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草刈りで気付く距離感 [移住生活のはじまり]

謎の庭木。
這松のようでもあり、オンコ(イチイ)に見えなくもない、常緑樹。
とにかく長年手入れをしていないので、もともとの樹形がわからないほど暴れている。
根元にも様々な草たちが複雑に生い茂って、何がどこから生えているのか・・・。

庭の状態を把握するために今日も草刈だ。
あんなにドクダミを刈ったのに、まだまだ何倍も、何か所も、
あちこちに生えまくっている。


とりあえず、訳も分からず刈り始める。
這松のようなオンコっぽい木は、まるで花が開いたように低く周囲に広がって、
その下の陽があたらないところから、
一生懸命這い出してきたように、徒長したドクダミが花のガク状に下部を取り巻く。
ちょうど花芯に当たる部分に茅と思われる背の高い草がすっくと立っている。
こうしてみると、みんなで寄り添って、まるで花を形作るように
支え合っているみたいに見える。
自然農でも、大地の再生実践マニュアルでも、
「足りないものを補うように、必要があってそこにある」的な話が出てくる。
ここにいる植物たちは、何を補おうとしているのだろう。
色々調べたいがネットがないので、
荷物を漁って、「北海道の花」というポケット図鑑で調べてみる。

敷地に黄色い花が咲き乱れている。ほぼこの花が埋め尽くしていると言っていい。
タンポポみたいなものかと思ったら、ブタナだった。
菜園だと、オヒシバ、メヒシバ、クローバー、スベリヒユなどで土が覆われていたが、
この敷地は粘土質の土がむき出しになって、そこから単独で生えている。
水はけが悪くて、しかも表面が乾燥しているこの土地を補おうとしているのかな。

よくわからないけど、木の足元は風通しが良くなるよう梳いてやろう。
徒長した枝も切ってやろう。
むき出しの地面から少しでも色々な植物が生えやすくなるように、
刈った草も細かくして撒いてやろう。


夢中で草刈りをしていたら、何か気配を感じた。
石板の上に、「あいつ(カマドウマ)」が居た。
アンタッチャブルゾーンから来襲する時と違って、こちらにフォーカスしていない。
私とは違う方向を向いて、じっとしている。
おうちの中であいつを見ると、私も恐怖オーラを出してしまうのだが、
外の風でくつろいでいるように見えるあいつには恐怖を感じなかった。

視界の端にあいつを意識しつつも、黙々と草刈りをする。
あいつも、おそらく私を意識しつつも、気にせず違う方向をみてじっとしている。
ふうん。こんな距離感もあるんだな。
あいつ、外ではこんな顔してたのか。
おうちの中では私の恐怖感を反映して、エクソシストしちゃってるのかな。


植物とも、虫とも、うまい距離感でいられたらいいなぁ。
なんか、ちょっとヒントを貰ったような気がする。

とはいえ、夜はやっぱりあいつが来襲して、
ひとりで大騒ぎしたのだったが。
わかったような気がする、と できる、は別物だった。

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