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厚田は遠かった [厚田民生活 二巡目]

ここはどこだ。
下手稲通り沿い、らしい。
近くに橋があった。「中の川」と表示されているが、まったく聞いたことがない川。
手稲山が近くに見えるので、あっちが西か。
とりあえず厚田のある北東方向に向かおう。
イチゴ農家さんとの会話の中で、
「石狩庁舎からは結構色々な所にバス路線が繋がっている」と聞いたことがあるので、
とりあえず石狩庁舎方向に向かうバス停を探そう。
途中で新川通りに出られれば、どのあたりかは判断がつくだろうし。

空が青い。快晴だ。
この時間でこの暑さなら、今日は結構気温が上がるだろうなぁ。
下手稲通りにバス停があったが、地下鉄麻生駅や札幌中心部に向かう路線だった。
諦めて中の川を渡り、石狩・厚田方向に歩き出す。
「途中でタクシーを拾って、石狩庁舎まで行けば何とかなるだろう」とダーリン。

処置が終わった時に、イチゴ農家さんにお詫びと経過報告のメールを送っておいたら、
帰りは迎えに行きますよ、と返信があった。
「いや、それはさすがにご迷惑をかけすぎでしょ」とダーリン。
近くのバス停を探してみるので大丈夫です、万策尽きたらヘルプメールします(笑)、と
返して、また歩き出す。

進行方向に、中央バスが横切ったのが見えた。
「あの道路、バス路線みたい」と喜んで辿り着くと、手稲駅行きだった。
そうこうするうちに、ダーリンがトイレタイムを所望した。
コンビニでも探しながら、北東方向に進もう。
お、また橋がある。橋を渡ると更に橋が見え、あそこが新川通りのようだ。
新川通りに出たものの、コンビニは見当たらない。
向こう岸のスーパーでトイレを借りよう。


待つ間、スーパーにあった公衆電話の電話帖で、石狩市のタクシー会社の番号を控えた。
拾えなかったら、呼べばいいね。
またバス停を探しつつ、通りすがりのタクシーを探しつつ、歩きはじめる。
道路標示を見つけ、石狩と指し示す方向に曲がって歩き出すと、手稲高校が見えた。
おお、学校があるなら絶対バス停も近くにある筈だ。
イチゴ農家さんに、手稲高校のバス停があったので大丈夫です、とメールした。
花畔(ばんなぐろ)行のバスがある。これに乗れば石狩庁舎に辿り着ける。
でも10:21まで石狩庁舎方面へのバスは無かった。
時間つぶしで進行方向へバス停を辿って歩くと、石狩市のカントリーサインが見えてきた。
「足にマメができたみたいなので、そろそろ歩かずに待ちたい」とダーリンに訴え、
改めてまじまじと時刻表を見ると、見間違えていたのか10:57までバスが無い。
こんなに交通量が多い道路なのに、タクシーも捕まらない。

落胆していたら、イチゴ農家さんから
「迎えに出ていて、望来まで到達しているので、花畔で落ち合いましょう」とメール着信。
うわ~。迎えにきてくれちゃってる~!
そこまで迷惑はかけられないと思っていても、もう充分ご迷惑をおかけしちゃってる~!
ここでやっとタクシーを捕まえられて、待ち合わせ場所まで辿り着くことができた。


恐縮しきりで拾っていただき、無事厚田まで帰ってくることができた。
救急車が来た後に、おうちの前を通りかかると車がそのまま有ったので、
「帰りはどうするんだろう」と心配して下さって、迎えに出たのだそうだ。
すごい。忙しく用事をこなしながらも、「車が有る」というだけで
ここまで気を回していただけたのが、びっくりだ。
すごいなぁ。イチゴ農家さんに限らずだけど、
この地域の人達はいつも色々なことを気にかけながら生活しているんだなぁ。
私はといえば、いつも迷惑をかけるばかり、お世話になってばかり。
日々の心づもりが違うんだなぁと実感した。
いつか必ず、地域の人達に貢献できるようになりたい、と強く思うのだった。


帰宅して、改めてバスの時刻表を見たら、
石狩庁舎から厚田に向かうバスは12:05まで無かった。
思えば病院を出てから手稲区をさまよう事、約1時間。距離にして4.4km。
石狩市に入ってから石狩庁舎までのタクシーで5分超。距離にして5.5km。
厚田行の路線バスに乗れる場所までですら、けっこう遠かったんだね。

車なしで自力で帰るには、厚田は遠かった。


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