと棟続きになってるんだよ」
「お父さんが大好きな公園もすぐ横にあるよ」と話しかける。
すっかり肉が削げ落ちて、骨と皮だけの手だが、
老人特有の、しんなりとしたツルツルした手触りが
祖父母や晩年の母、叔母の手を思い出す。
ああ、みんな、こういうツルツルの手触りだったなぁ。
私、老人の手をさするの、好きだったなぁ。
父はもう、晩年の老人の手なんだなぁ、としみじみ思いながら。

そうして、ついに老健に転院することができたのだった。


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