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外を経験させてみる [猫のいる生活]

子猫たちは日々大きくなり、身体能力が上がっていく。
キッチンに誰かが立つと、「僕たちのごはん!?」と凄い勢いでダッシュして来て、
この時ばかりは 子猫らしい高い声でピャーピャーとおねだり鳴きする。
しかし、そのまま鳴いて可愛らしく待ってくれている訳では無い。
キッチンの高さは爪の引っかかりが無くても
ぴょいと飛び乗れるようになってしまったので、何をしてもすぐ隣に猫の顔がある。
ダーリンと二人体制で どちらかが激しい遊びを提供して気を逸らしていないと
台所仕事がまったく進まないのが目下の悩みだ。

そして窓辺にもやすやすと登るようになった。
0911 外を見つめる子猫たち.jpg
外に興味津々の様子だ。
家の外も元気にウロウロするような猫に育ってもらうため、
ちょっと外を経験させてみることにした。
とはいえ、外の野生動物たちに太刀打ちできるとは言い難い。
ヘタすりゃ猛禽類に空から狙われたっておかしくない、まだまだ子猫。
2匹同時に外を経験させて、家の中と同じに狂ったようにじゃれ合うと
道路に飛び出さないとも限らないし、それなりに危険はいっぱいなのだ。
そんな訳で、今日はそっとクロちゃんだけを連れて庭に出てみた。


外では風にそよぐ草も、草の間にぴょんぴょん飛び交うカエルたちも、
地面を這い回る虫たちも、すべてがそれぞれ動いて、それぞれの音をたてている。
クロちゃんは耳も眼もヒゲも総動員で
周囲にあふれる刺激に注意をはらってドキドキしている。
庭のひらけた所でそっと土の上に放してやる。
初めての感触を一歩一歩確かめながら、ゆっくり歩く。
その間も草が揺れ、虫が飛び、また揺れた草が頬をかすめる。
だんだん前足で揺れる草をいたぶり、虫に飛びつき、木の下に隠れては、
ばっと走り出てきて脱兎のごとく何かを追いかけて跳ね回るようになった。

原野の方に行かないように、私から離れる度に名前を呼びながら位置を変えると、
私をベースキャンプのように戻って来てはまた走り出すことを繰り返す。
何を見つけたのか、家の中では出さない声を発しながら、
見えないモノに飛びかかっていく。
すごいなぁ。ほんの数分で、こんな野性的な顔をするようになるんだなぁ。
少しずつ私から離れる距離が開いてきたので、
野生全開になる前におうちに帰ろうか。


ひとりでお留守番をしていた ねぇねが、
「クロちゃん、いつもと違う匂い」と、くんくんクロちゃんの全身を嗅ぎ回る。
先日ダーリンが ねぇねを肩にのせて外に出た時、
心細そうに鳴くのですぐ帰ってきたことがあったが、ねぇねも興味津々のようだ。
次回は ねぇねも外を探検してみようねぇ。
きっと、思っていたほどは怖くないと思うよ。

この日、おうちの中をちょっとパワーダウンしたハエがウロウロしていた。
うるさく飛び回るというより、始終床やら壁やらにとまって体力温存していた感じのハエ。
ねぇねが見つけて、「カカカカッ」とクラッキング音を鳴らしていた。
おお、ねぇねも狩猟本能が刺激されているのか、と嬉しくなった。
ちょっとずつ、うまい具合の野性味をそなえて成長してくれるといいなぁ。
君たちも、厚田の猫として一緒に育って行こうねぇ。


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