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援農は楽しいな [移住地に馴染む足ががり]

イチゴ収穫へは、ママチャリで出かける。
イチゴ農家さんは田んぼを挟んだ直線距離だと300m位だが、
田んぼをぐるっと回る道路を行くので500mほど先にある。
静まり返った朝の空気の中、物置のシャッターを開けて、ママチャリ出動だ。
いつも電線にトンビがとまっている。
私がママチャリをこぎ出すと、トンビもついて来る。
そして、イチゴ農家さんの電柱まで一緒に来た後は、そのままどこかへ去っていく。
私としては見守ってくれているような気になって、短い道中を話しかけながら走り、
イチゴ農家さんの電柱で「バイバイ、またね~」と別れている。
トンビにしてみたら、「俺のシマに見慣れない奴、どこに行く?」と
見張っているだけかもしれないが。

実は最近ちょっと病んでいるのだ。
日中はいいの、日中は。
お陽様が出ている時は、風景も、風も、音も、生命力に溢れていて、
いちいち感動するし、大げさに言えば「祝福されている」感じがする。
でもね、陽が落ちて、途端に人の気配がなくなっちゃうと、怖くなってくる。
外はカエルの声が止むことはなく、もはや生活のベース音だ。
そこに、虫の羽音、明るい窓に衝突する音がする。
おうちの中では、カサ、とかポンッ、とかパチッ、とか
あいつを始めとする虫の登場音。
湿気た雲に覆われた空は、月も星もなく、あまりにも、あまりにも、真っ暗。
もう、この闇の中に私以外に生きているのは野生生物だけ、という気持ちになる。
ダーリンが帰ってくるヘッドライトを見るまでは、鬱々としているのだ。


でも、夜が明ければ、イチゴ農家さんに行ける。
人に触れ、地域のちょっとした話題も聞かせてもらえて、パワーが充填されるのだ。
とはいえ、あまりのトロさに、「もしかして両手で収穫してる?」と指摘が入る。
「イチゴを傷つけちゃいそうで、片手ではどうしてもうまくいかなくて」
改めて、もぎ方をレクチャーしてもらう。
ああっ!わかった!こうすればいいのか!
今更ながら、もぎ方がわかって、急に楽しさが倍増する。
そうか、そうなんだね。簡単にポロッともげるポイントがあったんだね。
「葉掻きもそんなにしなくていいよ、イチゴ収穫を最優先にね」
そう言われて、本当に枯れた葉以外は気にしないようにしてみると、
もう役目を終えようとする葉は、付け根に触れるだけで自らポロッと離れる。
ああ、私、まだ落ちたくない葉も掻いてたのかもしれない。

もう一週間以上経つのに、という今更感は否めないが、
なんだかちょっとだけ、コツがわかった気がする。

イチゴがどうしてほしいのか、いつか声が聞こえるようになるといいなぁ。
人と触れ合え、植物と触れ合える。
援農って楽しいな!


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