SSブログ

検査と処置 [厚田民生活 二巡目]

「頭を打っているし、気を失っていたので、頭部の検査をするね。
その前に傷を止めますよ。ステープラー取って」と医師は看護師さんに指示する。
す、ステープラーって、ホッチキスだよね。
あ~、頭に打ち込むわけね。
「消毒するよ~、沁みるけどガマンしてね~」
傷口付近を拭いている感じはあるが、ぶつけた衝撃で左後頭部は痺れており、痛みはない。
「針を打ち込むよ~、ちょっと痛いよ~」
バン、バン、バン、バン、と4回、針が打ち込まれた。これも痛くはない。
なんというか、ぶつけた左後頭部全体がずーっと痛いので、
局所的に小さく鋭い痛みがあったとしても全っ然、気にならない、という感じ。

処置自体はこれだけだった。
10年前の骨折時にも驚いたのだが、今は患部を水洗いするなどして、
昭和の昔のように泡がシュワシュワ出るようなキツい消毒液は使わないらしい。
縫合した患部に塗り薬を塗るわけでもなく、ガーゼすらあてずにそのまま処置終了。

「じゃあ頭の写真撮りますよ~」と
ストレッチャーに移動させられ、MRIの撮影をした。
続いて、色々な角度から頭と首のレントゲンを撮ったが、
とにかく頭を固定させる枕のような台が、痛い所にいちいち当たるのが辛かった。


撮影が終わると、ダーリンを処置室に呼び入れて、医師説明。
 ・骨折などの異常は無い
 ・左後頭部に裂傷があり出血、血腫(たんこぶ)ができている
 ・血腫は硬膜の外部で、硬膜下血腫は無い
 ・頸椎のカーブがS字になっていない
 ・頸椎の神経が通っている空間の一部が狭くなっている
というような内容だった。
頸椎のカーブがS字になっていないと聞いて、「ストレートネックですか」と尋ねると、
「というより後傾しています」とのこと。
元々なのか、頭を打ったからなのかはわからない。
一週間後に抜糸のため再来院することにし、何か不調が起こらないかは様子見となった。


処置が終わって、会計待ちで病院のロビーに誘導された。
もうそろそろ9時になる。ロビーには予約待ちの通院者がぼちぼち現れていた。
会計を待つ間、持参した黒いTシャツに着替えることにする。
これならもし血が垂れて来ても目立たないのでいいだろう。
トイレの洗面所で首筋の血を拭く。固まった血で髪の毛がガビガビだ。
縫合したものの、時々沁み出た血が髪の毛を伝ってポチッと首筋に落ちる。
まぁ、これくらいは仕方ないよな。動脈にかかってたんだもんなぁ。

トイレの中で、会計に名前を呼ばれたのを聞きつけ、急いで身支度を整えて出た。
会計もすべて終え、病院の外に出る。
外はじりじりと暑い、晴天。
ああ~。ここ、どこだろう。まったく知らない場所だぁ。
ダーリンに、「せっかくの休みだったのに、とんでもないことしちゃってゴメン」と謝ると、
「やっぱり、お父ちゃんの娘だねぇ」とからかわれる。
亡き父のケガの度に怒っていた私。
今はその役回りを自分が担っているのかぁ。とほほ。


nice!(0)  コメント(6) 

厚田は遠かった [厚田民生活 二巡目]

ここはどこだ。
下手稲通り沿い、らしい。
近くに橋があった。「中の川」と表示されているが、まったく聞いたことがない川。
手稲山が近くに見えるので、あっちが西か。
とりあえず厚田のある北東方向に向かおう。
イチゴ農家さんとの会話の中で、
「石狩庁舎からは結構色々な所にバス路線が繋がっている」と聞いたことがあるので、
とりあえず石狩庁舎方向に向かうバス停を探そう。
途中で新川通りに出られれば、どのあたりかは判断がつくだろうし。

空が青い。快晴だ。
この時間でこの暑さなら、今日は結構気温が上がるだろうなぁ。
下手稲通りにバス停があったが、地下鉄麻生駅や札幌中心部に向かう路線だった。
諦めて中の川を渡り、石狩・厚田方向に歩き出す。
「途中でタクシーを拾って、石狩庁舎まで行けば何とかなるだろう」とダーリン。

処置が終わった時に、イチゴ農家さんにお詫びと経過報告のメールを送っておいたら、
帰りは迎えに行きますよ、と返信があった。
「いや、それはさすがにご迷惑をかけすぎでしょ」とダーリン。
近くのバス停を探してみるので大丈夫です、万策尽きたらヘルプメールします(笑)、と
返して、また歩き出す。

進行方向に、中央バスが横切ったのが見えた。
「あの道路、バス路線みたい」と喜んで辿り着くと、手稲駅行きだった。
そうこうするうちに、ダーリンがトイレタイムを所望した。
コンビニでも探しながら、北東方向に進もう。
お、また橋がある。橋を渡ると更に橋が見え、あそこが新川通りのようだ。
新川通りに出たものの、コンビニは見当たらない。
向こう岸のスーパーでトイレを借りよう。


待つ間、スーパーにあった公衆電話の電話帖で、石狩市のタクシー会社の番号を控えた。
拾えなかったら、呼べばいいね。
またバス停を探しつつ、通りすがりのタクシーを探しつつ、歩きはじめる。
道路標示を見つけ、石狩と指し示す方向に曲がって歩き出すと、手稲高校が見えた。
おお、学校があるなら絶対バス停も近くにある筈だ。
イチゴ農家さんに、手稲高校のバス停があったので大丈夫です、とメールした。
花畔(ばんなぐろ)行のバスがある。これに乗れば石狩庁舎に辿り着ける。
でも10:21まで石狩庁舎方面へのバスは無かった。
時間つぶしで進行方向へバス停を辿って歩くと、石狩市のカントリーサインが見えてきた。
「足にマメができたみたいなので、そろそろ歩かずに待ちたい」とダーリンに訴え、
改めてまじまじと時刻表を見ると、見間違えていたのか10:57までバスが無い。
こんなに交通量が多い道路なのに、タクシーも捕まらない。

落胆していたら、イチゴ農家さんから
「迎えに出ていて、望来まで到達しているので、花畔で落ち合いましょう」とメール着信。
うわ~。迎えにきてくれちゃってる~!
そこまで迷惑はかけられないと思っていても、もう充分ご迷惑をおかけしちゃってる~!
ここでやっとタクシーを捕まえられて、待ち合わせ場所まで辿り着くことができた。


恐縮しきりで拾っていただき、無事厚田まで帰ってくることができた。
救急車が来た後に、おうちの前を通りかかると車がそのまま有ったので、
「帰りはどうするんだろう」と心配して下さって、迎えに出たのだそうだ。
すごい。忙しく用事をこなしながらも、「車が有る」というだけで
ここまで気を回していただけたのが、びっくりだ。
すごいなぁ。イチゴ農家さんに限らずだけど、
この地域の人達はいつも色々なことを気にかけながら生活しているんだなぁ。
私はといえば、いつも迷惑をかけるばかり、お世話になってばかり。
日々の心づもりが違うんだなぁと実感した。
いつか必ず、地域の人達に貢献できるようになりたい、と強く思うのだった。


帰宅して、改めてバスの時刻表を見たら、
石狩庁舎から厚田に向かうバスは12:05まで無かった。
思えば病院を出てから手稲区をさまよう事、約1時間。距離にして4.4km。
石狩市に入ってから石狩庁舎までのタクシーで5分超。距離にして5.5km。
厚田行の路線バスに乗れる場所までですら、けっこう遠かったんだね。

車なしで自力で帰るには、厚田は遠かった。


nice!(0)  コメント(2) 

お手入れをサボっている間に [家庭菜園]

2日ほどは たんこぶも傷口も腫れて、じわじわと血も滲み出していた。
ガーゼをあててバンダナで固定していたが、血が滲まなくなるまで木曜日までかかった。
血が滲まなくなった頃、いつのまにか たんこぶも無くなっていた。
寝る時にどうしても傷があたるので、常に右側を下にして横向きで寝なければいけない。
眠るとついつい寝返りを打って「痛い!」とビクッと起きるので眠りは常に浅い。
ぼうっとしているのか、とにかく眠たい3日間を過ごす。
ダーリンの3連休はただただ主婦業で埋め尽くされる、という申し訳ない状態だった。

とはいえ、翌々日には普通にお手伝いにも復帰し、通常の生活が始まった。
ダーリンが森のお散歩のついでに畑もチェックしてくれて、
ちょこちょこ収穫をしてくれていたが、草たちがぼうぼうで、畝が埋まってしまいそうだ。
醪郷醤太郎くんの櫂入れも、糠床のお手入れもサボっていた。
今日は一気に溜めていたお世話分を取り戻さねば。
雨が降る前に、枯れてきたトウヤ種のジャガイモも試し掘りしておきたい。
まだ定植してから80日程度だけど、大丈夫なんだろうか。


醪郷醤太郎くんは、表面がかなり濃い色になっていたものの、
櫂入れをするとポコポコと空気を吐きだして、いい香りのままだったので、ひと安心。
ヘラについた醪を味見すると、味噌と醤油の中間のような美味しい滴だった。
糠床は表面が白くなっていたが、念のため少しこそぎ取って
しっかり空気を含ませながら混ぜていくと、糠床のいい香り。これも大丈夫そう。

畑は草刈りまでやると おそらくオーバーワークになるだろうから、
収穫と整枝だけ、と決めて作業した。
ごく浅植えにしたので芋の緑化が心配だったが、さほど緑化イモも無かったので
一気にトウヤを掘り上げた。
宿根草の根を取り除くことすらせずに、種イモの部分だけ根を切って浅く植えただけなのに、
あの張り巡らされた根はどこへ消えたのか、
ほろほろの柔らかい土の中から、小さめのたくさんのジャガイモが出てきた。
これが、本日の収穫。
0821 トウヤ試し掘り.jpg

お手入れをまったくしていなかったのに、
みんな立派に育ってくれて。
元々ここに育っていた草たちも元気に旺盛に繁っている中、大きくなってくれていた。
ピーマンなんか、支柱すら立てていないのに、まぁ、すっくと立ち上がって
たわわに実をつけている。自然児たちはたくましいなぁ。
不思議と虫食いもほぼ無く、害獣被害も無い。
やせ地と思っていたのに、ひとりでにバランスを取りながら
どの子にとっても健やかな畑になっているのかなぁ、と感動しきりだった。


nice!(0)  コメント(4) 

子猫がデカくなった [猫のいる生活]

子猫たちが おうちにやってきてから1ヶ月が経とうとしている。
あんなに華奢で、歩くのもたどたどしかった・・・と思いたいが
割と最初から果敢に走り回っていたなぁ。
二匹一緒にやってきたのは、慣れるのにも役に立ったし、
いつもいつも二匹で狂ったようにじゃれまわっているので、
なんやかんやと身体能力の発達には すごく良かったんじゃないかと思う。

片掌にすっぽり収まるような子猫だったのに、たった1ヶ月でデカくなった。
初ごはんの時はこんなに小さかったのに0730 子猫の初ごはん.jpg
今の寝姿はずいぶん身長が伸びちゃあいないか。
これが8/8の姿。
0806 平和な子猫たち.jpg
これが8/16の姿。
0816 平和な子猫たち2.jpg
比較する構図にならないので伝わりにくいけど、
体長が30cm位になっているのだ。

今日はとうとう台所にも上れるようになってしまった。
ああ、嬉しいけれど悩みどころが多くなった・・・。

タグ:
nice!(0)  コメント(0) 

お祭り準備 [厚田民生活 二巡目]

今年は稲刈りが早そうな予感。
まだ緑が感じられる田んぼだが、稲穂はしっかり頭を垂れており、
黄金色とまではいかないものの、穂もずいぶん色づいてきた。
先週の風が強かった日、一部の稲が倒れてしまっていた。
稲妻のようにギザギザと走る痕跡を見ながら、
風はこんな風に吹き抜けていくのか、と思う。


例年は9月中旬に発足神社のお祭りがあるらしい。
今年は稲刈りが早まる可能性があること、厚田の他の神社と日程を合わせるために
8/31宵宮、9/1本祭と決まった。
去年は参加できたが、今年は父の喪中のため神社参拝は控えなければならない。
ただ、地域の会館の前で交流会の焼肉イベントがあるので、
そちらには参加させていただくことにした。
コロナをきっかけに色々なイベントや祭りが中止となり、交流会は久々だという。
私達だけでなく、飛ぶ鳥農場さんが移転してきたり、
厚田くんせいさんのお孫さんが移住してきたりで、
発足地区に加わった面子にとっても地域の方々と交流できる良い機会になり有難いことだ。

で、お祭りそのものには積極的に関われないものの、
この交流会イベントは是非ともお手伝いしたい、と申し出たところ、
案内チラシの配布を仰せつかった。
日頃なんやかやと親交があるお宅は数軒だし、
移住挨拶で回ったのも発足地区のほんの一部。
交流会前に顔合わせできるなら尚ありがたい。


交流会の段取りメンバーの一員でもある飛ぶ鳥農場さんと一緒に、夕暮れ時に回り始めた。
飛ぶ鳥農場のガールズ達も、お父さんと一緒に居たくて同乗している。微笑ましい。
我が家より奥にあるお宅を順に回っていく。
顔役さんのおうちまではご挨拶して見知ったお宅ばかりだったが、
ここから先は直接お会いしたことの無いおうちばかり。
顔役さんにこの先の順路と何軒のお宅があるかの概要を教えていただき、
ドキドキの初訪問で3軒にご挨拶しながらお知らせして回った。
あとは去年の「発足ツアー」で一度だけ通ったことがある道沿いのお宅7軒を残すのみ、だったが、日没とガールズ達の「もうおうちに帰ろうよ~」攻撃に屈して切り上げた。

翌日、今度は私ひとりで回ったが、日中はほとんどのおうちがお留守で、
チラシを玄関に挟むだけのお知らせになってしまった。

さぁ、週末はいよいよお祭りだ。
初めてお会いできる方々とどうかご縁が繋がりますように。


nice!(0)  コメント(0)