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小鳥サイズ、と呼んでいるもの [厚田の野生生物]

日付は前後するが、
カメムシ登場の前は、大型の蛾が大量発生していた。
最初はサンルームでアオガエルを腹から観察していると、
たくさんの小さな羽虫に混じって大型の蛾が飛んでくるようになった。
サンルームの天井にとまってから、バタバタと羽を動かすと、
その羽で叩く音が大きくて、「鳥か!?」とビックリするほどだ。
灯火に寄ってくるので、寝室:ぼくの部屋に灯りが点くと、
ガラス窓をバタバタバタ、と叩く。
すりガラス越しに映る、そのシルエットの大きさ!
15~16cmもあるだろうか。
名前がわからなかったので、「小鳥サイズ」と呼んでいた。

図書館で借りた虫図鑑には似ているけれど該当する種がなかった。
後日ネット開通後に調べてみると、
クスサンという蛾だった。楠蚕、と書くらしい。
繭の写真を見ると、「あ、知ってる。草刈りの時に見た、見た」と思い、
幼虫の写真を見ると、「すごくたくさんおうちの壁に貼りついていた!」と
思い当たることばかりだ。
そういえば、ボイラー業者さんが叫び声をあげていた毛虫、
今思えば、クスサンの幼虫だったな。


夜のサンルームで二人して一服しながら、遠くの街灯をみると、
大量のクスサンが灯りを求めて八の字にわんわんと飛び狂っている。
方向転換すると街灯の灯りが反射してキラリン!と光る。
その光の大きさだけで、「ああ~、でっかいねぇ」と二人でいちいち慄くのだった。

少し季節が進んで、クスサンの数が徐々に少なくなった頃、
イチゴ収穫のハウスに迷い込むようになってきた。
そ~っとイチゴの葉に隠れて卵を産み付けようとしているのだ。
ハウスの中ではちょっと赤みを帯びて見えるので、イチゴかと思って手を伸ばしては、
ブルブルっと震える体に触れて、そこでもまた慄く。
本当に寒くなる直前まで、なんやかやとクスサンは私の生活の中にいた、
身近ないのちだったなぁ。
春になったら、またひゃーひゃー慄きながら、
あの10cmもあろうかという大きくて美しい幼虫に出会えるのかな。


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