不思議な体験 [厚田民生活 二巡目]
私達は喪中のため鳥居をくぐれないが、本祭の後の自治会交流会には参加したい。
そんなお祭りの宵宮当日。
イチゴ農家さんのお手伝い時に、おうちの元家主さんの訃報を聞く。
病院と施設を行ったり来たりするような状態だったなか、
「うちに帰りたい」と漏らしていらしたのも聞き及んでいた。
この厚田の地に住まうことができるようになったのも、元家主さんのおかげだ。
直接お会いすることはなく、機会があれば感謝の気持ちを伝えたかったが果たせず、
なんとしてもお線香をあげに行きたいと思った。
ダーリンは土日はとにかくお店が忙しくて帰宅は日暮れ頃になってしまう。
どうしよう。きっとお通夜には間に合わない。
とりあえず、ダーリンにはメールで元家主さんがご逝去されたことを伝えよう。
忙しいからすぐにはメールを確認する暇なんかないだろう。
お通夜に間に合うように交通手段を確保しなければ。
時刻の合う路線バスが無い訳ではないが、そのバス停まで出る足が無い。
土日はスクールバスが走っていないのだ。
イチゴ農家さんに『どなたか便乗させていただける方に心辺りはありませんか』と
メールで相談してみた。その返信が来る前に、
ダーリンから「なんとしても間に合うように帰る」と返事が来たので、
なんとかお通夜の前にご焼香させていただくことができた。
おうちを譲り受ける時に何度かお会いしているご家族に、
「荼毘に伏す前に、帰りたかった家の前を通らせていただきます」と聞かされた。
告別式の頃にはもう私もダーリンも家を空けているので、
「その時には居りませんが、是非そうしてください」とお伝えした。
葬儀場の駐車場で鉢合わせた、スーパー農業女子ことイチゴ農家さんの奥様とも
「訪ねてきた時に『俺の家がこんなに汚く使われている!』と驚かないように
玄関前を片づけなきゃ」なんて軽口を叩いたりもしたのだった。
元家主さんの告別式、そして地域の本祭当日の朝。
イチゴ農家さんに出かけようとしていた時だった。
いつもより少し小さめの音で「ピンポーン」と玄関チャイムが鳴った。
ご近所さんはたとえお隣さんであっても徒歩で訪れる方は居ないのに、
駐車場に車は無く、玄関の外に人影も無かった。
咄嗟に、「元家主さんがいらしたんだ!」と思った。
思わず玄関を開けて、「汚くしてますがどうぞお上がり下さい」と
誰も居ない玄関先に話しかけていた。
ダーリンも玄関チャイムが鳴るのを聞いていたが、「2回鳴った」と言っていた。
私は1回しか聴こえなかった。それも不思議な話だ。
何はともあれ、直接お会いできなかった元家主さんが訪ねていらしたのだ、
しかも、本来は『自分の家』として帰ってきたかっただろうに、
玄関チャイムを鳴らして『訪問』してくださったんだ、と思うと、
なんだか認めていただいたような気がして、心温まる気持ちになった。
お手伝いに行ったイチゴ農家さんでも、その後の交流会でも、
「ご本人のカラダより先に、私達の在宅に合わせて訪ねていらしたんだと思う」と、
つい話を聞いて貰ったが、話せば話すほど、
元家主さんの思いやりを感じるような気がして、有難さにじ~んとした。
「元々はこのあたり一帯が元家主さんの親父さんの土地だったんだ。そこを、
こうして地域の会館や交流施設を作ろうと提供してくれたんだよ」と
顔役さんから聞かされた。
こうして交流会でも地域の方々に受け入れられながら過ごせているのは、
元家主さんとご家族がこの地で築いてきた信頼関係のおかげなんだなぁ。
皆が集まる本祭の当日に、元家主さんを偲ぶ話が聞けたのも偶然ではない気がする。
一笑に付されるかもしれない、不思議な話。
でも、私は、きっと訪ねてきてくださったんだ、と確信している。
そんなお祭りの宵宮当日。
イチゴ農家さんのお手伝い時に、おうちの元家主さんの訃報を聞く。
病院と施設を行ったり来たりするような状態だったなか、
「うちに帰りたい」と漏らしていらしたのも聞き及んでいた。
この厚田の地に住まうことができるようになったのも、元家主さんのおかげだ。
直接お会いすることはなく、機会があれば感謝の気持ちを伝えたかったが果たせず、
なんとしてもお線香をあげに行きたいと思った。
ダーリンは土日はとにかくお店が忙しくて帰宅は日暮れ頃になってしまう。
どうしよう。きっとお通夜には間に合わない。
とりあえず、ダーリンにはメールで元家主さんがご逝去されたことを伝えよう。
忙しいからすぐにはメールを確認する暇なんかないだろう。
お通夜に間に合うように交通手段を確保しなければ。
時刻の合う路線バスが無い訳ではないが、そのバス停まで出る足が無い。
土日はスクールバスが走っていないのだ。
イチゴ農家さんに『どなたか便乗させていただける方に心辺りはありませんか』と
メールで相談してみた。その返信が来る前に、
ダーリンから「なんとしても間に合うように帰る」と返事が来たので、
なんとかお通夜の前にご焼香させていただくことができた。
おうちを譲り受ける時に何度かお会いしているご家族に、
「荼毘に伏す前に、帰りたかった家の前を通らせていただきます」と聞かされた。
告別式の頃にはもう私もダーリンも家を空けているので、
「その時には居りませんが、是非そうしてください」とお伝えした。
葬儀場の駐車場で鉢合わせた、スーパー農業女子ことイチゴ農家さんの奥様とも
「訪ねてきた時に『俺の家がこんなに汚く使われている!』と驚かないように
玄関前を片づけなきゃ」なんて軽口を叩いたりもしたのだった。
元家主さんの告別式、そして地域の本祭当日の朝。
イチゴ農家さんに出かけようとしていた時だった。
いつもより少し小さめの音で「ピンポーン」と玄関チャイムが鳴った。
ご近所さんはたとえお隣さんであっても徒歩で訪れる方は居ないのに、
駐車場に車は無く、玄関の外に人影も無かった。
咄嗟に、「元家主さんがいらしたんだ!」と思った。
思わず玄関を開けて、「汚くしてますがどうぞお上がり下さい」と
誰も居ない玄関先に話しかけていた。
ダーリンも玄関チャイムが鳴るのを聞いていたが、「2回鳴った」と言っていた。
私は1回しか聴こえなかった。それも不思議な話だ。
何はともあれ、直接お会いできなかった元家主さんが訪ねていらしたのだ、
しかも、本来は『自分の家』として帰ってきたかっただろうに、
玄関チャイムを鳴らして『訪問』してくださったんだ、と思うと、
なんだか認めていただいたような気がして、心温まる気持ちになった。
お手伝いに行ったイチゴ農家さんでも、その後の交流会でも、
「ご本人のカラダより先に、私達の在宅に合わせて訪ねていらしたんだと思う」と、
つい話を聞いて貰ったが、話せば話すほど、
元家主さんの思いやりを感じるような気がして、有難さにじ~んとした。
「元々はこのあたり一帯が元家主さんの親父さんの土地だったんだ。そこを、
こうして地域の会館や交流施設を作ろうと提供してくれたんだよ」と
顔役さんから聞かされた。
こうして交流会でも地域の方々に受け入れられながら過ごせているのは、
元家主さんとご家族がこの地で築いてきた信頼関係のおかげなんだなぁ。
皆が集まる本祭の当日に、元家主さんを偲ぶ話が聞けたのも偶然ではない気がする。
一笑に付されるかもしれない、不思議な話。
でも、私は、きっと訪ねてきてくださったんだ、と確信している。
2024-09-02 18:14
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コメント(2)
不思議だけど、ありますよね、そうとしか思えない出来事。
元家主さん、お家を見て、安心されたのだと想像します。
by えまママ (2024-09-05 12:24)
>えまママ様
そうであってくれたら、と思います。
自分の思い込みかもしれないけれど、
生前お会いできなかった方でも通じるものがあったと信じています。
by BERA (2024-09-06 17:34)