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夜の峠で・・・ [厚田の野生生物]

カメムシの侵入に頭を悩ませている今日この頃。
主だった侵入経路である窓と扉を、防寒も兼ねてプラ段で封入したいと思い立った。
当別のホームセンターで梱包用の薄くて安いプラ段があったことを思い出し、
もう陽も傾こうかと言う昼下がりに、当別に向けて車を走らせた。

秋の峠は特に動物との遭遇が多い気がする。
当別側に下りる前に、2キツネ、2シカに遭遇。
下りて左折すると道民の森、右折するとふくろう湖に続く道に出て、右折する。
すでに夕焼けの色が映えて、風景がほんのり赤く染まり、薄暗くなる頃に、
ツアーサイクリングと思われる、単独走行のおじいちゃんとすれ違う。
「今から道民の森でキャンプ? 朝夕冷え込むから大丈夫かね?」などとやり過ごし、、
当別でプラ段などの資材と、食品スーパーで買物をすると、もうすっかり暗くなってしまった。
夜になると見通しも悪くなるし、動物の出現頻度も高くなる。
道路脇から何か飛び出して来ないか、道路に光る眼がないか、
ドキドキしながら峠を走って、頂上部に向かっていた。


わっ! 何か居る!!・・・というか、誰か居る!
暗い峠道を、自転車を押して上る、さっきのおじいちゃん!
「大丈夫ですか! まだまだ頂上までありますよ! こんな暗い中で!」

「いや、大丈夫ですよ。今日は厚田の浜でキャンプして
明朝は厚田漁港の朝市で買物して帰るんです」
「危ないですよ! 真っ暗な山の中で無灯火だと走行車もビックリしますよ」
おせっかいとは思ったが、熊出没したばかりのこの時期に、無謀すぎる。
自転車ごとおじいちゃんをピックアップして厚田市街まで送り届けることにした。

とはいえ、プラ段はうちのステーションワゴン君にはいっぱいいっぱいの積荷で、
後部座席を倒して積んでも運転席の背中にツンツン当たるくらいのサイズだ。
おじいちゃんが座れるよう片側のシートだけ起こし、
自転車をギリギリで載せ、プラ段はおじいちゃんの頭の上に乗っかっちゃうので、
おじいちゃんに天井へ押さえつけて貰いながらなんとか乗ってもらった。

「どちらからいらしたんですか」
「いやぁ、札幌からです。峠越えしてキャンプしてるんですよ、色んなところを」
「それにしても危ないです。熊も出たばかりですし、
ここ最近は夜もすごく冷え込みますから」
「いやぁ・・・」
なんか不満そうです。いらんおせっかいだったかもしれんです。
でも、行方不明とか立ち往生とかされると、地元が大変なんですから。
ここから峠道はまだ続く。特に頂上を過ぎてからは急勾配の長い下り坂もあるし、
無灯火の自転車で下るなんて、考えただけでもゾッとする。

「一旦明るい所で落ち着くといいかもしれませんね。トイレもあるし、
道の駅まで送ります。そこからだと、漁港も一望できるので」
「はぁ、すみませんね」
厚田までの道すがら、
道路に飛び出すキツネ、何か獲物を咥えたアライグマに遭遇。


おじいちゃんを道の駅あいろーど厚田で降ろし、厚田漁港への道を案内して別れる。
私が道の駅のトイレを借りているうちに、
落ち着くことなくおじいちゃんは厚田川の川原へ向かって走って行ったという。
この気温でもあの軽装でキャンプするつもりなんだなぁ。


「実はすれ違った時、嫌な予感はしたんだ」とダーリンが言う。
「まさかとは思ったけど、暗闇におじいちゃんの後ろ姿がヘッドライトに照らされた時、
やっぱり、と思ったよ」
「陽が暮れてから峠越えするとはねぇ」
道に飛び出してきた野生動物を轢きそうだったことといい、
夜の峠って、ドキドキするものに遭遇するもんだなぁ。
それにしても、何事もなくて本当によかった・・・。


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