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父なしで医師面談 [父の介護]

父は誤嚥性肺炎と回復を繰り返すたびに、やはり少しずつ弱っていっていた。
週イチの面会では元気そうな様子であっても、病床ではもっとぐったりしているらしい。
今回の医師面談は、同室者がすべてコロナ陽性になったため、逆隔離されている父を
同席させずに家族のみの面談となった。

老健への転院を11/13予定で進めてくれているが、
コロナの院内感染拡大を受けて、流動的な状況になっているという。
現状は先週の誤嚥性肺炎の発熱は治まったため一日一回の完全横臥位での食事らしい。
体力が徐々に落ちているため、高齢者はいつ呼吸や心臓の動きが弱まるか予断を許さず、
その際の人工呼吸や心臓マッサージを行わない場合、
そのまま病院で看取りとなる可能性もあるとのことだった。
父が同席していないこともあってか、いよいよ「看取り」という言葉が
頻繁に出るようになってきた。
延命処置を望まない場合、父の生殺与奪は本人と家族の手にある、と
突き付けられているのである。
姉と、「お父さんは病院から出ないぞ」と言っていたことを思い出し不安になる。
亡くなる前に予感めいたことを故人が呟いていた、というのを時々耳にするが、
まさか父は『病院から出られない』予感があるのでは、とイヤな想像が頭をよぎる。

もしもの事態になっても延命治療を望まないことを再確認し、面談を終える。
私たち家族は、父のカラダが寿命を全うし、老衰で逝ってくれることを望む。
あらゆる手を尽くして一秒でも長く生きてくれることよりも、
生き切って、燃やし尽くして、枯れていく様をしっかり見守ることを。
残念ながら一番大好きな『食べる』ということを奪われる、
つらい最期になるかもしれないが、それは私たち家族の責として受け入れよう。


父には面会できないが、介護用品と手紙と、TVカードを買うお小遣いを
看護師さんに託して、病院を後にする。
姉の手紙には「老健に移ったら食べられるようになるからね」と書いてあったが、
老健での対応は、『転院時の医師の判断に準じて対応を継続』と言われているので、
転院時に絶食対応中であれば老健に移っても絶食は続く可能性があるのにと思うと
私にはためらいがあった。無駄に期待させてしまうのではないかと。
でも、希望を持って闘病してくれるならその言葉は正しいのかもしれない。
色々揺れ動く。何が正解かはわからない。
こうして父に何が一番良いのかを思い悩むことが正解であってほしい。


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