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冬の入口 [厚田の風景]

日記をサボっているうちに一週間経った。
この間に母の6年祭(仏教でいう七回忌)の墓参と、店の仕入れで2度札幌へ行った。
普段は車が無いので、おうち周辺の風景しか見ていないが、
たまに厚田の海側を見たり、札幌へ行く道すがらを見たりするのは新鮮だ。

厚田に来て気付いたのは、
札幌で秋を感じていた街路樹たち:イチョウ、モミジ、ナナカマドは、
ほぼ厚田にいないこと。
この山あいで美しく紅葉しているのは、9割がたがウルシばかりだし、
イチョウって、本当にこの地では自然に生えていないモノなんだなぁ。
それでも、針葉樹の深い緑に映える、広葉樹の黄色から茶色に至る多彩な色は美しいし、
ピンポイントで、はっとするほど鮮やかなウルシの赤が、差し色となってまた美しい。
木々の葉が落ちて、透けた枝越しに西日がチラ見えするのも山の秋の変化を感じさせる。

雲の形、空の色、山の景色に、札幌とは違う厚田の季節を感じていた一週間だったが、
今朝、ガクン、と季節が進んだ印象を受けた。
昨夜から風も強く、夜半から雨が降り出していた。
いつもなら薄明るくなる時間になっても雨雲に阻まれて、なかなか明るくならない。
雨が降り出す直前までは満月翌日の月明かりで、夜も明るかったのに。
5時半すぎにようやく明るくなってくると、
深い霧にかすんだ山の稜線が、ずいぶんとスカスカになっていた。
強い風で葉が落ちてしまったんだろうか。
山の中腹も緑色がずいぶん少なくなってしまった。
まるで今まで見ていた風景全体に、薄~く茶色のフィルターを掛けたかのように、
まだ青さを感じさせていた木々や草たちの枯色が進んでいた。
ああ、もう冬の入口なんだなぁ。


ダーリンを送り出して、台所でいたずらしている子猫を抱きかかえて座ると、
興奮していた筈の猫が、そのまま膝の上で丸くなって落ち着いてしまった。
そっか~。膝の体温が精神安定剤になるとは、君たちも寒かったのかねぇ。

聞きなれない鳥の声に、サンルームに出てみると、
渡り鳥の群れがV字になって東へ飛んでいく所だった。
あんなに遠いのに、白い身体と翼の先が黒いのが判る。大きな鳥なんだろうなぁ。
進行方向を変える時、一瞬、白い身体が光を受けてキラキラッと光った。
金属的なほど鋭く光ったので、見様によってはUFOの編隊飛行を目撃したような気分。
鳥たちも冬支度かぁ。

そういやぁ、激減したと喜んでいたカメムシも、
ワッペン型で大きい茶色のカメムシから、
丸っこくて銀蠅みたいに光る小さいカメムシへとメンバー交代してきている。
冬のお部屋で飛び回るのはこの丸いカメムシが殆どなので、いよいよ冬か、と覚悟する。
こんなことに気付くのも、厚田で迎える二度目の冬だからこそか。


周りを取り巻くあらゆるものが、
「冬が来るよ、冬が来るよ」と話しかけてきているような一日だった。


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コメント 2

えまママ

そんな美しい紅葉見たいー。写真ー。お願いします、是非。
生えている木がそんな違うのがとても驚きです。厚田の紅葉は厚田でだけ、見れる紅葉ですね。
たから、写真ーーー。
by えまママ (2024-10-22 14:01) 

BERA

>えまママ様
急に寒くなって、色がだいぶ鈍くなってきちゃったよ~。
この日の日記とは違う風景かもしれないけど、
雨が上がったら裏山の紅葉を撮って来るね。
by BERA (2024-10-23 11:31) 

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